韓国尹大統領「国会から引き出せと言ったのは、『議員を』ではなく『要員を』だ(どや」

尹錫悦(ユンソンニョル)大統領関連で、まだまだ多くの記事が出ています。その中でも、「要員」という言葉が話題になっています。憲法裁判所の弾劾審判の弁論の場で、尹大統領と、戒厳当時国防長官だったキム・ヨンヒョン前長官が証人として出席しましたが、そこで、「国会から議員たちを引き出せと言ったのか」という内容が議論されました。これ、前にも書いた記憶がありますが、非常戒厳といっても国会で解除案が通ると解除しなければならないと関連法律に明記されているため(国会議員たちが国会に入るのを物理的に止めることはできません)、非常戒厳が違法なのかどうかを判断するための重要な案件だとされています。

そこで、関連した話が出てきましたが・・尹大統領とキム前長官が、「国会から引き出せと言ったのは、『議員(ウィウォン)を』ではなく、『要員(ヨウォン)を』だった」と話しました。SBSなど多くのメディアが、大きく取り上げています。すなわち、国会から国会議員を引き出せ(連行)と言ったわけではなく、要員たちを国会の外に出し、国会を安定させろという意味だった、というのです。野党側の国会議員が、「要員」を「議員」にして広げた、とも。本当かどうかは分かりませんが、ちょっと無理があります。また、相変わらず「証拠」は一つも出てこず、証言ばかりで話が進んでいますが、東亜日報によると、(もし事実なら)これまた重要な政治家リストのメモ(公式文書ではない)が見つかった、とのことです。今度こそ本当に何か見つかったのか、それともまた走り書きのようなものなのかは分かりませんが。以下、<<~>>が引用部分です。

 

<<・・非常戒厳当日、ユン大統領が国会に集まった議員たちを引き出す​​よう指示を下したというのが、これまで検察捜査の結果です。また実際にこのような指示を受けたと証言した関係者たちも多数います。ところが、キムヨンヒョン前長官は、議員ではなく要員を引き出せと、だから、戒厳軍を撤退させろという指示だったと主張しました・・・・キム・ヨンヒョン前国防部長官は、ユン大統領が非常戒厳当時、国会議員の国会の出入りを防ぐよう指示したことはない、と述べました。【キム前国防長官「24時頃、大統領から電話があって、国会議員が国会に入るのを止めないでほしいとおっしゃいました」】・・・・それと共に『要員』を引き出せという抜くように言った言葉が「議員」にされてしまったと主張しました。

「物理的な衝突の可能性があったので、要員たちを引き出せという、そんな話を聞いたということですか?」、「(キム前長官)はい、そのとおりです」。しかし、これは前長官を直接調査した検察捜査結果と全く異なります。ユン大統領が当時、国会が戒厳解除を要求できないように国会議員150人が集まらないようにしろと、現場司令官に直接指示したというのが検察の結論だからです。検察は戒厳当日、尹大統領が首都防衛司令官に直接電話をかけ、「本会議場に行って、4人で国会議員1人を引き出すように」と指示し、当時、(※国会に集まった議員の数が)議決定足数に近づくと、「扉を壊してでも入って、引き出せ」と指示したという証言も確保しました(SBS)・・>>

 

<<・・24日、東亜日報取材を総合すれば、検察非常戒厳特別捜査本部は、防衛司令部捜査調整課長が作成した「14人の拘束リスト(※戒厳のとき、身柄を拘束するようにと指示された政治家のリストで、与党代表も入っていると言われています)のメモを確保したことが分かった。メモにはウ・ウォンシク国会議長、国民の力ハン・ドンフン代表、共に民主党のイ・ジェミョン代表などの名前が書かれていたという。検察は該当メモが「前防衛司令官が指示したリストである」という多数の関係者たちの陳述も確保したと伝えられた。戒厳直後、当時の司令官がキム・デウ前防衛士捜査団長に世辞か14人のリストをいい、団長は課長にこのリストをそのまま読み上げた。課長はその名簿をメモしたが、検察がそのメモの実物を確保したというのだ。

このメモから出てくる14人のリストは、ホンジャンウォン当時国家情報院第1次長が検察に提出したメモ(※同じく、政治家リスト)と、事実上一致することが分かった。ホン前次長は昨年12月3日非常戒厳宣布直後、ユン大統領や司令官たちと通話し、個人手帳にそのリストをメモしたことが分かった。法曹界では、各種証言だけでなく、多数の証拠が確保されたという点で、メモの信憑性が高まったという分析も出ている・・・・ある検察出身弁護士は、「このリストは文書ではなく、自分で書いたメモという形なので、内容が不正確だと考えられる側面がある。しかし、複数の場所で同じ内容のメモが出てきたという点で、証拠として価値が大きくなるだろう」と話した(東亜日報)・・>>

 

個人的に、議員と要員の話はちょっと無理があると思っています。韓国語発音的にそこまで間違えやすいとも思えませんし、部隊員たちを要員と言うのも、あまり一般的ではありません(普通なら隊員と言うのではないでしょうか)。しかし、関連文書がここまで一つも出てこないのは、本当に不自然です。前にも「国会予算を止める」などのメモを確保したというニュースがありましたが、それも続報がないし、大統領から受け取ったとされているのに何かの文書でもなくA4用紙のメモだった、とされています。今回も、そもそも「最初に指示したのが尹大統領なのか」は証明できるのでしょうか。 明日は1日休みをいただきます。次の更新は、1月26日、いつもの時間(11時ころ)になります。

 

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