米韓の1次関税協議、複数のメディア「トランプ大統領は参加しなかった」・・参加しないのが普通でしょう

加藤財務大臣がベッセント米国財務長官と会談しました。案をまとめて、今月末にまた別の会談を行うという話もあるようですが、さすがに短い期間で具体的な話まで決まるかどうかはわかりません。一部の海外メディアが報じた「合意することに合意しました」な形の暫定合意だけして、細部事項はこれから時間をかけて決めていくやり方になるかもしれません。現状がすでに「良い」という単語とは似合わないのも事実ですが、だからこそ、「その中での良い結果」を期待したいと思います。で、本題ですが・・昨日の夜、2+2(財務+通商)の形で、米国と韓国の関税関連協議も行われました。23日にも書きましたが、公式に「協商(韓国で言う交渉の意味)」ではなく「協議」ということになっており、具体的な案を示すのではなく、どんなことが議題になるのかを確かめる協議だった、とされています。

一つ面白かったのが、複数のメディアが「トランプ大統領はサプライズ登場するのか」に注目していたことです。日本との交渉の場に、急に登場したから、でしょうか。10時間前に急に決まったという話もありますが、1時間近く赤沢再生相と話したとのことで、いまトランプ大統領が1時間も「急に」決めたとはちょっと思えません。最初から参加するつもりで、わざと急な登場を演出したのはないか、そんな気もします。知りませんけど。これは日本側からすると、「歓迎」「優待」などの見方もできます。しかし、かなり負担になるのも事実です。しかし、複数の韓国メディアがこの件を「韓国との会談でもトランプ大統領がサプライズ登場する可能性が高い」としながら、ものすごく期待感を込めて報じていました。結論から書きますと、米韓関税協議にトランプ大統領は参加しませんでした。




 

で、その会談・・協議の内容ですが、先も書きましたがどちらかというと『お互いの関心事を示し合う』といった場のはずで、会談のあとに韓国側の参加者たちも似たようなニュアンスで話しましたが・・ベッセント財務長官が、「早ければ来週にでも(なにかの形で)合意できる」と話しました。各メディアは「えっ?」な反応で、この発言がなにを意味するのかについて、多くの記事が出ています。ただ、今朝になってからのニュース、韓国経済ニューシースなどを見てみると、「7月」に何かの合意を目指すことにした、とのことです。なんか、会談での話と、先のベッセント長官の話が、合わない気もします。7月、いま猶予中の関税(相互関税など)が再開される前に、合意を目指すということです。具体的な話はまだ聞こえてきませんが、韓国側が「防衛費関連の話はまったくなかった」と発表しているのがちょっと気になります。なかったはずがない・・と思いますが、なかったとしても「まったく」とわざわざ言う必要があったのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・韓国と米国政府関係者たちが24日(現地時間)米国ワシントンDCで会い、米国が今月初めに行った相互関税(25%)関連協議を進行した。先週、日本との交渉の場にサプライズ登場したドナルド・トランプ米大統領はこの日、韓国との協議には現れなかった・・・・この日午前、協議場所が財務省の建物として確定した瞬間から、トランプ大統領の不参加は確定的だった。16日、日本関税交渉にトランプ大統領が登場した時は、場所がホワイトハウスに変更された。ある大使館関係者は「トランプ大統領が出席する場合、警護上の理由でホワイトハウスで会議を進めなければならない」とし「財務省の建物でやると場所が決定されたこと自体が、トランプ大統領の不参加を意味する」と説明した。当時日本交渉団はトランプ大統領とホワイトハウスで面談後、ベサント長官などと後続協議を続けていたが、韓国とは1時間10分ほどの面談が全部だったわけだ(韓国経済)・・>>




 

<<・・チェサンモク経済副首相兼企画財政部長官は25日、トランプ関税政策関連初の高位級会談の韓米「2+2通商協議(Trade Consultation)」を終え、「7月パッケージ(July Package)」は7月8日まで(関税が)猶予されているので、その時を目標に、用意するという意味」と明らかにした。米国が今回の協議から持ち出すと予想された在韓米軍駐留費用と関連して、「防衛費への言及は全くなかった。じっくり国益を最優先して協議を進める」と強調した。チェサンモク副首相は24日午後(現地時間)米国ワシントンD.C.で韓米2+2通商協議を終えた後、駐米韓国大使館で進行した記者懇談会を通じてこのように話した。

副首相とアンドックン産業通商資源部長官はこの日午前に進行されたトランプ関税政策関連初の高位級会談である韓米2+2通商協議で、猶予期間中の関税廃止を目的とした7月パッケージ準備を推進するために韓米間の共感を導き出せたと述べた。チェ副首相は「韓国側は相​​互関税猶予が終了する7月8日以前まで関税廃止を目的とした「ジュライパッケージ(July Package)」を設けることと、両側の関心事である「関税・非関税措置」、「経済安全保障」、「投資協力」、「通貨(為替)政策」など4つの分野を中心説明した。アンドクグン長官は7月パッケージに対して「様々な非関税問題やデジタル問題など多くが提起されているが7月8日まで何を協議するか範囲を定めたもの」とし「90日間相互関税が猶予されている期間があり、それまで協議をするのが交渉の目標値だ」とした(イーデイリー)・・>>

 




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