韓国メディア「中韓FTAで中国企業の部品が韓国に→韓国企業が組み立てる→米韓FTAで米国へ輸出」

最近、複数のメディアが指摘している、「事実上の中国製品が、韓国製として米国に輸出される」こと、いわゆる迂回輸出。本当はもう1つ記事が欲しかったところですが、一つ前のエントリーにも迂回関連の話があったので、2月28日の毎日経済、3月4日のデジタルタイムズから、関連した内容をまとめてみます。主に中小企業関連の話ですが、記事は「すでに蔓延している」としています。中韓FTAなどで中国企業が作った部品または原資材などが韓国に入り、韓国の企業がそれを組み立て、米韓FTAで米国に輸出されるシステムです。ある程度は仕方ないと言えなくもないですが、もう一般的になっているという指摘が目立ちます。実際、複数のメディアが似たような記事を出しており、私も自分なりに読んでみましたが、それぞれの記事に載っている事例だけでも結構多く、また、重複しません。以下、<<~>>で引用してみます。あと、早めに告知ですが、明日は1日休みをいただきます。次の更新は、9日(日曜日)になります。

<<・・(※2月)28日、中小企業関係者たちによると、中国製品が韓国産になる「原産地ロンダリング」が、国内製造業全般に蔓延している。米中貿易葛藤により米国への輸出関連措置を受けている中国企業が、米国市場を攻略するために韓国の中小企業を生産基地として活用する事例だ。ドナルド・トランプ2期行政府発足以後、中国を意識した米国の圧迫が激化した中、米国政府は韓国が中国の「迂回輸出基地」の役割を果たすことに対する調査を強化している・・・・米国政府は、韓国から米国に輸出するすべてのアルミ沿線・ケーブル(AWC)に対して、反ダンピング関税52.79%、相継関税33.44%をかけることにした。国内金属企業が中国の対米「迂回輸出路」の役割をしたと判断し、国家単位で措置を下したわけだ。




韓国を経由した中国の対米迂回輸出は、3段階で行われる。まず韓中自由貿易協定(FTA)を利用して中国産原材料と部品を、低率関税で韓国に持ち込む。引き続き、下請けを担当した韓国の中小企業は中国産原材料と部品を利用して完成品を作る。そして、「メイドインコリア」になった完成品は韓米FTA適用を受け、米国に低率関税で輸出される・・・・中国が韓国の中小企業に下請けを与えるレベルを越えて、韓国に大規模な工場を建設し、生産基地とする場合もある。全北群山セマングム国家産業団地に位置する「韓国シャーマンタングステン金属材料」。約1万平方メートルの土地に入った灰色の工場は、中国国有企業のシャーマンタングステンが投資し、昨年5月から酸化タングステンの生産に突入した。

別の中国企業HTは昨年末、セマングムに太陽光電池製造工場を建設するという投資意向書をセマングム開発庁に提出した。セマングム開発庁の関係者は「HTはセマングムで太陽光電池を作って他の国に輸出する計画」と話した。海外投資誘致自体は朗報だが、米国にトランプ2期政権が入り、雰囲気が微妙になった。中国企業の韓国内生産施設が、もしかすると「迂回輸出基地」とされる可能性が高まったためだ。昨年韓国に対する中国の直接投資額は57億8600万ドルで、2023年の15億8049万ドルから3.6倍に増えた。特に、二次電池、太陽光、半導体など米国で関連措置を受けている先端産業投資が大幅に増加した。韓国を先端産業分野の迂回輸出基地として活用するという意志を、事実上、明らかにしたと言える。




韓国貿易協会の関係者は「米国商務省が中国の迂回輸出問題を、重要な案件と見て調査を強化している」とし「先に中国の迂回輸出基地として活用されたベトナムとマレーシアが米国政府で高率関税を受ける不利益を受けたが、韓国もそうならないための措置が必要だ」と話した。受注枯渇に苦しんでいる国内中小企業の立場からすると、中国企業の誘惑に応じないのは難しい。最近、半導体、ロボット、電気自動車など先端産業分野で中国の技術発展が際立つ中、中国の下請け基地になってしまうのではないか、という指摘も出ている(毎日経済)・・>>

 

<<・・今後、このような方式の中国企業の迂回輸出はさらに増加すると見られる。最近、中国の自給率上昇と需要不振で、国内石油化学メーカーは、中国に事業場を売却したり合弁する案を検討中だという。業界では、サプライチェーンを通る迂回輸出だけでなく、国内優良中間材メーカーへの中国の持分投資まで考慮すると、もしかすると「中国の迂回輸出前進基地」になる可能性まであるという懸念の声が出ている。これに政府は、国内市場で発生する海外企業の迂回輸出、例えば中国産を韓国産のように包装するい現象を防ぐ方案を検討しているとも伝えられる。しかし、外交面を考えるとその可能性は高くなく、実際に国内市場もちゃんと守れないでいる現状を見ると、政府が果たして海外資本を防ぐことができるかどうかわからない(デジタルタイムズ)・・>>




 

サーバー側からのお知らせですが、「3月10日(月) AM 2:00頃~AM 7:00頃までの間に120分~240分程度(一部サーバーでは最大で300分程度)のサーバー停止をともなうハードウェアの大幅増強および新基盤システムへの移行メンテナンスを実施します」とのことです。参考にしてください。この件は当日までは「お知らせ」に追記しておきます。

ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。