まず本題に入る前にちょっと雑記ですが、韓国にいたときによく利用していた「大型マート」、ホームプラスが企業回生(経営が成り立たなくなり、裁判所が指定した第3者が管理すること、「法定管理」)手続きに入った、というニュースがありました。日本だと郊外にありそうな大規模のスーパー(スーパーといってもほとんどは複合施設のようになっています)が、韓国では都心のど真ん中に集中しています。そういうのを大型マートと言います。ホームプラスは、私が韓国にいたときにも家の近くにあって、結構よく利用していました。規模で第2位だとか言われていましたが、不景気の前にはどうしようもなかったのでしょう。韓国で大型マート2位が倒れたというのは、かなりのインパクトになります。
で、さっさと本題ですが・・憲法裁判所の判断、すなわち、尹錫悦大統領の弾劾についてです。あくまで現時点での予想ではありますが、多分宣告は14日で、8人全員一致による認容になる、とのことです(ノーカットニュース4日、など)。弾劾が認容されるとそのまま大統領としての任期は終わります。すると、春にでも大統領選挙になります。いまのところ、与党側はこれといった候補を用意できないでいます。このまま予想通りにいくと、政権交代はほぼ間違いないでしょう。朝鮮日報(3日)によると、世論も政権交代を望んでいる、とのことでして。キム・ムンス氏など、明らかに急造された感はあるものの、注目されている与党側の政治家もいますが・・可能性としては、高いとは思えません。久しぶりの韓国政治ネタ、<<~>>で引用してみます。
<<・・ユン大統領弾劾審判の弁論手続きが終わり、宣告だけが残りました。弾劾は、8対0で認容され、宣告日は来週14日が最も有力だという見通しが出ています・・まだ正式に日付は決まっているわけではありませんが、以前の大統領弾劾審判を見ると、宣告期日は2~3日前に告知されました。2004年盧武鉉元大統領弾劾審判の時は、3日前、2017年朴槿恵前大統領の時は2日前に宣告期日が公知されました。最終弁論が開かれてから、それぞれ11日、9日後のことでした。ユン大統領の最終弁論が開かれてから、今日が7日目です。したがって、今週の宣告が可能ですが、政治権や法曹界では、来週火曜日の11日説、そして金曜日の14日説が出ています・・
・・宣告から60日以内に大統領選挙が行われなければならないため、宣告日は、大統領選日を定めることとも無関係ではありません。そのため、3月14日の宣告、大統領選挙は60日目の5月13日火曜日になる可能性が高いという観測が有力に出ています。元憲法裁判官は、「憲法裁判所で弾劾審判を宣告するときは、そのような事情を勘案して決定してきた」と述べました。弾劾審判による罷免が確実だとされます・・・・法曹関係者に聞いてみると、8対0で罷免を宣告するという予想がほとんどでした(※もともとは9人で審議するシステムですが、現状では8:0だと全員一致となります)。元憲法裁判官は、「裁判官は、憲法と法律によって裁判する。自分の考えとは無関係に判断する」と前提し、「おそらく反対意見なしに結論が出るだろうと思う」と展望しました。 8:0で決定が出るだろう、という予想です(ノーカットニュース)・・>>
<<・・政権交代支持が、政権延長(※政権交代せず)支持を誤差範囲外に上回るという世論調査の結果が出た。3日、リアルメーターがエネルギー経済新聞の依頼で、先月26~28日・・・・調査した結果、「野党側による政権交代」を支持するという意見は55.1%、「執権与党の政権を延長」支持が39.0%と集計された。「よく分からない」という回答は5.9%だった。誤差範囲は95%信頼水準に±3.1%ポイントだ。その1週間前の調査と比較して、政権交代論は6.1%p上昇し、政権延長論は6.3%p下落したことになる。先週3.7%pだった2つの意見間の差は、16.1%pとなり、誤差範囲外に広がった。政党調査では、与党「国民の力」が37.6%、共に民主党が44.2%と調査された。共に民主党が誤差範囲外で国民の力を上回った。民主党の支持率は1週間前の調査と比較して3.p1%上昇し、国民の力は5.1p%下がった(朝鮮日報)・・>>
政権交代を望むという比率は個人的にも「こんなもんかな」と思っていますし、ソース記事にはありませんが「次期大統領支持で李在明代表が1位、でも30%台にとどまっている」という結果にも、それはそうだろうと思えます。でも、政党支持率は、各種与論調査で大幅に外れたことが多いので、なんとも言えません。この前の総選挙でも、政党支持率はそこまで広がっていなかったにもかかわらず、結果は野党の大勝でした。もちろん、その逆もありえます。今回も調査でも、これくらいの差なら、政党支持率はそこまで気にしなくていいじゃないだろうか、そんな気もします。このままいけば李在明大統領誕生の可能性はとても高いと言えるでしょう。あくまで現時点での話ではありますが、いまのところ、大統領選挙での逆転は難しいでしょう。要は、その次の総選挙で、国民の力及び保守政党がどれだけ国会で議席を取ることができるのか、ですが・・はてさて。
サーバー側からのお知らせですが、「3月10日(月) AM 2:00頃~AM 7:00頃までの間に120分~240分程度(一部サーバーでは最大で300分程度)のサーバー停止をともなうハードウェアの大幅増強および新基盤システムへの移行メンテナンスを実施します」とのことです。参考にしてください。この件は当日までは「お知らせ」に追記しておきます。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。