ウォール・ストリート・ジャーナル、ブルームバーグなどが、一昨日~昨日、「米国時間5日に、カナダ・メキシコ関税の一部に軽減措置が発表される」と報じていました。シンシアリーがカワイイ顔で朝起きてみたら、どうやら本当だったようで、自動車の関税は1ヶ月猶予にする、関税適用除外についてオープンなスタンスだ、そんな発表があったようです。とりあえずは、猶予または例外の措置が「本当に存在する」ということは明らかになったので、S&P500やダウ指数なども、少しは安心する動きを見せているようです。で、一昨日は、金利引き上げを続けている日本に対して「円安を誘導している」と話して(詳しくは日本と中国)妙な話題を提供した、からかい上手のトランプさん。
本当にそう思っているのか、政策全般のために何かの名分が必要だったのか、それとも、日本・中国に対する「交渉のための技術」なのか・・実は条件さえなんとかなれば除外するのか。ちょうど相互関税関連で日米の話し合いも本格化するとのことですし(武藤容治経産大臣が9日訪米すると報じられました)、これからの展開が気になるところです・・・が、本題はそこではなく、その次の日の議会演説です。確か、日本時間で昨日だったと思いますが、議会演説で、トランプ大統領は、「不当な関税」をかけている7つの国(EUを1国としますと)を指摘しました。
EU、韓国、カナダ、メキシコ、インド、ブラジル、中国です。特に韓国に対して、米国が韓国にかけているより、韓国は米国に4倍の関税をかけているとしながら、「いいか、4倍だぞ」と強調しました。今回は日本は入っていませんでした。で、ここで気になるのは、韓国は米国とFTAを結んでいるのに、なんで関税の話がでるのかという点です。それを言うならメキシコやカナダもそうですが。ちなみに、アラスカLNG開発にも、トランプ大統領は「日本と韓国が大きな投資をすると言った」と話しましたが、日本の場合は石破茂総理が訪米したときに日米首脳会談でその話があったと伝えられています。ただ、韓国の場合、まだ参加すると決定したわけではありません。首脳会談をしようにも、大統領がいませんし。ニューシース(5日)、今回の関税関連発言について「そうではない」とする分析記事を載せましたので、紹介します。ただ、個人的に、これはトランプ氏が「知らなかった」ではなく、先の円安発言と同じく、「わざとそう言った」のではないか、そんな気がします。以下、<<~>>が引用部分です。
<<・・韓国の関税率が米国の4倍という主張が、「実体的に」間違っていたことを(※紹介している各国大手メディアも)全く気づかないでいた。タイムズは世界貿易機関(WTO)データを引用し、米国の平均関税率が約3%(正確には3.3%)の時、「カナダ、日本、英国が4%、欧州連合が5%、オーストラリアが2%」、「中国が8%、インドが17%」と伝えた。(※タイムズは韓国の数値を記事に載せていませんが)同じデータで韓国は13.4%だ。韓国の13%を米国の3%と対比すれば4倍になり、トランプの言葉が事実のように聞こえる。このWTOデータは2月1日、トランプがカナダとメキシコに25%関税をかけるとしたとき、ロイター通信がすぐに引用、報道したものだ・・
・・重要な事実は、米国の3.3%、韓国の13.4%、メキシコの6.8%、カナダの3.8%などは、WTO加盟国全体を対象としたその国の平均関税率で、米国とメキシコ、米国とカナダ、米国と韓国のような、両国間の関税率ではないという点だ。だからロイター通信はこのデータの下に「カナダ、メキシコそして韓国は、米国と自由貿易協定を結んでほぼすべての関税をなくした」と説明していた。韓国政府が言うべき「米国に対する実効関税率が0.79%に過ぎない」という指摘をロイター通信やWTOデータが代わりにしてくれたようなものだが、タイムズの記事は、そこまでは及ばなかった(※引用部分にはありませんが、ソース記事は、トランプ大統領の政策に批判的な多くのメディアも、この件までは言及していないとしています)。
韓国と米国が自由貿易協定を結んだ事実を明らかに知っているであろうトランプが、多くの国の「米国との両者間」関税率が途方もなく高いと主張した後、「韓国の関税率が米国の4倍」と語った。4倍は確かにそうだが、実際の米国と韓国の両者間の税率は貿易協定でほぼゼロであることは言ってない。トランプの4倍の主張が真実になるには、米国の対韓国関税率が0.79%の4分の1である0.19%でなければならない。トランプがこのように意図的に間違った分析で4倍だと主張したが、関税率の言及を問題にしたタイムズもこれをキャッチできなかった状況だ(ニューシース)・・>>
サーバー側からのお知らせですが、「3月10日(月) AM 2:00頃~AM 7:00頃までの間に120分~240分程度(一部サーバーでは最大で300分程度)のサーバー停止をともなうハードウェアの大幅増強および新基盤システムへの移行メンテナンスを実施します」とのことです。参考にしてください。この件は当日までは「お知らせ」に追記しておきます。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。