多分、不定期ではありますが今までより頻繁に取り上げることになると思いますが・・韓国の次期大統領選挙の支持率関連データを紹介します。今回は「リアルメーター」の調査です(ソウル経済、14日)。複数の機関が調査していますが、「韓国ギャロップ」社と「リアルメーター」社のデータがよく記事になります。ただ、これらのデータには、正式に出馬表明をしていない人も含まれています。今回、与党側から現・大統領権限代行の韓悳洙(ハンドクス)氏が支持率を上げています。権限代行に復帰し、調査期間中にトランプ大統領と電話会談したことなどが支持率を上げた理由だと思われます。今回、支持率8.6%でした。
しかし、与党側の支持率1位である金文洙(キムムンス)前雇用労働部長官の支持率は5.4%低下しており(10.9%)、キム長官の支持率がハンドクス総理に移動しただけ、という見方もできます。誰が与党の公式候補になるかは、「競選」と呼ばれる、党内選挙で決まります。とりあえずデータをまとめますと、共に民主党の李在明(イジェミョン)前代表が圧倒的で、48.8%。2位から与党側の候補たちが並びますが、キムムンス前雇用労働部長官10.9%ですが、前回より5.4%ポイントも下がっています。ハンドクス権限代行が8.6%で、李代表に比べるとまだまだ及びませんが、与党だけで見ると、1位のキムムンス前長官にかなり近づくことができました。それから、総選挙の結果によって影響力のほとんどを失ったものの、つい去年12月まで与党代表だった韓東勲(ハン・ドンフン)前国民の力代表が6.2%、洪準杓(ホン・ジュンピョ)前大邱市長が5.2%などですが、ここからはほぼ勝機がないとみてもいいでしょう。
で、与党「国民の力」の競選の結果、それぞれキムムンス前長官、ハンドクス権限代行、ホンジュンピョ前大邱市長が勝利したことを仮定して、大統領選挙で共に民主党の李代表(もう「前」代表ですが)とぶつかった場合はどうなのか、その予想データもあります。野党から李前代表、与党からハンドクス権限代行が大統領選挙に出馬した場合(他の政党、候補は考えない)、李前代表54.2%、ハンドクス権限代行 27.6%。李前代表とキムムンス前長官が出馬した場合、李前代表54.3%、キム前長官25.3%。李前代表とホンジュンピョ前市長が出馬した場合は、李前代表54.4%、ホン前市長22.5%・・という結果で、いまのところ、誰が与党候補になっても、野党李前代表の圧勝という調査結果になりました。
本当に李在明前代表が大統領になるのでしょうか。もしそうなら、個人的に、なんかいろいろな意味ですごいことだな、と思っています。彼の政策はともかく、存在そのものに賛同しない人も多いと聞いていましたが・・引用部分にはありませんが、次期(6月3日)大統領選挙で「政権交代」を望む回答は58.7%で、先週の調査に比べて1.8%ポイントも上がっています。「政権延長(政権交代しない)」は35.3%で、1.7%ポイント下がりました。この流れにおいて、「すっきりしないけど、李前代表しかいない」という考えが強くなっている、といったところでしょうか。以下、ソース記事を<<~>>で引用してみます。
<<・・リアルメーターがエネルギー経済新聞依頼で9~11日、有権者1506人を対象に与・野の次期大統領候補適合度をした結果、李前代表が48.8%で1位を記録した。先週対比、誤差範囲内側の0.7%ポイントさがった数値だ。キム・ムンス前雇用労働部長官は5.4%ポイント下げた10.9%、ハン権限代行は8.6%を記録してそれぞれ2位、3位に上がった。続いて、ハン・ドンフン前国民の力代表(6.2%)、ホン・ジュンピョ前大邱市長(5.2%)、イ・ジュンソク改革新党議員(3.0%)の順だった。
リアルメーターは「野党側の候補者では、李前代表が50%近い支持率を維持しており、共に民主党支持層でも圧倒的な支持を得て、党内基盤が非常に堅固だ」とし、「与党側、保守陣営の候補たちは、最近、ハンドクス権限代行を大統領候補にすべきだという主張が急浮上したことで、今回初めて候補として含めたが(※本記事に名前が出ている他の候補たちとは異なり、ハンドクス氏はまだ出馬を宣言していません)、 2位に上がってかなり善戦したが、キムムンス前長官は、支持層の離脱幅が大きく出てきた」とした。
大統領選挙でそれぞれの与党候補が出馬し、李前代表と対決した場合、李前代表が与党側の候補5人との対決すべての場合において26%ポイントを超えて、大きく上回った。李前代表は、ハンドクス権限代行(54.2% vs 27.6%)とは26.6%ポイント、キム前長官(54.3% vs 25.3%)とは29.0%ポイント、ホン前市長(54.4% vs 22.5%)とは31.9%、ハンドンフン前代表(54.0% vs 18.3%)とは35.7%ポイントの差で上回った(ソウル経済)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。