「8:0で認容」という分析も・・韓国憲法裁判所、4日に尹錫悦大統領弾劾判断を宣告すると正式発表

4日、韓国憲法裁判所が尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾判断結果を宣告する、と発表しました。3月14日だとも17日だとも、3月の内にはとも言われてきましたが、やっと正式に発表されました(憲法裁判所の宣告日は、事前に発表されます)。聯合ニュースなどほぼすべてのメディアが報じました(今日、4月1日)。ソウル経済(1日)の記事によると、すでに8対0で認容する(弾劾を認める)という内部合意が行われている(はず)という見解もあります。で、なんでよりによって4日かな・・な気もします。裁判長の任期(18日まで)もありますのでなんとも言えませんが、相互関税発表内容によっては、ニュースなどが関税関連で埋め尽くされているはずですが。話題を分散させるため、という意図もあったのかもしれません。

それとも、単純にこれ以上延期することはできないと判断したのでしょうか。延期してきた理由は、この件に関して右側と左側の対立が強くなりすぎており、結果を発表するまで時間をおいて、熱気が少しでも冷めるのを待っていたためだ、という指摘も出ています。でも、それもそろそろ限界になった、と。もちろん、まだ結果が出たわけではないので、なんともいえません。ユンたん逆転勝利エンドの可能性もあります。もし認容された場合、保守側の大統領二人が連続で弾劾キックエンディングを迎えることになりますから・・その影響は、朴槿恵大統領のときより更に大きく、長く続くのではないか・・そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます(※ソウル経済の記事は今日のものですが、インタビュー内容は3月31日、すなわち宣告日が発表される前のものです)。




<<・・憲法裁判所が尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の罷免・職務復帰の可否を来る4日決定する。憲法裁判所は1日、取材陣に「尹大統領弾劾の件に対する宣告が4月4日午前11時、予定されている」と明らかにした。昨年12月14日、尹大統領が弾劾訴追された時から111日ぶりだ。2月25日弁論を終結して裁判官評議に突入した時点からだと、38日ぶりに宣告されることになったわけだ。憲法裁判所が弾劾訴追を認容すれば、尹大統領は罷免される。棄却・却下された場合、直ちに職務に復帰することになる。罷免決定には現職裁判官8人のうち6人以上の賛成が必要だ。

憲裁は、「宣告日に放送会社の生中継と一般人の傍聴が許される」と明らかにした。朴槿恵(パク・グンヘ)元大統領弾劾の時も、憲法は生中継を許可した。国会は、ユン大統領が昨年12月3日に非常戒厳を宣布し、国会と中央選挙管理委員会に軍を投入する過程で、憲法と、法律を破る行為があったという理由で弾劾を起こした。尹大統領側は非常戒厳は「警告のためのもの」であり、宣布・維持・解除過程で法律を守り、政治家、国会議員を国会から引き出すようなことなどを指示した覚えはないという立場だ(聯合ニュース)・・>>




<<・・キム・ジン元中央日報論説委員が、(※3月)31日、「憲法裁判所がすでに8対0で合意している。しかし、宣告期日を決めるためにプロレベルで政治的計算をしている」と話した。ユン大統領に対する憲法裁判所の弾劾宣告が遅れているのが、憲法の政治的計算によるものだという主張だ。この日、金元委員はラジオ放送(CBS)に出演し、「5対3で意見がわかれているという話も出ているし、さらに、4月18日、ムン・ヒョンベ憲在所長退任以後に宣告が遅れることもあるという話があるが、すでに8対0で憲在が内部的に合意を見た」と述べた・・

・・金元委員は「核心は、弾劾なのか、棄却なのかで対抗している社会葛藤の熱気である。これがとてもリスキーなレベルまで来ているため、憲法裁判所がこの葛藤の熱気が冷めるよう、今まで引き伸ばす作戦をしているのだ」と見た。それとともに、「こういう主張を、憲法裁が宣告期日を延期するたびに言ってきた」とし・・・・「憲法裁の『熱気を抜く』作戦がもう限界まで来ていて、おそらく、遅くても今週内には、だから来週4月18日を越えることなく、宣告されるだろう。今週内の可能性がとても高い」した。金元委員は、憲法の戦略を分析して「憲法が目指すのは何か。『弾劾でも棄却でもいいから早く宣告して』という世論が最高潮になってから、宣告することだ」として・・

 

・・棄却の可能性については、ないとした。金元委員は「もし想像もできないことが起きて大統領が復帰することになっても、それでも一日、二日しか政権運用できないだろう」とし「結局、やめることになるだろう。デモが起こるだろうから」と声を高めた。彼は「8対0で認容されず、5対3などで棄却されたりする可能性はほぼゼロだ」とした(ソウル経済)・・>>

記事は、社会的安定のために宣告を延期してきたとしていますが・・率直に言って、認容が出ても棄却(または却下)が出ても、すでに「社会的な影響は大差ない」状態にまで来ているとも言えます。というか、もう誰が大統領になってもこの対立を押さえることができるのでしょうか。




 

ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。