韓国メディアが見た、日本の「株主優待制度」・・「日本では、株を買うとクーポンが付いてくる」

朝日新聞の報道によると、新NISAが3年前倒しで目標を達成できた、とのことです。<<・・日本証券業協会は19日、NISA(少額投資非課税制度)口座での株式や投資信託などの買い付け額が、累計56兆円に達したと明らかにした。政府は2022年に作った「資産所得倍増プラン」で、22年時点の28兆円を5年かけて56兆円に増やす目標を掲げており、3年前倒しで実現した(朝日新聞)・・>>、と。日本の場合は金融資産に比べて(タンス預金だけでとんでもない金額になる)個人投資家の投資が少ないとされています。そんな中、「預金から投資へ」という方向性が明確になってきたのは、とてもいいことではないでしょうか。それ『だけ』の世の中にはなってほしくないですが。

シンシアリーは適当なリスクの適当なリターンで投資信託ばかりやっていますので、株式(個別銘柄)を直接購入したりはしていませんが、そんな中、ソウル経済(※4日)が日本の「株主優待」制度についてシリーズ記事を載せました。韓国にいたときにも株式は購入したことがないので(当時、まだ韓国の金利が高かったこともあり、銀行側から結構な優待金利が得られ、定期預金だけでも十分に資産を増やすことができました)詳しくはわかりませんが、ソース記事の記者さんが書いた内容によると、これは韓国では見られない制度である、とのことでして。記事は「企業は実績だけ気にすればいい」という指摘もあるとしていますが、趣旨からして、「こういうのはうちもやってほしい」なイメージが強い・・気がします。<<~>>で引用してみます。




<<・・(※クーポンや割引券など株主への各種サービス提供のことで)配当中心の株主還元がほとんどの私たちとしては珍しい姿になります。日本の「株主優待制度」を見てみましょう。株主優待制度とは、企業が株主に自社製品やサービスを提供するものであり、日本企業の間では広く普及しています。株主に感謝の気持ちを示すための特典で、割引券、商品券、製品、各種サービスなどを提供するのが一般的です。日本企業の株主優待制度に向けた「本気度」どれくらいでしょうか。これは最近、有名な回転寿司チェーン「くら寿司」を見ると、分かりやすいと思います。くら寿司は昨年12月「利益還元の公平性を高める」とし、株主優待制度廃止を発表しました。すると、どうなったのでしょうか。発表翌日、株価は17%も急落しました。その後も弱気の株価が続き、結局、4年5ヶ月ぶり​​の最低値を記録しました。ところが今年1月、会社が株主優待制度を復活させると発表すると、株価は一気に19.3%急騰しました。

株主の反発がどれほど激しかったのか、くら寿司側は「多くの株主から株主優待制度再開の意見や要請を受けた」とし、特典を顧客向け割引券から食事券に変えるなど、以前よりアップグレードしました。くら寿司側は「株主優待が単純な株主還元という要素を超えて、企業価値の一部になったと判断した」と明らかにしました。投資家が会社の製品を直接体験しながら、そのブランドへの愛着が生じ、支持が上がり、これが安定した株主基盤につながるというのが、くら寿司の事例で現れたと言えるでしょう・・・・コカコーラ・ボトラーズ・ジャパンホールディングスも2020年に廃止した株主優待制度を今年改めて作りました。自販機でドリンクと交換できるチケットをスマートフォンアプリを通じて配布する形のものです。




日本の株主優待制度は様々です。食品会社は自社製品を、ホテルや遊園地は無料の招待券を、鉄道会社は乗車券を、航空会社は割引券を提供します。特定の地域の企業は、その地域の特産品をカタログから選ぶことができます。保有株式数によって選択可能な価格帯が決まります。日本の企業は、個人株主を確保し、長期保有を誘導するためにこの制度を積極的に活用しています。最近では、韓国の年金貯蓄に該当する「小額投資非課税制度(新NISA)」が拡大し、個人株式投資家が増えており、これらを引き付けようとする競争も激しくなりました。日本の証券市場のリーダー会社の一つ、トヨタ自動車も、3月3日、初めて株主優待制度を導入すると発表しました。今年3月末日時点で100株以上保有した株主を対象に、株式数及び保有期間に応じてトヨタグループアプリ(トヨタウォレット)の電子マネー500~3万円相当を支給し、トヨタが出場するレースイベントのチケットや各種トヨタグッズ抽選などに応募できるという内容です(ソウル経済)・・>>

で、ある意味、ここから本題ですが・・企業は実績だけ気にすればいいという話は、配当金がちゃんと出ればいいという意味ですが(視野が狭い気もしますが、個人投資家からすると結局はそこじゃないでしょうか)、韓国の株式市場は、株主への還元率も、他の国に比べて低いほうです。2024年1月28日のKBS「3年で有償増資だけ49兆ウォン~」という記事によると、1配当額と自社株買取額を純利益で分けて『株主還元率』を出してみたところ、韓国上場会社の10年平均株主還元率は29%でした。同じ計算で、米国はなんと92%に達します。ヨーロッパや日本など先進国の株主還元率は68%前後で、中国も低いとよく言われますが、それでも32%だった、とのことです。




 

ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。