韓国メディア、「円安の終わり」と報じる・・「円は安全資産」「1円=10ウォンに接近」

前にも書いたことがありますが、韓国メディアは通貨安を必要以上におそれる傾向があります。「IMFさん」の記憶があるから、でしょうか。特に相手が円(日本)のことになると、ケンシロウのいない世紀末救世主伝説モードになります。もちろんすべてのメディアがそういう方向に走るわけでもありませんが、全般的に、です。何度も紹介(?)しましたが、その中で特にインパクト強かったのが、2022年10月21日、日本でいうとNHKのような立場の地上波放送局KBSのニュース番組です。当時、ドル円150円になって話題になっていました。そこで、「我が国にも影響するので、日本の国運があまりにも早く衰退しないことを願うだけです(直訳)」と堂々とアナウンサーが話す、そんな内容でした。

でも、それからなにか国際情勢に変化があって円が少し高くなると、「円は安全資産」というふうに、一気にスタンスが変わります。また、円キャリートレードが清算されて、金融リスクが高まるとか、日本が金利を上げたからだとか、そんな記事が目立ちます。最近、為替レートが、1円=10ウォンに近づいたとのことですが、それでまた中央日報が円は安全資産だとか、スーパー円安の終わりだとか、そんな記事を載せました。見方として「これから円高のほうに向かう」というのは問題ありませんが、いままで書いてきた通り、いままでの世紀初国運伝説はなんだったんだ、そんな気もします。控えめに書いて。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・11日、円対比ウォンの価値が100円当たり1000ウォンラインまで近づいた。米国の景気低迷の懸念に、グローバル資金が米国国債や日本円など安全資産で移動したからだ。インベスティング・ドットコムによると、100円当たりウォンの価値はこの日午前10時基準年初(941.34ウォン)より5.7%急落(ウォン円財政為替レートで円高ウォン安)した995ウォンを記録した。2023年4月26日(1000.98ウォン)以後22ヶ月余りで最も安い数値だった。ウォン価格が100円当たり855ウォンまで急騰し、日本旅行が増えた昨年の夏と比べると、「スーパー円安時代」は事実上、幕を閉じている。

トランプ発、米国景気低迷の懸念に、安全資産である米国国債と円の需要が強くなってきた。ウォールストリートジャーナル(WSJ)によると、10年満期の米国国債金利は年初の4.7%台から今月10日(現地時間)4.2%ラインまで押された(※国債を買おうとする需要が高くなると、価値が上がり、国債金利は下がります)。投資家が株式を売って、国債を買おうとしたことで、債券価格を引き上げ、債権金利は下落した。彼らは円高を見ており、ドル当たりの円の為替レートは10日(現地時間)、1日当たり146.63円まで上がった。5ヶ月で最も高い数値だ。




ウォン価値が一気に100円当たり990ウォン台に急落したのも、米ドル対円の円高がウォンより大きかったためだ。11日、ソウル外国為替市場でドル当たりウォン価値(週間終値基準)は年初以降5.7%上がった1458.2ウォンだった。同期間、ドル当たりの円高は6.4%に上がった。日本銀行(BOJ)が上半期中に追加で基準金利を引き上げる可能性も、円高の値を上げている。最近、物価が上がり、日本最大労働組合が賃金交渉で32年ぶりの最高水準である6%台の賃上げを要求した。ロイター・ブルームバーグ通信は、BOJの金利引き上げ条件である賃金上昇とインフレ(物価上昇)圧力が大きくなり、5月に追加金利引き上げ確率が高くなったと分析した。 BOJは1月基準金利を17年ぶりの最高水準である年0.5%に引き上げた。

日本の金利が盛り上がり、エンキャリートレード清算の懸念も再点火された。日本国債金利が上がれば、グローバル投資家はこれまで円を借りて投資した資産を清算し、日本国内の資産に資金を移すことが可能性が高くなる。問題は、大規模な円キャリートレード清算が行われると、グローバル金融市場が揺れる可能性があるという点だ(中央日報)・・>>

 

引用部分にはありませんが、「ドル安と円高の流れは、概ね市場の予想範囲内で(これは特に重要なことではないでしょうか)、円キャリートレードの清算がそこまで一気に清算される可能性は高くない」「それより米国のレセッション(景気後退)懸念からなんとかしてほしい」など、普通の意見も載っています。あと、昨日はトランプ大統領がカナダの鉄鋼・アルミニウムの関税を50%にすると言って、また騒ぎになっていました。カナダのオンタリオ州が、米国向け電力料金を割増したのが原因だったそうです。で、今朝になってニュースチェックしてみたら、カナダ側が「ぐぬぬ」と取り消して、トランプさんも50%を取り消すことにした(25%は維持)、とのことです。流れそのものより、「数時間でにここまで変わっていいのか」という不安を与えているのは、さすがにこれどうよ、としか。25%だぞ!じゃぼくも25%だ!50%でどうだ!うわあああん・・そんな中、想定範囲内の円キャリートレード清算の心配していていいのでしょうか。




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。