中国で産業用ロボット制作→パーツ別に韓国へ輸出→組み立てて韓国製として日本、米国へ輸出→関税回避

1月31日に、中国が韓国を「迂回路」にする制作を本格化したという内容をエントリーしました。このままだと単なる下請け企業になるのはもちろん、韓国そのものが米国の「関税回避」手段としてトランプ政権と衝突する可能性が高い、という内容です。バッテリーに関しては結構前から似たような見解が出ていて、石油化学、自動車などについても、「核心技術も原料も中国のもので、単純に組み立てただけで、韓国製として米国に輸出されている」、と。国民日報(2日)によると、産業用ロボット、ロボットアームを中国の企業が作って、それをいったん分解して韓国に輸出し、韓国の企業がそれを組み立て、多少の追加パーツ(ケーズや台など付属品)を加え、韓国製として日本、米国へ輸出しているというのです。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・大邱(テグ)所在の中小企業A社は、中国1位協同ロボット企業アウボが生産したロボットアームをモジュール・部品の形に分けて輸入して、国内で組み立てる。その後、そのロボットアームにケース、台座などの付属品を加え、「メイドインコリア」として日本と米国に輸出している。他の国内ロボット企業B社も、中国シアスンのロボットアームを部品の形で取り入れている。 B社は組み立てたシアスンのハードウェアベースの協同ロボットシステムを、まだ国内にのみ販売しているが、対米輸出目的で認証手続き(UL)を踏んでいる。アウボとシアスンの最高経営陣は、国内会社と生産協力を議論した時から米国の「関税爆弾」迂回の意図を隠さなかったという。

 

中国製品の韓国製「タグ替え(※製品の表記だけ自社のものに変えるという意味)」誘惑の影が、ロボット、バッテリーなど先端産業にも広がっている。中国ロボット企業は直輸出が難しい米国市場を攻略するために、韓国を生産基地として活用している。国内業界は、このような協力システムが米国迂回輸出調査にひっかかる可能性を懸念している・・・・中国企業らが韓国企業に手を差し伸べるのは、ロボットハードウェアの原産地を変える目的が大きいというのが業界の声だ。米国は協同ロボットを含む産業用ロボットを輸入する際に関税率2.5%を賦課しているが、韓国は韓米自由貿易協定(FTA)により無関税の恩恵を受ける(※記事に出てくる企業は「ソフトウェアの追加など付加価値的に問題ないとしていますが、記事は一貫して『事実上、組み立てるだけ』という論調です)・・

 

 

・・実際、ドナルド・トランプ1期行政府は2018年、中国産産業用ロボットに25%の関税を課した。ジョー・バイデン政権は昨年、米国内の製造業投資に影響を与えないために中国産ロボットに対する25%の関税を撤回したが、トランプ2期で復活するというのが大まかな見方だ。イ・サンス、ハイ投資証券研究員は「協同ロボットが配置される電気自動車、半導体など工程は、米国の戦略産業だ」とし「米国政府が自国への中国産協同ロボットの進入を防ぐ可能性が高い」と話した。A社とB社は中国産ハードウェアを活用することが合理的な選択だと抗弁する。年産2万台に達する中国協同ロボット企業の製品価格は1台あたり1000万ウォン以下でも形成されるのに対し、年産1000台水準の国産製品の価格は2500万~3000万ウォンだ。安価な協同ロボットに対する国内外の需要を満たすためには、中国産ハードウェアの活用が避けられないということだ(国民日報)・・>>

 

ちなみに産業用ロボットは、日本企業のシェアが45%を超えています(2023年)。同じシリーズ記事である1月30日の記事(国民日報)では、「韓国は米国と自由貿易協定(FTA)を締結しており、対米貿易環境が造成されている市場だ」としながらも、反ダンピング専門弁護士の言葉として「中国企業の『タク替え』は、これまでは東南アジアで頻繁に行われてきたが、米国がベトナム、カンボジアなど東南アジア諸国を貿易関連措置の対象として見るようになって、もう一つの近い市場である韓国に目を向けたものと見られる」、とも。一つ前のエントリーで、中国の経由地とされているという指摘を紹介しましたが、すべて繋がっている気もします。

トランプ大統領は、今月中に半導体と鉄鋼関連でもなにかの発表をすると言っています。韓国だけの問題でもありませんが、大統領不在、そして政権交代(左)の可能性などもあって、一部のメディアは本件(迂回輸出など)に結構力を入れて報じています。でも、これは「今に始まったことではない」とも言えるでしょう。トランプ大統領の登場でこの側面が目立つようになっただけで、実は結構前から同じことが起きていたでしょう。でも、ロボットって、半導体製造現場などにも使われているはずですが。こういうロボットには、ネット接続機能などは無いのでしょうか。ちょっとセキュリティー的にどうなのか、そういうのも気になりますが。

 

ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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