韓国の最大野党、共に民主党の李在明(イジェミョン)代表が、日本政府に関係改善のメッセージを送った、と話しました。他にも、韓国は自由民主主義の一員だとか、日本の勤勉さと誠実さと礼儀正しさに驚いたとか、日本の防衛力増強は韓国への脅威にならないとか、「中国にも謝謝、台湾にも謝謝すればいい」とした前の発言は実用主義外交だったとか、いろいろ話しました。東亜日報(2日)など多くのメディアが報じていますが、外国メディアとのインタビュー記事の内容なので一応そのまま書いていますが、さすがにちょっと呆れた論調の記事になっています。
びっくりしたー なんだそうだったのかー へぇーそうだったんですねー そういえば、一昨日、湯西川温泉かまくら祭で枝垂れ桜が見頃でした・・かどうかはともかく。どこをどう見ても、「次の大統領」になることを前提にして、緊急火消しパフォーマンスに入ったのではないか、そんなところでしょう。また、この件より前(1月31日)の国民日報によると、その李代表がロールモデルにしているのは、中国の鄧小平です(引用はしませんが、自分で公言しているとのことです)。しかし、記事は、「本当に実用主義をやるつもりはあるのか」としています。
韓国には、主に政治関連で「本当かと思ったようだ」というフレーズがあります。手のひらを返す人が多すぎで、たとえば政治家が「経済政策を優先する」と言っても、選挙が終われば、これといって使える経済政策が出てこなかったりします。その際に、こう書きます。「(その政治家が)『経済政策を優先すると言ったら、本当に経済政策を優先すると(国民は)思ったようだ』」。最初からやるつもりなかったのだろう、という意味のフレーズになります。国民日報の記事は「実用主義やるといったら、本当だと思ったようだ」となるのではないか、と書いています。他にも、いままで李代表は「サンダース(バスケ選手)」をロールモデルだとしたり、それからは「トランプ」をロールモデルにするとか言ってましたが、最近は鄧小平になった、とも。以下、引用は東亜日報からです。<<~>>が引用部分です。
<<・・共に民主党の李在明(イジェミョン)代表が「日本との関係をさらに深化し、日米韓3国間の協力を持続することに異議はない」と明らかにした。李代表側は、2023年日米韓首脳のキャンプデビッド宣言合意を続けるという方針だと説明した。日米韓軍事演習について「親日」「国防上の大問題」と強く批判してきたスタンスから、明らかに一歩下がったわけだ。李代表はまた、昨年の総選挙当時議論になった「中国にもシェシェ(謝謝・感謝)、台湾にもシェシェすればいい」発言に対しては「実用的な外交をしなければならないという意味だっただけだ」とした。早期の大統領選挙が可視化されると、米韓同盟強化原則を明らかにしたことに続き、日韓・中韓関係の方向など外交安保公約のベースを提示したのだ。
李代表は先月31日に公開された英国週刊誌エコノミストとのインタビューで、米朝対話と日韓・日米韓協力、韓中関係に対する原則を明らかにした。エコノミストは「韓国の次期大統領の可能性があるイ・ジェミョンは誰なのか」というタイトルのインタビュー記事で、李代表を「分裂的な(divisive)進歩(※左側)のリーダー」とし「もし今日選挙が行われれば、彼は最も有力な候補になるだろう、これは韓国の未来に大きな影響を与えるだろう」と分析した。李代表はインタビューで米朝対話に対して「韓国の強力な軍隊、米国との同盟、日本との安保協力はすでに北朝鮮を抑えることができるほど軍事的に十分強い」とし「今必要なのは(北朝鮮に対する)疎通と関与」と述べた。
日韓・日米韓協力については「韓国は自由民主主義陣営の一員」と強調し、「両国関係が敵対的でないだけに、日本の国防力強化は脅威にならない」とした。李代表は「弁護士生活をしながら日本を訪問した後、日本人の勤勉さと誠実さ、礼儀に衝撃を受けた。結局、政治によって関係が歪曲されたという事実を知ることになった」と付け加えた。これと関連して李代表側は最近、日本政府に今後の両国関係改善意向を明らかにするメッセージを伝えたという。李代表は昨年総選挙中、政府の対中外交基調を批判していたいわゆる「中国にもシェシェ、台湾にもシェシェ」発言については、「韓国が実用的な外交をしなければならないという意味だけで、国益に問題をきたすような関係になってはならないという趣旨だった」と解明した(東亜日報)・・>>
ゲームの話、しかもうろ覚えで恐縮ですが、P5スクランブル・ファントムストライカーズ(P5S)というゲームがあります。シリーズによって少しずつ異なりますが、基本的に、ある人の歪んだ心が異世界を作り出し、それが現実世界にも影響を及ぼし、主人公たちが異世界に潜入してそれを解決するというストーリーです。「他の作品から設定をよせあつめるだけで作家」が作り出した異世界で戦うエピソードでは、どっかで見たようなデザインやセリフのキャラがでてきます(他の作品の設定を集めただけなので)。そのエピソードで、中ボス(女幹部)を倒すと、そのボスが主人公に「実は貴方のことを愛していました」と言い残します。これもまた、どっかで聞いたようなセリフではありますが・・二人はまったくの初対面で、そもそもその異世界に入ったのも初めてなので、全般的に設定がまったく合わず、主人公チームからは「また謎設定がきた」とされるだけ、でした。本ソース記事を読んだ私の反応が、どことなく、あのときのP5S主人公たちの反応と似ていました。謎設定というか、何の設定だ、と。
ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・準新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・既刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。