さて、6月3日に予定されている韓国大統領選挙、最有力候補とされる、最大野党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)代表が、出馬宣言しました。ちなみに出馬のために代表職を辞めたので、詳しくは「前」代表です。競選と呼ばれる、政党の大統領候補を選ぶための党内選挙を経て、もし1位になれたら、共に民主党の公式大統領候補となります。フレーズは、「これからが本当の大韓民国だ、いまはイジェミョンだ」です。ソース記事もそうですが、各記事は「本当の大韓民国だ」までをクローズアップする事が多く、「これからが本当の韓国だ」と書くと、どっかで聞いたようなセリフになる、そんな気もします。個人的に、いま李代表の支持率が圧倒的なのは求めざるを得ないと思っています。
ただ、「野党支持(政権交代派)だけど、李代表の他に誰かいないのか」と思っている人が結構いるのも、また事実です。世論調査などを見てみると、尹大統領関連の裁判結果が出てからも、李代表の支持率はほとんど上がらず、30~35%あたりのままです。他にライバルと言える人がいないのに30%台というのは、やはり気になります。「まだ安心できる状況ではないのでは」といったところでしょうか。与党「国民の力」側とされる、キムムンス雇用部長官が公式に出馬し、与党の競選に参加するなら、どれだけ世論を、中道派を味方にできるのか。そこにすべてがかかっているとも言えるでしょう。思えば、尹大統領もそういうパターンだったので、可能性がないわけではありません。決して高いとも言えませんが。KBS(11日)が李代表の、なんというか、ヴィジョンといいますか、そういうのをまとめたので、以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・大統領選挙の出馬を宣言した共に民主党のイ・ジェミョン前代表が「これからが本当の大韓民国だ、今はイ・ジェミョンだ」という大統領選挙スローガンを公開しました。李前代表は本日(11日)午前10時、国会ソトン館でビジョン発表のための記者会見を開き、「今回の大統領選挙は単に5年任期大統領を選ぶ選挙ではない」とし「内乱を勝ち抜いて世界の中でそびえ立った偉大な国家であることを証明するか、できないかの分かれ道である」と言いました。続いて「民生と平和、民主主義を回復しなければならない」とし「止まってしまった経済を再び蘇らせなければならない」と強調しました。李元代表は「私たち国民は先の国が書いた正解を素早く模倣して死ぬ力を尽くして働いた結果、世界が驚いた「漢江の奇跡」を成し遂げた」としますが、「今は時代が急変しており、もはやいまは、私たちが真似する対象もなければ、私たちが従う対象もない」と話しました。
それとともに「「量的成長」だけにこだわっていた「機能中心社会」の限界から抜け出さなければならない」とし、「どんな人生が幸せな生活なのかについて考え、『質的成長』を追求する、『価値中心社会』に変化しなければならない」と強調しました・・・・李前代表は「現実に足を踏み入れ、理想に向かって腕を伸ばす、主導的で進取的な実用主義が未来を決めるだろう」と明らかにしました。続いて「トランプ2期体制で自国優先主義が始まった」とし「私たちの中の理念と陣営対立は、私たちが遭遇する巨大な生存問題の前では、みな些細なことに過ぎない」と述べました。
それとともに「その日の食べ物を気にするのではなく、豊かに暮らすことを気にしながら新世界を設計する、変化適応を超えて、その変化を主導する影響力、それこそがまさしくグローバル競争力」と話しました。李前代表は「今回の大統領選挙を、大韓民国が新たな希望の未来を開くレベルアップの転機にする」とし「70年の偉大な成就を超え、大韓民国が世界を主導する時代を開拓する」という「K-イニシアチブ」ビジョンを提示しました・・・・「今、韓国国民はこれまで以上に熱い熱望で集まっており、新しい道を開くために、慣れた昔の道を果敢に閉鎖する準備ができている」とし「産業化と民主化を同時に成し遂げた奇跡の国、大韓民国は、弱肉強食の世界秩序と人工知能の先端時代にも勝ち、世界の標準としてそびえ立つだろう」と明らかにしました。
李前代表は「これから本当の大韓民国が始まる」とし・・・・「変化に機敏に対処できる外交強国」、「先端産業をリードする経済強国」、「社会的大妥協で共に暮らす民主主義強国」、「Kカルチャーなど世界文明をリードするソフトパワー強国」をビジョンとして提示しました。李前代表側は、今回の大統領スローガンに対して「「どのように選挙で勝つのか」より「どんな変化を作るのか」に集中し、大韓民国を「偉大で誇らしい国民の自主的で民主的な国」に作り出すこと自体が目標という意味を込めている」と説明しました。また、「今はイ・ジェミョンだ」は、李前代表個人の競争力である推進力・決断力・有能さで「これからが本当の大韓民国」を作ることができるという自信と、世界をリードする「Kイニシアチブ」を導くことができるという意志の表現だと付け加えました(KBS)・・>> 明日は、1日休みをいただきます。次の更新は、4月13日(日曜日)のいつもの時間、11時ころになります。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。