一時はDAEWOO自動車と呼ばれていた、韓国GM。撤収するという話もあったものの、政府レベルでやっと引き止めて、いまは生産量の84%を米国へ送る形で、韓国で仕事を続けています。ソース記事のSBSによると、その生産量の84%は米国への輸出です。他の国への輸出は最初からあまり考えておらず、輸出分の90%が米国への輸出です。各メディアが「トランプ25%関税で日本の自動車業界が大変なことに」という記事を載せていますが、そんな中、ソース記事(SBS、29日)のように「国内メーカーの心配したほうがよくね」と報じるところもあります。そして、その多くが韓国GM関連です。協力関係にある国内部品メーカーだけで17000社だそうでして。
最近のトランプ大統領関連記事を読んでいると、韓国関連記事を読んでいるような気がします。たとえば、23日、韓国金融当局が「家計ローンの規模を減らしながらもローン金利を下げて国民の負担を減らす運用の妙を発揮してほしい」と話したことをエントリーしましたが、あれと似ています。トランプ大統領は今回の関税政策(25%)で、米国の各自動車メーカーに「価格を引き上げてはならない」と話しました。関税を上げたけど、それで国民の負担が増えてはならないという趣旨です。ファイナンシャルニュースによると、トランプ氏はむしろ「恵沢によりむしろ物価は下がるだろう」としていますが、恵沢といっても補助金などをパッと出しそうな雰囲気は今のところありませんが。
市場、専門家たちは「矛盾している」と指摘しています。IMFなどは「米国経済は鈍化していますが、まだ『リセッション』に入るとは思えない」としていますが、米国では約3分の2の人が「1年以内にリセッション」と考えている、というニュースもあります。同盟関係とされる国を含めて、多くの国と対立関係を強めながら、それで本当に「偉大」になるのか。まだ結果は出ていませんが、いまのところ、どうもそうは思えません。日米経済の関係を考えても、良い結果になるならそれでいいかもしれませんが・・今回のアメリカのやり方は、多くの国に傷跡を残すでしょう。最近のトランプ政権の動きは、まさに本ブログで書いてきた多くの韓国関連の「やり方」と似ているように見えます。「偉大」というキーワードが共通しているのがどうもひっかかりますが、気のせいでしょうか。以下、2つの件をそれぞれ<<~>>で引用してみます。
<<・・トランプ政権がすべての輸入自動車に対して25%の関税をかける宣言し、国内自動車業界の危機感が高まっています。輸出物量の90%を米国に送る韓国GM、1万7千カ所に達する国内部品協力会社も戸惑っています・・・・韓国GMの問題が大きくなる場合、GM本社で韓国政府の支援を圧迫する可能性も提起されています。米国が5月3日以前に自動車部品にも関税をかけると明らかにし、1万7千カ所に及ぶ国内自動車部品業界の心配はもっと大きくなりました・・・・米国は国内部品メーカーに最大輸出市場であるうえ、完成車輸出が萎縮すれば国内部品供給も萎縮する可能性が大きいからです。ここに国別の相互関税が追加された場合、輸出を放棄しなければならない状況になる可能性があるとされています・・・・国別の相互関税レベルによって、日本やドイツ企業との競争条件が完全に異なります。部品業界は何より関税水準と対象品目の不確実性が進み、政府の支援方案が急いで設けられることを願っています(SBS)・・>>
<<・・ドナルド・トランプ米大統領が、デトロイト自動車メーカーに電話をかけ、関税負担を消費者に転嫁してはならないと警告した。関税をかけたことで費用負担が増えても、これを車の値上げを通じて消費者に影響を与えてはいけないということだ。もしこれを無視して車の価格を上げれば、ホワイトハウスがこれを大人しく見ていたりはしないだろうと話した・・・・車の値が凍結すると、関税に今年の営業利益をすべて持っていかれるという警告が出ているというのに、トランプの価格凍結に追い込まれたデトロイトの各自動車メーカーはどうしようもできなくなった・・
・・特にトランプは、自身が米国に製造業を再び呼び戻しており、以前の大統領に比べて産業に優れた大統領という点も強調した。彼は関税が「偉大な」ものだと主張した。これに先立ち、トランプは26日、全ての輸入車と部品に来る4月2日から25%の関税をかけるようにする行政命令に署名した。関税によって車の価格が上がるという分析とは異なり、トランプは「物価が下るのを見ることになるだろう」と主張した。米国で生産に乗り出す企業と国家にインセンティブを与えるため、そうなるということだ。トランプのこのような軌道は市場の一般的な分析から大きく外れている。UBSアナリストジョセフ・スパークは27日、分析ノートで、関税によって今年フォードとジェネラル・モーターズ(GM)の純利益がすべて飛んでいくだろうと指摘した。ウォールストリートのアナリストたちは、自動車関税の25%による車の値上げ効果が、1台当たり5000~6000ドルに達するため、自動車メーカーがこれを自社で負担すればば莫大な損失を記録するだろうと懸念している。しかしトランプは自動車関税で年間1000億ドルの税収を確保する一方、インフレは下がるという矛盾した目標を持っており、自動車業界は混乱するばかりだ(ファイナンシャルニュース)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。