韓国メディア「日本は関税交渉を急がず、まずは米国の1~3月GDP発表を見守るだろう」、「日米関税交渉は私たちの『参考資料』」など

昨日から本格的に始まった(と言える)日米関税交渉。トランプ大統領が積極的に出てきたサプライズもあり、世界的に話題になりました。韓国メディアの記事を読んでみると、「米国にとって日本は扱いやすい相手だから」「私たちの訪米団もトランプ大統領が迎えるはず」など、「そっちですか」な内容が目立ちました。政権交代の可能性、半導体関連、そして中国製品の迂回輸出関連の話など、いまの韓国の立場からして、注目すべき点が他にあるはずですが・・いつものことですけど。この件、共同通信も報じていますが、「参考書」「試金石」などです。<<・・担当閣僚が来週にも訪米する韓国のメディアは「韓国の『参考書』になるか」などと報道。朝鮮日報は、日本は「低姿勢」で米側の要求に耳を傾け、全容を把握した上で交渉カードを選ぶ戦略を取っていると分析した・・>>、と。

他にAP通信は「トランプ大統領が直接日本の訪米チームと会ったのは、米国にとっての交渉の重要さを示すものだ」とし、ロイター通信は「トランプ政権が関税問題で譲歩するつもりがあるかどうか、(日本との交渉が)試金石となる」と、フランスのレゼコーは「米国の一番の同盟国が適切に合意できなければ、他の国が成功する可能性はさらに低いということになる」と報じた、などなどです。この文章を読んだだけですが、韓国メディアとは書き方がずいぶん異なるのは伝わってきます(笑)。 以下、比較的、普通に書いている(見解の説得力というより、書き方として)京郷新聞の記事をピックアップします。記事は、日米関税交渉を「参考資料」としていますが、そこまで悠長に見ていいだろうか、な気もします。6月に大統領選挙があるので、それまではどうにもならないと思っているのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・対米黒字規模と産業構造、地政学的条件が韓国と類似した日本とドナルド・トランプ米行政府間の対話は、来週の企画財政部・産業通商資源部長官の訪米が予定されている韓国にとっては、重要な参考資料だ。専門家たちは、日米間交渉で「妥結までの速度」、米国の具体的な要求内容、品目関税の引き下げ・免除の有無などに注目しなければならないと助言する(※ついこの前まで大統領権限代行だったチェサンモク長官が訪米予定です)・・・・日本の事例には、参考にできる部分が少なくない。まず、その交渉の速度だ。日本は、実際には妥結を急がないだろうと予想する専門家が多い。キム・ヤンヒ大邱大経済金融学部教授は、「韓悳洙(ハンドクス)大統領権限代行体制の政府は、すでに何を(※米国側に)与えることができるかについて話している」とし「トランプ政権が早い妥結を促す場合、日本がどのように対応するかも注視しなければならない」と話した・・

・・(※記事に明記されているわけではありませんが、韓悳洙総理がアラスカLNG開発~などで具体的に話している点について、「交渉前にそこまで明かすべきではない」という指摘が多く、この場合は日本の対応をいわゆるベンチマークすべきだ、というニュアンスになると思われます)キム・ヒョクジュン対外経済政策研究院副研究委員も、日本は急がないだろうと見通した。キム副研究委員は、「今月30日には、米国の1~3月期のGDP(国内総生産)指標が発表される。それについて、マイナス3%の見通しまで出ている」とし、「世論がGDP問題について強く指摘するようになった場合、トランプが一歩下がる状況が作られる可能性があるため、日本はそのような状況まで見守ろうとしているわけだ」と予想した。




日米交渉を通じて、米国が韓国に提示する防衛費・自動車などと関連した要求事項もある程度は予想することができる。外交部第2次官を務めたイテホ法務法人「広場」顧問は、「非関税障壁に対する米国業界の不満は多く知られているが、米政府の要求が何なのかはまだ公開されたことがない」とし「日本との交渉で、米国の具体的な関心事項が何かが、その一部が現われるだろう」と話した。米日防衛費交渉がどのように流れるのかも関心事だ。同顧問は「権限代行との通話以降、トランプ大統領がワンストップショッピング(※まとめて一括解決)を話し、防衛費分担金もパッケージに含まれるように言及しただけに、日米間の防衛費議論が今後どのように進められるかを見てみる必要がある」と述べた。

また、米国が「品目関税」まで交渉対象に含めるかどうかも問題だ。日本政府は「自動車品目関税免除」を主な目標としている。相互関税よりは自動車に課された品目関税打撃が大きいと見たのだ。問題は、トランプ政権が相互関税を中心に交渉をしようとしている点だ。ジャンサンシク韓国貿易協会国際貿易通商研究院長は、「日本と韓国ともに、相互関税よりは品目関税に主要輸出品目がかかっている」とし「品目関税も下げる余地があるのか、どれだけ下げることができるのかを(日米交渉を通じて)確認することも重要なポイントだ」と話した(京郷新聞)・・>>




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