最近、韓国の国債(記事でいうのは主に国庫債券)が好調だそうです。利回りの下落率(国債価格が上がると利回りは下がりますので)が日本国債より低い、とのことでして。日本が0.16%p下がり、韓国が0.19%p下がりました。他にも外国からの資本が国債をこうにゅうしている、とのことです。売れているならめでたいことですが、それだけなら本ブログでエントリーする理由もないでしょう。ソウル経済(22日)の記事によると、その外国資本ってのが、中国資本ではないのか、という見方が、債券市場関係者たちから提起されています。
昨日は米中貿易交渉が思ったより楽観していいのではないか、な見方が広がって、米国株式市場が大幅に反騰、債券市場も多少は安定できたそうで、なによりです。ただ、つい昨日までは米国株が下がっているのに債券も下がる(株式市場が下落すると、普通は安全資産とされる米国債が上がるものですが)、さらにドルも下がる、いわゆるトリプル安でした。そして、関税90日間猶予の話がでた理由の一つが、債券価格の下落(利子として支払うべき分が増える)だった、という見解も出ています。その際、米国の債券を大幅に売ったのが、中国だとも、日本だとも言われています。ただ、日本が売ったからだと言っても、中国側は全然売ってないとか、そういうわけではありません。
メインがどちらだったかはわかりませんが、両方、結構売っていた可能性が高いでしょう。その際に米国債券を大量に処分した中国資本が、韓国の国債を買い集めているのではないか、そんな話です。韓国の株式市場では、8ヶ月連続で外国からの投資資金が純流出しています。リーマン・ブラザーズ事態などがあった2008年以来、最長記録だそうです。その投資資金が、債券に移動した可能性もあるにはありますが・・債券市場の関係者たちがなんの根拠もなくこんな話をするはずもなく。この時点で国債関連となると、やはり気になる部分です。ちなみに、韓国の関税交渉チームが訪米し、日本時間で24日の21時あたりに交渉会談が始まるそうです。多くのメディアが期待しているように、トランプ大統領が直接迎えてくれるのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・韓国国庫債券市場が、全世界の金融市場の不確実性の中でも超強勢を示している。通常、グローバル危機の兆候が現れれば外人資金が脱出し、国庫債金利が急騰(債権価格下落)したのとは、逆の現象だ。専門家たちは、5月金利引き下げ期待感にウォン安評価などが重なって、外国からの買いが集まったと見ているが、一部では、中国系機関資金が国庫債を爆買いしているのではないかという分析も出ている。グローバル債券市場によると、韓国国庫債の10年物金利は4月初めに年2.808%から22日に2.621%(午後終値基準)で約0.19%ポイント下がった。
米中関税対立が本格化した後、売り注文があふれ、今月に入って10年物国債金利が0.26%ポイント以上上昇した米国と正反対の流れを示した。金利下落幅も日本(マイナス0.16%ポイント)、フランス(マイナス0.16%ポイント)、イギリス(マイナス0.06%ポイント)など主要先進国よりはるかに大きい・・・・これは外国資本が最近になって国内国庫債の現物や先物を購入しているからだ。韓国銀行によると、今月に入って21日まで外国資本が純買収した3年満期の国債先物は17万9735契約だ。
1月(4万7493契約)、2月(2万469契約)よりそれぞれ4倍、8倍ほど多い。 10年満期の国債先物も今月だけで6万6525契約純買収し2月(2万6843契約)をはるかに上回った。国庫債を含む国内債券現物純買収金額は△1月2兆2105億ウォン△2月5兆6742億ウォン△3月12兆4414億ウォンと毎月増えており、今月にも10兆3670億ウォンに達する。まだ4月が8日ほど残っているという点を考慮すると、3月の数値を超えるとみられる。
専門家らは景気鈍化で韓国銀行が金利を引き下げるという期待感が作用したうえ、ウォンの価値反騰に賭けた結果だと分析する。ユヨンサン韓国投資証券研究員は「外国系機関が米ドル化表示資金をリバランスする過程で韓国債権が受益を見ている」とし「主要国のうち韓国の政府負債比率が相対的に低いうえ、米国の関税政策に金利引き下げで積極的に対応するという期待がかみ合った影響」と話した。最近、政府が追加経済予算編成を発表したが、ホームプラス事態(※韓国の大手ショッピングモールの破綻)などの影響で、国内債券供給が例年に比べて萎縮し、まだ物量負担が少ないのも影響を及ぼしたという評価だ。
市場では、米国債を売却した中国系機関資金が韓国国債を買い入れているのではないかという分析も出ている。債券市場のある関係者は「外国人の債券投資は地域別・国籍別のタグを付けていないため追跡することは難しい」としながらも「ただし、最近外国人買収税流入の相当部門が中国系資本の影響だという話が聞こえてきている」と伝えた(ソウル経済)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。