韓国の経済産業大臣「米国側は、中国が私たちにとって『金のなる木』だと思っていました」

日本の経済産業大臣にあたいする「産業通商資源部長官」のアンドックン長官が、「米国側は、中国が私たちの『キャッシュカウ(金のなる木)』だと思っていた。私は、そうではないと説明した」と話しました。少し前のことですが、9日にニューシースがこの件で記事を載せたので、紹介します。アン長官はこのことで、「それは前のトランプ政権でのことであり、いまは米国中心の投資、貿易を行っている」という趣旨を話したとのことですが、本当にそうでしょうか。補助金目当ての投資以外は、そうでもない気もしますが。また、本ブログでも何度か取り上げましたが、問題は中国企業が韓国への投資を1年で4倍近くまで増やし、各分野で進出しつつあるという点です。これが、FTAなどを介して米国への「迂回輸出」に繋がっているという点は、韓国側のメディアからも何度も報じられています。この側面のほうが、もっと問題ではないでしょうか。

また、記事の中でちょっと妙なのは、「対中貿易で赤字で、対米貿易で黒字だから、私たちの『キャッシュカウ』は米国だ。だから大丈夫だ」な内容がある点です。確か、いまのトランプ政権の関税政策は、各国が対米貿易で黒字『だから』(アメリカが赤字だから)こそ、問題になっている側面もあります。だから、米国からLNGを買うとか、アラスカLNGプロジェクトに投資するとか、そういう話も、もちろんLNGハブとか(米国から買って別の国に売る)エネルギー安保とかそういう側面もあるものの、米国への投資、対米貿易においてのバランス取りという側面のほうが強いでしょう。詳しくどういう意味で米国側から「金のなる木(キャシュ・カウ)」という言葉が出てきたのかまでは分かりませんが、これは単に貿易収支のことではなく、別の意味、例えばサプライチェーン、金やモノの流れにおいての関係、そういうところまで意識しての発言ではなかったのか、そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・米国を訪問し、ハワード・ラトニック商務長官、ダグ・バーガム ホワイトハウス国家エネルギー委員会委員長、ジェイミソン・グリア貿易代表部(USTR)代表との面談を進めながら、韓国のキャッシュカウを中国と考える強い認識があったことを、確認しました。今後もこのような誤解を払拭する努力を続けていくつもりです」。アンドックン産業通商資源部長官が米国を訪問した後、韓国に戻って記者たちに伝えた言葉だ。アン長官は、トランプ2期政権の人たちが、第1期だった時代の貿易地形を思い浮かべ、現在と合わない認識を持っていると、訪米の成果よりもこの話を先にした。

トランプ政権が多様な品目に高率の関税をかけることを防ぐために米国を訪れたが、いざ内閣の人たちと出会うと、韓国と中国の貿易収支について事実と異なる考えを持っていて、いったん対話チャンネルを作るのに努力したというのがアン長官の説明だ・・・・トランプ1期政権が終わった後、バイデン政権が入った後、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act)や半導体法補助金などで対米投資企業への支援が増えて、韓国企業の対米投資が増え、米国への輸出額も増えた。




実際、韓国のグローバル投資の中で米国が占める割合は、トランプ政権1期当時20%水準にとどまったが、バイデン政権が入った2021年36.3%、2022年36.1%、2023年43%水準に上がった。対米輸出額は2021年959億ドル、2022年1097億ドル、2023年1157億ドル、2024年1278億ドルと高い増加傾向を見せている。このように韓国企業が米国への投資を増やしながら米国経済に寄与しており、輸出会社は韓国経済を考慮する際、現状だけを見れば中国より米国がさらに重要な貿易国であることは、統計でも確認できる。

もちろん、トランプ2期政権で貿易収支赤字を解消するための貿易障壁を高める可能性がある。これにより、対米貿易収支の増加傾向が揺れる可能性も高い状況だ。しかし、このような時期ほど、米国政府に我が国の重要性を正確に知らせ、貿易相手国として他国の利益を評価下げする政策ではなく、互いにウィン・ウィンする方法を探すことがより重要だ。今回アン・ドクグン長官が米国貿易代表部(USTR)など米国3つの省庁と造船、エネルギー、アラスカ(LNGプロジェクト)、関税、非関税を議論できる5つの分野協議体を構成することに合意したという嬉しいニュースが聞こえてきた。政府は、この協議体を通じて米国政府とリアルタイムでコミュニケーションし、韓国の立場を伝えるという計画だが、良い交渉の出発点を作っただけに、肯定的な成果を出すことを期待したい(ニューシース)・・>>




 

サーバー側からのお知らせですが、「3月10日(月) AM 2:00頃~AM 7:00頃までの間に120分~240分程度(一部サーバーでは最大で300分程度)のサーバー停止をともなうハードウェアの大幅増強および新基盤システムへの移行メンテナンスを実施します」とのことです。参考にしてください。この件は当日までは「お知らせ」に追記しておきます。

ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。