韓国メディア「日本の『ゆっくり』作戦、トランプ大統領を焦らせている」

さて、予定通りなら、今日から赤沢亮正経済再生担当相が訪米し、関税交渉が本格的にスタートします。いったん話を聞く、というスタンスで、早期妥結を急ぐスタンスではないと思われます。ベッセント米財務長官が「中国以外の大きな貿易相手国14カ国と合意するには、90日間(猶予期間)では時間が足りない」と話したというニュースもありますが、これがなにを意味するものなのか、ちょっと気になるところです。だから急いでくれということなのか、それとも、いったん交渉を始めると、猶予期間が再延長できるという可能性の話なのか。今の状況で「良い結果」を語るのは難しいでしょうけど、「それでも」、その状況下で良好な合意にたどり着けるよう、担当の方々には頑張ってほしいところです。

で、実は米国国務省の東アジア太平洋局高官、ショーン・オニール氏も、16日~25日、ベトナム、カンボジア、そして日本を訪れます。「私と電話会談したあとに関税90日間猶予された」と話す人もいましたが・・今回も韓国には訪問しない、とのことでして。いろいろ理由はあるでしょうけど、やはり、大統領不在というのは大きいでしょう。で、韓国ではアラスカLNG開発でパッケージ解決とかそんな話が出ていますが(昨日お伝えしました)、毎日経済の15日の記事によると、実はトランプ政権は今回の関税政策においてパートナーたちが背を向けている現状にすいぶん焦っていて、日本の『ゆっくりしていくね』というスタンスが、結構「効いている」のではないか、そんな見解もあるそうです。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・関税交渉を陣頭指揮しているスコット・ベッセント財務長官が(※関税関連の)交渉にスピードを出すと明らかにしたのは、ドナルド・トランプ米行政部が追い込まれている状況であると思われる。
一方的な関税政策に同盟国たちが背を向け、米国の株式と債券の価格は大いに揺れており、中国が予想外に強く対抗しながら、米国の消費者たちもすでに関税政策に反発しているからだ。ベッセント長官は14日(現地時間)「私たちは重要な貿易パートナー国の多数と、とても迅速に動いている」とし「最終的には、特に最も重要な貿易パートナー国との交渉にはトランプ大統領が参加するだろう」と話した。16日からの交渉を控えた日本の慎重な態度が、米国を焦らせている側面がある。

読売新聞は、赤沢亮正経済再生担当相がベッセント長官との初会談で、具体的な交渉カードを提示するのではなく、そのかわりに米国側の主張と要請を確認することに集中するだろうと思われる、とした。日本外務省幹部もまた、解決策を先に提案することがむしろマイナスになる可能性があるという見方を示した。石破茂日本首相は14日、衆議院予算委員会に出席し、米国製武器を大量購入する方案に対して「軽率に手の内を明かすべきではない」と話しかけた。ベトナムが先立って米国に出した「プレゼント袋」が、事実上、受け入れてもらえなかったと知られており、交渉を控えた友好国の対応がさらに慎重になっている・・




・・ベッセント長官が「私は各国に『最善の提案』をもってくるようにと言う」、「何を持ってきたのかを見てそこで(交渉を)始める」と話してはいるものの、相手国は米国側の意図を確認するまで判断を留保しているわけだ。一方、追い込まれたトランプ大統領は再び関税政策「後退」を示唆する発言を出した。トランプ大統領はこの日ホワイトハウス執務室で、一時的な関税免除と関連して「自動車メーカーの一部を助けるための何かを検討している」としながら「(自動車会社が)カナダとメキシコで生産された部品をここで作るために(生産を)転換している。 しかし彼らには時間がもう少し必要だ」と話した。米国政府がエンジン、変速機、パワートレインなど核心自動体部品に対する25%の関税を来月3日前に発効することにしていたが、これを猶予できることを示唆したのだ。

トランプ大統領は、アップル製品やスマートフォンなどが関税例外対象になるかという質問にも「私は心を変えていないが、私は非常に柔軟な人」とし「多分、何か出てくるかもしれない」と話した。米国商務省は半導体・医薬品の輸入を国家安全保障レベルで制限する必要があるかどうかを決定するための調査に着手したと、同日、官報に掲載したが、これも不確実だとされている・・・・これらの品目は相互関税対象から除外されたが、対中関税145%より必然的に低くなるしかなく、トランプ政権の立場からすると「中国に配慮しているのではないか」と思われても仕方ないからだ。しかし、このようなトランプ大統領の歩みは、交渉国の態度をさらに慎重にし、米国内の経済主体たちの反発も拡大している(毎日経済)・・>>

最後にちょっとだけ、『関税猶予マン(自称)』韓悳洙大統領代行の話ですが、どうやら次期大統領選挙に出馬する意向のようです。党内選挙があるとはいえ、保守側の票がさらに分散されるのではないか、という話もありますが・・さて、どうでしょうか。今日の更新はこれだけです。次の更新は、明日の午前いつもの時間になります。




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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