韓国紙「日本と協力してトランプ時代を乗り越えよう」・・韓国の政権交代についての言及は無し

トランプ政権が始まり、さっそく多くの政策が話題になっています。世界各国がその対応に追われていることでしょうけど・・石破政権の対応も心配ですが、それ以上に「権限代行の代行」大統領の韓国では、心配も何も「大統領がいない」状態が続いています。そんなところ、東亜日報系列の「新東亜」紙(22日)が、「中国牽制のためにも、トランプ政権は日韓に強く出ることができない」という題の記事を載せました。似たような内容の記事はいままでも結構でていて、その多くは「だから安心して『安米経中(安保は米国、経済は中国)』を続けよう」というものでしたが・・なぜか今回は日本もセットで入っています。

似たような状況の(通商部門での圧力を受ける可能性が高い)国と協力しようとかそんな内容もありますが、いま韓国がもっとも気をつけるべきは『次の政権』ではないでしょうか。最近、与党支持率が高くなったとはいえ、まだまだ次の大統領選挙で政権交代になるという意見が多く、実際、保守側の候補は誰になるのか、いやそもそも「ある程度の競争」すらできそうな候補はいるのか、それすらハッキリしない状況です。というか、「題」の論拠が記事本文にほとんど書かれていない気もします。記事は「対中関係については、韓国、日本が米国と異なる見解を示す可能性も低い」としていますが、はたして、そうでしょうか。いままでも、これからも。以下、<<~>>で主に対中国関連内容を引用してみます。

 

<<・・韓国は同盟国である米国の要求に適切に対応し、国益を取らなければならない。日本も同じだ。日本は韓国のように米国の同盟国であり、製造業強国であり貿易大国である。同時に韓国のように米国の競争者である中国と隣接しており、北朝鮮の核リスクの中にある。米軍が駐留するのも両国の共通点だ・・・・外交及び安保ラインの人たちだけを見ても、トランプ2期の対外政策は対中国牽制に重点が置かれることが明確だ。ヘグセス国防部長官指名者はもちろん、国務部長官に指名されたマコ・ルビオ上院議員、ホワイトハウス国家安保補佐官に内定されたマイク・ワルツ下院議員、大統領特任大使に指名されたリチャード・グリネル元駐ドイツの米国大使などは、いずれも中国に対して強い姿勢を示している・・

 

・・韓国や日本も、中国とすべてのおいてスムーズな関係にあったわけではない。南・東中国海上での海上安全保障、台湾海峡問題、北朝鮮核リスクなど、長い間、外交・安保問題が存在してきた。だからといって米国のように牽制や圧迫一辺道の戦略をとることも難しい。日韓とも中国が最大貿易相手国だ。中国との関係が破綻に達すると、その影響は大きい。これをよく知る中国も、トランプ当選以後、韓国と日本に対して宥和的なジェスチャーを取っている。昨年11月には中国が、韓国や日本など9カ国を対象にビザ無し入国政策実施を発表した・・

・・米国にも、韓国と日本は共に中国を牽制する上で核心的な戦略要衝地だ。韓国は米軍が駐留した国の中で最も中国に近い。地政学的利点のためにも米国が韓国に一方的に在韓米軍撤収を要求する可能性は低い。これは日本も同じだ。南・東中国海上の海上安全保障を考えても、米国が日本に過剰な要求をするのは難しい。米中の対立が高まるほど、米国は韓国と日本の協力が必要な状況だ。対中関係については、韓国、日本と米国が異なる見解を示す可能性も低い。

 


今、日米韓三角共助の変数は北朝鮮だ。トランプは1期当時、北朝鮮の金正恩と3回会ったし、選挙期間にも金正恩と個人的な親しみについて肯定的に表現したり、「核を持った北朝鮮と仲良くするのは良いこと」という趣旨の発言を何度も行った。韓国と日本が最も避けたいシナリオは、事前理解や同意を求めずにトランプが金正恩と交渉を進めること。さらに、北朝鮮がこれまでに開発した核については、凍結する式の軍縮交渉が行われることだ・・

 

・・韓国と日本は共に対米貿易黒字規模が大きい国家だ。 2023年基準で対米貿易黒字国1位は中国、2位はメキシコ、3位はベトナム、4位はドイツで、日本が5位だった。 6位のカナダ、7位のアイルランド次に韓国は8位だった。したがって、両国とも自動車や電子産業などの核心輸出産業分野で米国の通商圧迫を受ける可能性が高い・・・・しかし、米国がただ韓国と日本を経済的に圧迫する可能性は低い。韓国と日本は米国経済安全保障戦略でも必須パートナーだ。特に人工知能(AI)と宇宙時代が本格化するにつれて、半導体、バッテリー、ロボットなど先端産業における韓日両国の役割は、米国の経済的優位を維持することに決定的だ。

‌結局、トランプ2期は変化の波が高く押し込まれる中でも基底で動作する地政学的・地経学的な力によって既存の流れが維持される側面もあると予想される。対内外環境が大きく動くと思われる2025年、能動的外交を通じて米国からの変化に鋭敏に対応しながらも、日本はもちろん同様の立場に置かれた国々と協力を強化しながら国益を守りリスクを分散するための努力をしなければならない(新東亜)・・>>

 

 

ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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