韓国中央銀行のGDP展望値、「小幅のマイナスの可能性」・・マイナス0.2→0.1→0.06→小幅マイナス

世界各国が「低成長時代」を頑張っていますが、韓国も例外ではありません。2023年、「日本メディア(ネットメディア)が『ピークコリア』という言葉を使っている」としながら、ものすごい批判的な記事が溢れたこともありますが、実は国内からも結構前からそんな主張があったし、そもそもピークコリアという言葉は中央日報が先に使った言葉です。去年11月にエントリーしたことがあるので、未読の方はお読みください。で、ピークとはまたちょっと異なる概念ではありますが、最近もまた低成長時代という言葉について、「そんな言葉は使ってはならない」という風潮があります。

そんな中、韓国銀行(中央銀行)が1~3月期の実質GDP展望値を発表しましたが・・2月に出した展望値の0.2%に及ばず、若干のマイナスの可能性もある、とのことです。去年4~6月期から、マイナス0.2→0.1→0.06→若干マイナスと、四半期基準で4連続で0.1%を下回ることになる、と朝鮮日報(18日)、韓国経済TV(20日)が報じています。「韓国は4%成長、中国は8%成長」を基本ラインとする時期もありましたが・・予想できなかったはずはないと思いますが。家計債務、PF(プロジェクトファイナンス)不動産、出生率などの話もいろいろ出てきますし、以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・経済成長率が、初めて4四半期連続で0.1%以下にとどまると見られている。20日、連合ニュースなどによると、韓国銀行は17日「今年1~3月期および今後の成長フロー評価」報告書で「1~3月期の成長率(直前期比)は2月の予測値0.2%を下回ったと推定され、小幅のマイナス成長の可能性もないとはいえない状況」とした。このままならば24日公開される1~3月期実質国内総生産(GDP)成長率が0%を下回ったり、プラスを維持するといっても0.1%以下である可能性が大きい。昨年4~6月期のマイナス0.228%、7~9月期0.1%、10~12月期0.066%に続き、四半期基準で4連続で0.1%を超えない流れが続く可能性があるという意味だ・・

・・こういう現象は様々な要因が重なった結果だ。低出生・高齢化と、革新不足による生産性・効率性の低下などで潜在成長率自体が低くなった。韓銀は最近の報告書で、2000年代初めの5%前後に達した潜在成長率が2010年代の年平均3%初半ば、2016~2020年の2%半ばを経て、最近2%まで下がったと推定した。これに過度に多くの家計債務などで消費が萎縮したうえ、不動産プロジェクトファイナンシング(PF)問題などで建設などの投資も押し下げられ、内需がくずれた状態だ。これに、国内外機関の今年の成長率見通しもますます低くなっている。

ブルームバーグが今月10日に調査した結果を見ると、42の国内外機関の今年の韓国経済成長率見通しは1.41%水準だ。韓銀の2月予想値(1.5%)より低い。ブルームバーグエコノミックス(0.7%)、キャピタルエコノミックス(0.9%)、シティグループ(0.8%)、ハイ投資証券(0.8%)、IM証券(0.8%)、INGグループ(0.8%)、JPモルガン(0.7%)は1%にならないと、ゴールドマンサックス、ソシエテジェネラル、スタンダードチャータード(SC)は約1%と予想した・・・・韓銀も来月の見通しを相当幅、下げる可能性が大きくなった。2月の見通し当時、関税関連のシナリオで、今年の成長率を1.4%と見たが、5月の見通しは1%内外に留まるものと見られる(韓国経済TV)・・>>




<<・・韓銀はこの日、今年1~3月期、経済がマイナス成長する可能性があると述べた。韓銀は「経済状況報告書」で「今年1~3月期の成長率は2月の見通し(0.2%)を下回ったと推定され、当初予想よりも成長が弱まった」とし「国内政治不確実性の長期化、米関税政策の懸念などで小幅逆成長の可能性もある」とした。ところが問題は、今年1~3月期はまだトランプ関税関連の影響は本格化していない時点だという点だ。また、インド、ニュージーランドなど主要国の中央銀行は米関税賦課で景気が影響を受けることに対応して、先制的に金利を下げているが、為替レート防御に縛られた韓銀は金利を容易に調整できずにいる。

今月に入ってインド中央銀行が基準金利を年6.25%から6%に下げ、ニュージーランド中央銀行も基準金利を年3.75%から3.5%に下げた。フィリピン中央銀行も年5.75%から5.5%に基準金利を引き下げた。ジュ・ウォン現代経済研究所室長は、「今年0%台の成長見通しまで出てくる状況で、韓銀が4月金利を下げることができなかったことで、すでに景気浮揚策のタイミングを逃したという懸念がある」とし「ウォン・ドル為替レート不安や家計債務の増加より、すでに始まった景気低迷が、経済にとってもっと負担になる」と述べた(朝鮮日報)・・>>




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。