一つ前の記事を紹介しながら、個人的に「すごいな」と思ったのが、韓国の政権交代可能性においてまったく触れていない点です。普通、いまの状況で、ですからトランプ政権とか、尹錫悦大統領関連の事態とか、現状で「日米関連」の話をするなら、もっとも優先的に取り上げるべきが政権交代の可能性でしょう。なのに、その可能性については全く何も書かれていません。さらに一つ、これも「すごいな」と思った記事ですが、聯合ニュースが、トランプ政権関連で、「政権が変わったからってここまで政策が変わるようでは、信頼を失うことになるだろう」という記事を載せました。いや、それこそ、韓国の政権交代そのものでありましょう。というか、これからのことでもなく、これまでもそうでしたから。以下、すごい記事、<<~>>で引用してみます。
<<・・ドナルド・トランプ米大統領が、20日(現地時間)、就任するとすぐに、すごい勢いでバイデン政権で行った政策を廃棄し、米国の信頼に関する影響も避けられなくなった。米CNN放送などによると、トランプ大統領は就任初日に多くの行政命令を出したが、そのうち、なんと78の行政命令が前任のジョー・バイデン政権で行った行政措置、及び行政命令を撤回する内容のものだった。これは、トランプ大統領が昨年大統領選挙勝利直後から予告していた「バイデン消し」を直ちに行動に移したものだと言える・・
・・前任行政部の政策を覆すことは4年前にもあったが、その規模やスピード面において、今回のトランプ大統領がバイデン前大統領よりずっと上だと評されているいる・・・・CNNによると、バイデン前大統領は就任最初の100日間で、行政措置60件に署名したが、このうち24件がトランプ1期行政府の政策を覆す内容のものであると集計された。国境の壁建設資金支援の中断、特定国家への旅行関連措置の撤回、連邦機関内でのマスク着用義務化、予防接種供給の拡大などに関する措置だった・・
・・トランプ大統領はこの日、室内体育館のキャピタル院アリーナ就任行事において、米大統領標章がついた机に座って行政命令に次々と署名する場面を演出した。彼は特に、署名の中で支持者に向けて「バイデンに、こんなことができると思うのか」とし、政策廃棄を自話自賛した。CNNは「トランプ大統領がこの日署名したキャンセルリストには、バイデン前大統領の決定を覆す個々の理由は具体的に言及されていない」も指摘した(聯合ニュース)・・>>
いったん、政策の内容についての評価はおいといて、『変えた』という側面でいうなら、韓国の政権交代、特に外交路線のほうがもっとシリアスではないでしょうか。今回のトランプさんに、それより強い影響力と、多少のショーマンシップがあったのは事実ですが。そういえば21日にもG7プラス関連の話をしましたが、そのG7拡大、G8ともG10とも言いますが、それに関連して出てきたむずうの関連記事の中で、個人的にもっとも印象的だったのが、2023年5月17日の韓国日報の記事です。他の部分はともかく、『政権が変われば基本政策も変わるというのが、G8加入できない一つの理由ではないのか』という一行が、正論だったからです。これは外交関連の話ですが、今回の話も、同じものでしょう。
<<・・パクジン外交部長官(※当時の外交部長官です)は先月、外交部が主催した在韓G7大使招待晩餐で「G8のために」と乾杯をしたりもした。ただ、まだG8加入議論は本格的に始まっていない。来る19~21日、日本広島で開催されるG7首脳会議ではメンバーシップ拡大の可否についての議論は予定に無いという・・・・韓国のG7合流に対する日本の認識が変わったとしても(※当時、関係改善などでもう日本は賛成するだろうという主張が広がっていましたが、実際は、そもそもG7拡大という議論そのものがすべて非公式なもので、G7関連会議などで議題になったことはありませんでした)・・
G7拡大に消極的な一部ヨーロッパ諸国が問題だ。2021年、イギリスがG7メンバーシップ拡大を言及したが、これは全体メンバーシップ(外交・通商・金融など)の拡大ではなく、気候変動など特定分野に制限されていたと伝えられた。政権が変わっても外交政策の一貫性を維持できるのか、それもG7国家が掲げている厳しい条件の一つだ。最近、安保問題に浮上した米中対立とロシアのウクライナ事態などで、外交政策を一貫して推進できるかということだ(韓国日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・準新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・既刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございま