韓国経済メディア「生産拠点を海外に移す動き・・空洞化、ラストベルト化の可能性が高い」

一つは製造業関連記事で、もう一つは日本と台湾の半導体(国内投資)関連記事なので、単純に比較することは難しいでしょう。でも、記事の内容より趣旨のほうを見てみると、もう米国内に投資する、すなわち生産拠点を米国に移すこと『だけ』を考えているのではないか、そんな点が共通しています。毎日経済(2日)と、ソウル経済(31日)です。まず、いまのトランプ大統領の政策が他の国はともかく米国にとって良い結果をもたらすのかどうか、それがわかりません。また、5年後にどうなるのかもわかりません。前にも何度か関連記事を紹介したことがありますが、韓国はもともとリショアリング(企業が生産拠点などを海外から自国内に戻すこと)が少ない国でもあり、さらなる空洞化現象が予想されます。それに、もし米国内に拠点を移したとしても、米国内の企業との競争もあります。さて、各企業がどのような形に動くのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・「トランプ関税」が目の前の現実に迫ると、米国に工場を建てようとする国内メーカーの動きが活発になっている。高い人件費、強すぎる労組、各種規制などで、国内経営環境がおもわしくない各企業は、持続的に海外生産基地の建設に目を向けてきた。これにより国内工場設備はさらに老朽化が進み、先端工場が外国に抜け出して、国内は「ラストベルト(※Rust belt、衰退した工業地帯のこと)」になっていく様相だ。専門家たちは、トランプ関税、強い労組、高価な労働費用、週52時間制を含む数多くの規制などが複合的に製造業の空洞化を加速化させていると懸念している・・・・雇用と輸出で経済を支えている代表的なメーカーたちは、米国行きを進めている。現代自動車グループは先月26日、米国ジョージア州エラベルに建てた新工場「現代車グループメタプラントアメリカ(HMGMA)」竣工式を開いた・・




・・鉄鋼メーカーも米国に生産施設移転を急いでいる。ポスコは先月20日、株主総会で「完結型ローカライゼーション戦略を通じて米国市場の立地を強化する」と明らかにした。しかし、具体的な対米投資計画はまだ確定していないことも分かった・・・・現代製鉄は、HMGMAに自動車用鋼板を供給するために電気炉工場(演算270万トン規模)を建設する予定だ。一方、国内の鉄鋼生産量は需要不足と中国産の低価格品に押され、相次いで減少しつつある。ポスコは昨年11月に浦項1線材工場を閉鎖し、その前にも7月に浦項1製鋼工場を閉鎖した。現代製鉄も昨年末、浦項2工場を閉鎖することに決め、労組と協議の末に、交代勤務人員を削減する案に調整した・・・・(※産業研究院選任研究委員は、ある程度は仕方ないことだとしながらも)「しかし、このような決定が国内経済に打撃を与える可能性が高いこともあり、産業界と政府、政治家たちが、経済に与える影響を最小化する方法を見つけなければならないだろう」と話した(毎日経済)・・>>

 

<<・・ドナルド・トランプ米大統領が関税を利用してグローバル企業に米国内半導体工場の拡大を圧迫する中、台湾と日本が自国半導体競争力確保に乗り出している。(※3月)31日、台湾連合報(UDN)によると、世界最大のファウンドリ(半導体委託生産)企業である台湾TSMCは最近、自国内2nm(ナノメートル・10億分の1m)の工程配置計画を1.4ナノに転換し、サプライチェーン企業に必要な設備を準備するよう通知した。現在、全世界で先端量産技術は3ナノであり、TSMCはまだ量産前段階である2ナノ技術でも優位を占めている。 TSMCは今年先に北部新州科学団地の宝山第2工場に1.4ナノデモ生産ライン(ミニライン)を設置する予定だ。 1.4ナノは2027年に試験量産を始め、2028年下半期に本格量産に突入する予定だ。台湾メディアは今回のTSMCの計画が地政学的変動に対応するためのものだと報じた・・・・本社である台湾に生産拠点を集中するという意志を見せたものだと思われる・・




・・日本の半導体企業ラピダスも2027年に製品量産のために速度を出している。ラピダースは今月から北海道千歳市工場で2ナノ半導体試験生産ラインを稼働する予定だ。ラピダススの市場シェアはまだ微々だが(※まで生産もしていません)、先端半導体の国産化を明らかにした日本政府の全面的な支援を受けて、急速に成長している。日本経済産業省は同日、ラピダス試作ライン稼働に必要な製造設備、原材料調達、生産管理システム開発、製造技術の確立などに必要な追加資金で8025億円(約7兆9160億ウォン)を追加支援すると発表した(ソウル経済)・・>>

そもそも日本の場合「国内で使う分を国内で生産できれば」という、経済安保的な側面の目標をある程度まで実現するのが先決でしょう。台湾の場合も、米国に「も」投資すると言っています。いつだったか、自動車関税関連の発表があったばい、日経新聞だったかな、日本メディアが「韓国の場合空洞化が進むのでは」という」趣旨の記事を載せたことがあります。その際、「そんなことない」という反論が結構出ていたと記憶していますが・・早くも、ラストベルトがどうかの記事が出てきました。これもまた、記事の内容が合っているかどうかではなく、「とりあえず早く米国に投資を」という焦りが明らかに出ていること、そういう側面のほうがもっと重要だと言えるでしょう。先も書きましたが、拠点を米国に移したら移したで、その分、競争も激しくなるはずですが・・そこまでは考えていないようですし。




 

ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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