前にも「脱中国した資金が日本に向かっている」という記事を複数のメディアが載せていたりしましたが・・先月あたりから、また似たような記事が増えてきました。ちなみに韓国の株式市場は、今月になって外国人投資家たちが「買い」傾向になったそうですが、先月までは8ヶ月か9ヶ月連続で「売り越し」状態でした。債券は売れていたけど、それを買っているのが中国ではないのか、そんな話もありました。そういう背景だから、でしょうか。とても静かな声での「うわあぁ」記事かもしれない・・そんな気がしなくもない、今日この頃です。ニュース1(12日)、イーデイリー(4月10日)の記事で、株式、債券などで日本を買う外国からの投資資金流入が大幅に増えており、中には外国の外貨保有高資金の流入も見られる、とのことです。外貨保有高や年金基金関連の資金による投資は、基本的に長期投資になると言われています。日本ではあまり話題にならない日本の話、以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・日本株式と債券に対する外国人投資家たちの買い入れ規模が、月間8兆円を突破して最大記録になった。ドナルド・トランプ米大統領の関税政策に対する不確実性により、最大級の投資金が日本株式と債券市場に流入したのだ。外国人は中期・長期債券4兆5371億円、株式と投資ファンド3兆6759億円を買い越しした・・・・(※日経新聞のインタビューを引用するとして)三井住友トラスト資産運用の稲留克俊首席戦略家は、「トランプ大統領の政策が一貫せず、米国市場が混乱している中で、安全資産である日本に対する関心が高まった」と話した。各国の外貨準備金運用先として日本国債に対する好みが高まったという意見もある・・・・長谷川直也首席債権戦略家は「買収の勢いが普段は見られない規模に拡大したことを勘案すれば、外貨保有高関連資金が流入したと推定できる」と新聞に語った(ニュース1)・・>>
<<・・今年の日本投資業界の雰囲気は、さらにり良いだろうという見通しが高い。ドライパウダー(使い切っていない投資資金)が蓄積されているため、世界的にM&A市場に影響を与える地政学的変化がない限り、今年が記録的な一年になるという期待が出ている。日本の投資業界が活気を見いだした背景として「グローバル資金の流入」が挙げられる。日本国内の累積外国人直接投資(FDI)は数年間、着実に右肩上がりである。日本貿易振興機構(JETRO)は2023年、日本累積FDIが50兆5000億円に達したと発表し、「これは日本GDPの約8.5%に達する」と明らかにした。
特に米国と台湾の投資家の流入が日本のFDI増加に力を与えたことが分かった。一例として、米国の主要半導体会社マイクロンテクノロジーは広島工場を人工知能(AI)用の次世代半導体メモリ高帯域幅メモリ(HBM)生産基地にするために投資した。また、台湾主要半導体メーカーTSMCが日本熊本県2工場を建設した。半導体プロジェクトに加えて、米国とシンガポール企業のデータセンター建設投資がFDI流入を牽引している。現地で出会った元野村証券役員は、「株式投資で外国資金流入が昨年かなり増加したが、日本の株式が他国と比較してかなり低評価されており、為替レートが通貨安になったおかげだ」と分析した。彼は引き続き「不動産やIT関連企業にも大規模な投資が行われている」と付け加えた・・
・・スタートアップ関連でもグローバル資金が大挙流入している。スタートアップ情報提供業者のスピダが集計したデータを見ると、昨年海外VC(※ベンチャーキャピタル)が日本のスタートアップに投資した金額は608億円水準だ。これは前年の406億円に比べ約1.5倍増えた数値だ。グローバル投資家たちはこれまで保守的な態度で現地事業に留まっていた日本企業が海外に進出して事業を拡大する場合、成長潜在力が大きいと見ており、積極的に投資に乗り出したのだ。金利も低く、ファンド資金調達が容易だという点もある。
日本は地政学的リスクで相対的に自由だという点も、グローバル投資・運用会社の注目を集めた要因だ。中国に投資しにくくなったグローバル投資家が視線を向けたのが、インド、タイ、インドネシア、日本だ。日本IB業界の関係者は「中国では、たとえ投資しても回収できないというリスクが存在し、事実上、アジアで中国投資は止まった状態だ」と話した・・・・このような雰囲気の中、日本政府は来る2030年までに累積FDIを100兆円まで増やすと目標を立てた(イーデイリー)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。