中国電気自動車関連企業、韓国にラブコール・・半製品状態の電気自動車を韓国で完成させ米国・EUに輸出

最近、一部の経済メディアが使っている「タグ替え」という言葉を紹介したことがあります。たとえば、韓国にあるAというロボット会社は、中国のロボット企業が生産したロボットアームを、モジュール、部品の形に分けて輸入して、国内で組み立て、そのロボットアームにケース、台座などの付属品を加えて完成させ、「メイドインコリア」として日本や米国に輸出します(国民日報、2日)。いうまでもなく、中国企業が、米国などが強化している各種関税関連措置を迂回するためです。服などについている「タグ」(メイドインチャイナとか書いてあるもの)だけ別のものにして、実際は中国製なのに韓国製として輸出している、そういう意味での「タグ替え」です。

今回は、電気自動車関連です。最近、中国の電気自動車関連企業が相次いで韓国に進出または韓国企業と協力を強化しています。タグ替えという単語は主に一部の経済メディアソウル使っていますが(もともとは『商品は同じなのにタグだけ変わっている』ということで日常でも使うネット新造語だそうです)、今日のソース記事「国民日報(3日)」もまた、同じく「中国の対米輸出の迂回路になってしまう」という記事に力を入れています。中国電気自動車企業は、半製品状態で電気車を韓国に持ち込み、それを韓国で完成させ、韓国製として米国、EUに輸出することを目標にしている、というのが記事の結論です。そもそも韓国の電気車市場は中国の20分の1程度なのに、中国の関連企業がここまで韓国での生産にこだわる理由がない、とも。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・中国電気自動車の製造システムに属する各企業が、相次いで韓国市場に上陸している。その中、その意図は何なのかについて、韓国政府と業界に緊張が走っている。韓国の電気自動車市場規模は中国の20分の1にすぎないという点で、各企業の韓国進出が「タグ替え」輸出のための事前作業ではないかという懸念が出ている。中国電気自動車企業は、中国で半製品の形で部品を韓国に持ち込んで、国内の工場で「メイドインコリア」自動車に組み立てる方式を推進中だ。これにより、韓米自由貿易協定(FTA)条項を活用して、米国に免税で自動車を輸出できるからだ。対米輸出で発生する利益は、中国電気自動車会社と韓国委託生産業者が分ける構造になっている。

2日、業界によると、中国の複数の電気自動車メーカー経営陣は、秘密裏に韓国を訪問し、中国産自動車を韓国で委託生産するメーカーを紹介してほしいと、電気自動車協会などに要請した。逆に、経営難を経験している韓国側の企業が、協会側に中国電気自動車メーカーを紹介してくれと要請する場合もあった・・・・米国は中国産電気自動車に最大100%、ヨーロッパは最大45.3%の高い関税をかけている。米国は昨年、中国産リチウムイオン電気自動車のバッテリー、及びバッテリー部品にかける関税率を7.5%から25%に引き上げた。また、中国で調達したバッテリー素材を含む電気自動車は、米国インフレ抑制法(IRA、Inflation Reduction Act)による補助金の恵沢を受けることができない。中国が「迂回路」の開拓に乗り出した理由である・・




・・仁川研究院によると、ゴリンメイ、ロングバイ、ファユコバルト、CNGRなど中国のバッテリー素材企業は、2023年だけでも韓中合弁法人を通じて約5兆ウォン規模の投資計画を発表した。さらにバッテリーセル分野でも中国資本の上陸が相次いでいる。最近、情報当局は、国内バッテリーセル企業に中国企業の韓国工場設立動向に関する情報を要請した。政府は、中国CATLが、韓国廃工場、遊休地などを買収して改造した後、自分たちのバッテリーセルを生産するシステムを作ろうとしているのではないか、と疑っているという・・

・・バッテリー業界関係者は、「韓国の国内電気自動車市場だけを見て、ここまで入って来ることはないだろう」とし、「より大きな市場である米国とヨーロッパを念頭に置いた歩みだと見られる」と話した。キムピルス デリム未来自動車学科教授(韓国電気自動車協会長)は、「中国が韓国の技術先進国イメージを利用しようとしている動きだ」とし「個別企業の立場で、(迂回輸出のための基地になると)、当面は中国会社の利益を一緒に享受できていいかもしれない。しかし、長期的には、世界市場において国産は中国の一つの「省」で作ったものになるだろう」と話した(国民日報)・・>>

 

低価格ショッピングサイトで有名な「Temu」「Ali」も、韓国に進出しました。いままでは中国の販売者が出した製品だけを販売していましたが、これからは韓国でも販売者を募集する、とのことです。一部では、これも結局はトランプ政権の関税などを迂回するためのものであり、結局は中国製品が韓国の製品として米国へ向かう可能性が高い、と(MBN、18日など)。




 

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