シェシェーシェシェシェ(謎のOP)。さて、いよいよ明後日(29日)から期日前投票が始まる、韓国大統領選挙。保守系の候補二人、与党国民の力の金文洙(キムムンス)候補と、改革新党の李俊錫(イジュンソク)候補が支持率を上げている、というニュースが話題になっています。ただ、イジュンソク候補は「国民の力」の代表だった頃に尹錫悦(ユンソンニョル)さんといろいろ対立したことがあり、いまのところキムムンス候補との単一化には応じないとしています。「キムムンス候補が選挙から降りれば、自動的に単一化できるじゃないか」と話した、とのことです。
28日からは、選挙が終わるまで世論調査などのデータが公開できなくなるので、メディアのデータ記事は今日発表されるものが最後になる可能性もあります。そんな中、ちょうど今朝、中央日報(韓国ギャラップ社の調査)と東亜日報(リサーチアンドリサーチ調査、ソース記事は)が行った支持率調査データが公開されたので、合わせて紹介します。結構支持率が上がったのは事実ですが、まだ誤差範囲外で野党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)候補がリードしている、とのことです。もし保守側が単一化したらどうなるのか、最近話題の大統領任期関連の改憲はどう思われているのか(任期を短くして、重任を可能にするなど)。そういう内容もあります。ちなみに、中央日報と東亜日報はどちらも保守寄りのメディアとされます。以下、<<~>>が引用部分となります。
<<・・6月3日大統領選挙が候補3人の構図で行われた場合、共に民主党のイジェミョン候補を支持するという回答が45.9%で、国民の力キムムンス候補(34.4%)を誤差範囲外の11.5%ポイント上回ることが分かった。改革新党イジュンソク候補は11.3%で、2桁の支持率を見せた。26日、東亜日報が大統領選挙を控えてリサーチアンドリサーチに依頼した世論調査結果、「明日が投票日なら誰が大統領になるのが一番良いと思うか」という質問に、イジェミョン候補45.9%、キムムンス候補34.4%、イジュンソク候補11.3%と答えた。5日前にチャンネルAがリサーチアンドリサーチに依頼した調査では、イジェミョン候補は44.6%、キムムンス候補34.4%、イジュンソク候補9.0%だった。
大統領選挙に影響を与える最大の変数としては、34.1%がキムムンス候補とイジュンソク候補の間の単一化を挙げた。続いて、ユン前大統領夫人関連の疑惑が18.9%、候補者たちの政策と公約が14.8%、TV討論11.7%などが続いた。ただ、キムムンス候補とイ・ジュンソク候補が単一化し、「両者構図」で大統領選挙が行われた場合でも、イジェミョン候補は両候補をそれぞれ誤差範囲外で上回ることが分かった。イジェミョン候補とキムムンス候補と両者構図の時はイジェミョン候補50.0%・キムムンス候補41.6%、イジュンソク候補の場合でも、イジェミョン候補49.3%・イジュンソク候補34.9%だった。単一化に適した候補としては、キムムンス候補が45.4%、イジュンソク候補が25.9%だった・・・・大統領任期への改憲が必要だという回答(61.8%)は必要ない(31.7%)という回答より2倍近く高かった(東亜日報)・・>>
ここからは中央日報のデータですが(似たような内容でデータだけ異なるので、引用はしません)、候補3人構図の場合、イジェミョン候補49%・キムムンス候補が35%・イジュンソク候補が11%でした。今月初め(5月3~4日)の同じ(中央日報・韓国ギャラップ)調査のときと比べると、イジェミョン候補は変化なし、キムムンス候補とイジュンソク候補はそれぞれ2%pずつ支持率が上がっています。記事はこれを「保守層が結集する傾向ではあるが、1位と2位候補の支持率差は大して変わっていない」としています。単一化を仮定しての調査でも、イジェミョン候補53%・キムムンス候補42%、イジェミョン候補51%・イジュンソク候補40%でした。
記事は、「誰が候補になっても、イジェミョン候補が過半数を得ると同時に、その差も2桁になる結果」としています。中道とされる層の支持率だけで見てみると、(候補3人構図の場合)イジェミョン候補はなんと57%。中道とされる人たちの間で意外と人気が高いことがわかります。キムムンス候補はガクッと下がって26%、イジュンソク候補は12%でした。なにを基準にして中道としているのかはわかりませんが、中道層でここまで支持が高いとは以外です。また、ソウル、京畿道などもっとも重要とされる「首都圏」を含め、大邱・釜山・蔚山・慶尚北道など伝統的に保守側が強いとされる地域以外では、すべてイジェミョン候補が1位だそうです。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。