韓国大統領選挙、保守系の候補単一化(一本化)は事実上 不発か・・明日から期日前投票

さて、いよいよ世論調査データの公開も終わり、明日から期日前投票が始まる、韓国大統領選挙。6月3日の夕方あたりには出口調査結果が、4日の朝早くには結果がわかるでしょう。昨日の朝にお伝えした通り、保守側の金文洙(キムムンス)候補、李俊錫(イジュンソク)候補が支持率を上げてきましたが、最大野党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)候補にはまだ及ばないでいる、そんなところです。そこで、いつものことではありますが、保守側の候補を単一化(一本化)することが注目されていました。支持率的に、なんとかキムムンス候補に一本化できれば、という意見が多かったですが・・期日前投票が明日からなので、SBS(27日)などは、事実上、28日がタイムリミットではないのかと指摘していました。ちなみに、在外投票はすでに始まっています。

期日前投票が始まったあとにも、一本化はできます。できますけど、期日前投票比率が30%以上ですが、そこで「辞退した候補」への票はすべて無効になります。SBSはこれを「一本化の効果そのものが大幅に弱くなる」としています。というか、在外投票もそうですが、票が無効になるなんて大きな問題でしょう。それに、昨日、イジュンソク候補は「非常戒厳に責任のある勢力(尹前大統領と、与党「国民の力」)とは一本化できない」「最後まで完走する」「キムムンス候補では勝てない」などを話し、事実上、候補一本化には応じないと宣言しました。マネートゥデイなどは記事の題で「事実上、霧散」としています。国民の力も一本化はもう考えず、3人構図としての選挙戦略を固めた、とも。いまから固めたというのもどうかとは思いますが。以下、<<~>>で引用してみます。前半の記事(SBS)が27日、後半の記事(マネートゥデイ)が28日ですので、一本化関連情報は後半が最新のものになります。




<<・・6月3日本投票前日までは、単一化をするができます。ところが、事前投票(※29日から)の後に単一化が行われるならば、事前投票で辞退した候補に入れられた票は全て無効票になるため、単一化効果が事実上、すごく大きく、下がると見なければなりません。そのため、事前投票が始まる明後日(29日)の朝6時が、タイムリミットだとされています・・・・共に民主党は今、大きく3つを気にしています。まず、世論調査公表ができなくなる前まで、だから今日(※27日)まで行われた大統領選挙候補支持率調査結果と、キムムンス、イジュンソク候補の単一化の有無、そして、候補の終盤遊説状況です。

保守側候補単一化の場合、現実化の可能性に備えながらも、「内乱側単一化」としながら牽制しています。多くの世論調査で、誤差範囲外でリードしているだけに、支持率維持と反騰のために最大限の中道支持を確保することに力を注いでいます。共に民主党の選挙対策委員会関係者の話によると、「今は得点するよりも、失点を防ぐために集中しなければならない時だ」とのことです・・

 




・・国民の力は、ゴールデンクロス、逆転劇を期待しています。今日の体国民アピールでもそうでしたが、イジェミョン候補のリスクを強調する、そのようなメッセージを繰り返して出しており、キムムンス候補のことで、キム・ムンスは清廉で有能だ、こんなふうに対比させることで中道層の支持を得ようとしています。改革新党(※イジュンソク候補の党)は、共に民主党と国民の力の両方を批判しています。そして、若い代案勢力としてのイメージを出しています。尹錫悦前大統領弾劾に反対した勢力に加わったキムムンス候補では、李在明候補に勝つことができない、という主張です(SBS)・・>>

 

<<・・6月3日大統領選挙を1週間控えた27日、イジュンソク改革新党候補が、キムムンス国民の力候補との単一化しない立場を再確認し、国民の力も3者構図での勝利を誓った。イジュンソク候補はこの日午後、国会で緊急記者会見を開き、「非常戒厳に責任がある勢力での候補単一化は、今回の選挙では無い」とし、「最後まで戦い、そして勝つ」と繰り返し、完走を宣言した。イジュンソク候補は、キムムンス候補に辞退を要求し、「李在明に勝てる方法(※イジュンソク候補は、キムムンス候補が辞退し、自分に候補一本化すれば選挙で保守側が勝てると主張してきました)があるにもかかわらず、その判断ができなかった責任はキムムンスにあるとしかいえない」と繰り返した・・

・・期日前投票が始まる29日の前に、イジュンソク候補とキムムンス候補の電撃単一化合意を期待する見方がかなりあったが、その期待は急速に薄れつつある(マネートゥデイ)・・>> 今日の更新はこれだけです。次の更新は、明日(29日)の11時頃になります。

 




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