米国、韓国側に為替レートを指摘?・・昨日の円高の動きにも影響か

以下、一部、昨日(14日)の円高の影響についての話が出てきますが、個人的に「一因」だと思っています。それ以外の要因のほうが大きいのではないか、と。トレーダーズ・ウェブの記事によると、「(※ドル安円高の動きの一因として)米韓通商交渉で為替について協議したことが韓国企画財政部の報道官によって伝わったことで、日米交渉に置いても為替について議論されるのではとの思惑が浮上している模様」、と。以下の内容は、「米韓関税協議がうまくいかないでいるからこんな話が出てくるのでは」「ちゃんと内容が報じられないからこんなことになる」などの類の話になるのではないか・・個人的には、そんな気がします。

で、どういうことかといいますと、昨日、ウォンも大いに通貨高のほうに動きましたが、その理由として、「今月5日、関税協議においての何かの合意の条件として、米国側が、韓国側に為替レートを指摘した(ウォン通貨高、ドル安の方への)可能性」というニュースが流れました。よって、日本との協議でも米国側は同じ要求をした可能性がある、ということで円高に動いた、という話です。ソース記事は聯合ニュースです。先も書きましたが、「それ以外の要因(ドルが売られている)」が大きいのではないかと思われますが、米国側が協議の非公開内容として為替レートを議題にした可能性なら、確かにあります。もちろん日本との協議においても米国側が同じ話をした可能性もあるでしょう。

 




でも、日本との会談においては「そんな議題はなかった」という話がはっきり出ていますが、韓国側との協議においてはあったのかどうかはっきりしていません。そもそも、日本は基準金利を上げている状態で、韓国は少しずつ下げている状態ですから、一緒にするというのも妙な話です。前にも取り上げたことがありますが、日本に比べて協議内容がほとんど伝えられず、この点を問題とする記事も出ています。今回の件も、今月5日の会談のことが今になってニュースになっています。5月7日にもお伝えしましたが、そもそも韓国側は大統領選挙などを理由に「関税交渉の事実上の延期、および特別待遇」を米国側に要請していますし、いろいろうまくすすまないでいる、そんな雰囲気です。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・ウォン/ドル為替レートが14日午後、夜間取引で急激に下落し(※ウォン高のほうに動き)、一時的に1,400ウォン台を下回った。この日ソウル外国為替市場で米国ドル対比ウォン為替レートは午後5時20分現在前日週間取引終値より16.0ウォン下げた1,400.0ウォンだ。この日午後3時30分に1,420.2ウォンで週間取引を終えた後、横歩し午後4時52分頃に下落傾向に転換し、午後5時6分には1,396.5ウォンまで急落した。主要6カ国の通貨に対するドル価値を表すドルインデックスも午後3時30分100.869から午後5時8分100.422まで大きく下落した・・・・ある市中銀行関係者は、「韓国と米国当局者が外国為替市場運営関連対面議論を進めたというニュースが伝わり、ドル売りが出たものと見られる」と伝えた。

 




米国のウォン引き上げ要求があるだろうという一部市場観測が需給に反映されたということだ。夜間取引の時は流動性が少なく、価格変動幅が大きく現れる傾向もある。ブルームバーグ通信はこの日、匿名の情報筋を引用して、チェジヨン企画財政部次官補とロバート・カプロス米国財務省次官補が、5日、イタリアミラノで会って外国為替市場運営原則に関する相互理解を共有し、今後議論を持続することに合意したと報道した。市場の一部では、韓米間の為替交渉が合意段階に達したのではないかという観測も出ているが、現実的にはそのような期待はまだまだ早いという見方が優勢だ。

外国為替当局の関係者は「今年4月、米国ワシントンDCで行われた韓米間「2+2通常協議」以後、実務級水下協議が続いた状況で、ミラノのアジア開発銀行(ADB)年次総会をきっかけに対面接触がなされただけのもの」と、合意観測には線を引いた。チェジヨン次官補は韓日中及びASEAN+3(韓日中)財務長官・中央銀行総裁会議、第58次ADB年次総会に首席代表として参加した(聯合ニュース)・・>>

 




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