共に民主党、いわゆる「為人設法」再び・・最高裁判事全員弾劾主張まで

韓国では李在明候補の差し戻し審、韓悳洙(ハンドクス)国務総理の無所属出馬、金文洙(キムムンス)前雇用部長官が国民の力の大統領候補に選ばれたことなど、6月3日の大統領選挙に向かっておおきな政治関連ニュースが相次いでいます。野党「共に民主党」が、李候補を守るために妙な法案を発議しているからです。聯合ニュース(2日)によると、大統領になれば、その人に関する裁判は停止するという法案を発議が相次ぎました。すなわち、一つではありません。また、毎日経済(2日)によると、最高裁の判事10人全員を弾劾するという主張まで出ている、とのことでして。そんな中、またもや「為人設法」という言葉が出ています。

もともとは、「為人設官」という言葉があります。優秀な能力を持つ個人に合わせて官職を設けるべきだとする話ですが、なぜか韓国では「必要のない官職を、特定の人のために作る」という意味になっています(オリジナルを確認していないので、どちらの認識がオリジナルに近いのかはわかりません)。そこから、「為人設法」、すなわち個人のために法律を作るという言葉が見られるようになりました。確かに、いままでそのような流れが何度もありましたから、そう言いたくもなるでしょう。今回の共に民主党の対応が、まさにそういうパターンです。金文洙候補と韓悳洙候補で、保守側の票が分裂されることはないのか。そして、今回の差し戻し審が、李候補の支持率にどんな影響を及ぼすのか。支持率が下がるのか、それとも、逆に野党支持層が団結する結果になるのか。大統領選挙まであと1ヶ月(6月3日)です。以下、<<~>>で引用してみます。




 

<<・・共に民主党では2日、大統領当選の時に、それまで進行中だった刑事裁判を停止させる内容の法案発議が相次いだ。キムヨンミン議員は、大統領に当選した人に対しては在職期間、刑事裁判手続を停止させる内容の刑事訴訟法改正案を代表発議した。キムテヨン、ミンヒョンベ、イヨンウ議員も、大統領になった場合、その任期中にはすべての公判手続きを停止させる刑訴法改正案をそれぞれ代表発議した。大統領は内乱または外患誘致罪の場合以外では、在職中刑事上訴追を受けないという憲法上「不訴追特権」があり、それを現在進行中の裁判にまで適用されるように明確にするという趣旨だ。

これは、共に民主党の李在明(イジェミョン)大統領候補が当選した場合、それに対する5つの裁判を停止させるための意図だ。最高裁判所が李候補に無罪を宣告した公職選挙法2審判決を破棄・差し戻ししたことに対する対応のためだ・・・・国会には、公職選挙法上虚偽事実公表罪そのもの(※今回の裁判で問題になっている部分)を削除する内容の法案まで発議された状態だ・・・・法改正がなされれば、虚偽事実公表容疑に対して有罪趣旨で差し戻しされた李候補は、免訴(法条項廃止で処罰することができない)判決を受けることができる(聯合ニュース)・・>>




 

<<・・「李候補を守れ」為人設法の共に民主党、最高裁判事10人弾劾主張まで」(題)。大統領選挙の勝利を確信し、中道支持を集める政策に出ていた共に民主党が、180度変わった・・・・1日、チェ・サンモク前経済副首相兼企画財政部長官に対して深夜弾劾を試みたのに続き、2日には最高裁判所判決を「大統領選挙への介入」と規定し、関連法改正と大法官(※最高裁判事)弾劾訴追圧迫に乗り出した・・・・また、最高裁を内乱勢力に同調する集団と規定することで、支持層を結集させるという意図も敷かれたものと見られる。共に民主党は最高裁叩きにも本格着手した。ミンヒョンベ議員が発議した裁判所組織法改正案には、大法官のうち3分の1以上を判事・検事出身ではない人で構成する案が盛り込まれた。

また、大法官候補推薦委員を10人から15人に増やし、法曹界出身が全体委員の半分を超えないようにした。大法官候補推薦委員は法曹界出資の男性で構成されているため、保守側の人が大法官に抜擢されることが多いという認識だ。党の一部では、チョヒデ大法院長など今回に差し戻し意見を出した大法官10人を全員弾劾しようという主張まで出ている。キムミンソク共に民主党最高委員はこの日、社会関係網サービス(SNS)に「内乱代行ハンドクス、チェサンモクが辞退した」とし「チョ・ヒデ(※大法院長)も辞退することになるだろう。結局、国民が勝つ」と書いた。ジョンジンウク共に民主党議員は「10人の司法クーデター大法官を弾劾しなければならない」とした。ただし、こういう強硬基調については懸念の声も少なくない。前日、チェサンモク前副首相の弾劾推進をめぐっても、(※共に民主党の党内でも)異見が少なくなかったという。このような状況で大法官弾劾を言及すること自体が、共に民主党の「保身のための暴走」と見られる可能性が高いという認識が存在する(毎日経済)・・>>




 

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