韓国、米国LNG関連で「日本をベンチマークして投資を」とも、「他国が投資して完成するのを待てばいい」とも

本ブログでも2~3回紹介したことがありますが、韓国メディアが「対米投資」としてもっともよく取り上げているのが、LNG関連、アラスカLNGプロジェクトへの参加です。ちなみに、必ずと言ってもいいほど、日本関連の話がセットで出てきます。特に、日米首脳会談でLNG関連問題が出てからは、記事が一気に増えました。まだ「世論」という言葉を使うほど社会的に話題になっているわけではありませんが、主に右側のメディア(中央日報、4日)を中心に「日本をベンチマーク」という記事が多く、左側メディア(ハンギョレ新聞、4日)からは「投資は慎重に」「投資するのではなく、(アラスカLNGプロジェクトが)完成したらそれから買えばいい」という見解が出ています。

日本が米国などから買ってきたLNGを東南アジア諸国に輸出する「LNGターミナル」関連でも、韓国メディアは「同じことをして、すでに日本が各国に投資して作くった施設(LNG輸入関連施設)を利用できる」という論調の記事がいくつかありましたが・・それと似たような論調です。ちなみに、日本はLNG関連インフラ建設もかなり進んでいますが、韓国の場合は相応のインフラがまだないとされています。日本の場合、「2019年以降現在までバングラデシュ、インドネシア、フィリピンに合計1620万トン容量の新規LNG輸入ターミナルに投資」しており、日本の投資のおかげで、「ベトナムとインドにも来る2030年までに年間1300万トン容量のLNG輸入ターミナルが追加建設される予定」です(韓国経済2024年8月7日)。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・私たちに必要な取引のやり方は、トランプ大統領が韓国に本当に望んでいるものが何なのか、それを把握するところから始めるべきだ。ミョンジ大学国際通商学科のキムテファン教授は、「トランプ大統領は、関税を協商の道具として、カナダとメキシコに各種措置を、ウクライナに資源を要求している。結局、関税というのは目的ではなく、手段だ。協商をする前に、米国が私たちに望むものは、防衛費分担金引き上げ、造船業支援(※米国は軍艦建造などで韓国に協力を要請していると報じられています。ただ、いまのところ具体的な話はありません)などであることを、明確に理解し、準備しておくべきだ」と助言した。

参考にできる事例もある。国際通商研究院のパクテホ院長は、「トランプ大統領の関税の1次ターゲットが中国、カナダ、メキシコ、EUなどであり、他の国がどう対応したかの事例から分析しなければならない。安全保障・経済の側面で、最も状況が似ている日本を参考にすべきだ」と話した。日本の石破茂総理は先月7日、いち早くトランプ大統領と会談した。米国産液化天然ガス(LNG)輸入の拡大、防衛費増強などを約束し、米国の関税から一歩抜け出したと評価されている(中央日報)・・>>




<<・・韓国の立場からすると、アラスカ産天然ガスは、短い輸送距離が魅力的だ。アラスカ南部ターミナルから韓国までは約8日かかりますが、中東やアメリカの他のターミナルで輸送するには受注がかかります。価格が安いうえに価格が原油価格と連動していないため、原油価格変動リスクをヘッジできることも利点だ。それでも専門家たちは、プロジェクト参加には慎重にしなければならないと言う。キム・テシクエネルギー経済研究院副研究委員は「アラスカ・LNGが、すでに(※プロジェクトが完成して)輸出できている状況なら、導入価格も決まっており、大きな問題ではない。

しかし、投資をしなければならない状況なら、話が完全に変わる」とし「環境性論議と政権交代の可能性などで輸出が予定されているため、の経済性を担保できない状況」と話した。やや大きなお金をかけて高価なガスを長期購入する契約に縛られる可能性もある、という話だ。ジャンサンシク貿易協会国際貿易通商研究院長は、「米国の通商要求を緩和するためにはアラスカ開発参加は必要だ」とし「投資による長期購買特典などインセンティブも一緒に要求する必要がある」と述べた。政府関係者は、事業参加の可否を「慎重に検討中だ」と話した(ハンギョレ新聞)・・>>




 

サーバー側からのお知らせですが、「3月10日(月) AM 2:00頃~AM 7:00頃までの間に120分~240分程度(一部サーバーでは最大で300分程度)のサーバー停止をともなうハードウェアの大幅増強および新基盤システムへの移行メンテナンスを実施します」とのことです。参考にしてください。この件は当日までは「お知らせ」に追記しておきます。

ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。