4月24日にも書きましたが、マイナス成長の件が大きく報じられています。韓国の1~3月期実質GDPが前期比でマイナス0.2%となりました。去年4~6月期マイナス0.2%、7~9月期0.1%、10~12月期0.06%成長でした。一時は「韓国は4%、中国は8%以上の成長が必要」と言われる時期もありましたが、もう低成長時代が来たのを認める(それに合わせる政策を用意する)必要があるのではないか、そんな気もします。公約関連を見ていると、どれも壮大なものばかりですが。ニュース1、朝鮮日報(BIZ)、聯合ニュースTVなど多くのメディアが関連ニュースを報じています。そんな中、株式市場でも妙な記録が続出していて、外国人投資家の売り越し金額(今月、25日まで)と、売り越し期間(9ヶ月連続)が、いままでで2番目となる、とのことでして。最高記録は、それぞれ新型コロナのときとリーマンショックのときです。
また、ウォンが人民元の「代理通貨(原文ママ)」になっていて、ドル安にもかかわらず、ウォン安になっているという話も出ています。ここでいう代理通貨とは、いわゆるプロキシ(proxy)通貨のことです。ネット検索結果の引用ですが、「ある資産(例えば、為替リスクをヘッジしたい通貨)と類似した別の資産(例えば、プロキシ通貨)を代わりに取引することで、リスクを軽減したり、効率的に取引を進めたりするための仕組み」とのことです。簡単に言えば、『連動している』ということでしょう。朝鮮日報4月9日の記事などからも同じ表現が確認できます。「人民元の価値が落ち、ウォンもこれに同調して弱気を見せた。通常ウォンは人民元と同じ方向に動いて人民元のプロキシ(proxy・代理)通貨と呼ばれる」、などです。いつもプロ棋士に変換されて困ります。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・米国トランプ2期政権発足100日を迎えたところだが、韓国経済が低成長・輸出減少・通貨安などパーフェクトストーム(複合的なピンチ)に置かれた。特に、8年前のトランプ1期よりもはるかに速く、はっきりした影響がが確認されている。トランプ2期は韓国経済が成長動力を失い、頂点を撮って鈍化するピークコリア現象と時期的に重なった。これに、昨年トランプ当選直前だけでも2%近くだった今年の経済成長率の見通しは、半年で0%台に垂直下落した・・・・トランプ2期発足後、為替レートも揺れた。ドル・ウォン為替レートは先月から今月、1470ウォンを超え、グローバル金融危機以後15年ぶりの通貨安更新した。以後、予想を上回った高強度相互関税計画で米国内の景気低迷の懸念が深まると、ドル価値は弱気になり、為替レートは1430ウォン台まで動いた。しかし、米国と主要国間の交渉が相互関税猶予期限まで順調に進行されるか未知数であるため、下半期の為替レートの追加上昇に対する警戒心は持続している。
特に、人民元の代理通貨として認識されるウォンは、グローバルではドル安の環境でも、米中交渉の推移に応じて追加の通貨安圧力を受ける可能性があるという懸念が提起される。為替レートの不安は、国内景気対応を困難にする核心問題と評価される。景気不振に対応する代表的な政策手段は金利引き下げと拡張財政であるが、最近のようにトランプ大統領の言葉一つ一つに各国の為替レートが動き出す変動性の強い局面では、金融安定の懸念が大きくなり、基準金利引き下げが難しくなる。パク・サンヒョンiM証券研究員は「4~6月期もマイナス成長の可能性がないとは言えない」とし、「韓銀が基準金利を下げているが、為替レートと家計ローンのせいで、先制的な金利引き下げに乗り出せず、追加経済予算に代弁される政府景気浮揚策の空白も問題だ」と見た(ニュース1)・・>>
<<・・今日(26日)韓国取引所によると、今月1日から25日まで外国人投資家は有価証券市場(KOSPI)で9兆7,938億ウォンを純売り(※売り越し)した。残りの3取引日の間の取引で反転がなければ、外国人投資家は9ヶ月連続売り越しを見せ、月間売り越し規模では2位になる可能性が高くなりました。現在、外国人投資家のコスピ月間売り越し額1位は、新型コロナが発生した直後の2020年3月記録した12兆5,550億ウォンです。売り越し期間でも2位記録になっています。外国人投資家の最長売り越し期間は、グローバル金融危機が発生した2007年6月から2008年4月までの11ヶ月です・・
・・(※去年7月から売り越し傾向が始まってから今回の調査時点までの)この期間、外国人投資家の累積売り越し額は38兆9,354億ウォンに達し、このうち24兆4,349億ウォンがサムスン電子に集中しました。同期間、2兆888億ウォンの売り越し規模を見せ、2位に集計された現代車の12倍に近い規模です。56.48%だったサムスン電子の外国人株式保有率は現在50%で、去る2月には50%線下に下がりました(聯合ニュースTV)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。