韓国では、21代大統領選挙が進行中です。13時時点で62.1%(期日前投票分も含めて)だそうで、今回も75~80%の間の投票率になるのではないか、と予想されています。期日前投票のときにすでにいろいろと騒ぎがあって、尹前大統領支持者の一部は早くも選挙結果が受け入れられないと宣言したりしていたので、大丈夫かこれと思いましたが、思ったよりは順調に進んでいます。個人的に「受け」がよかったのは、期日前投票のとき、投票用紙を受け取って並んでいた人たちが、待ち時間が長くなるとそのまま(用紙を持ったまま)近くの食堂でご飯を食べてきたこと、です。
今回の選挙でもっとも重視されていることは、「社会分裂を統合すること」です。重視はされているのになぜか毎回出てきて、毎回「もっとも重要」とされ、その次の選挙ではまた「今度こそ、もっとも重要」と言われることでもあります。統合というのはアイデンティティーと衝突するからではないのか、と私は個人的に見ています。二択のうち、「どちらか」に強く傾くことが、自分自身のアイデンティティーもどきと化して、もう久しいですから。言い換えれば、どちらかに与して、もう片方の側を評価下げすることが、「自分の良さ(良くない側と対立しているから、良いに決まっている)」のようになってしまっています。統合と言っても、それは相手側に「自分側の言う通りにしてほしい」とするだけのこと。
日韓関係でもよく見られる風景ですが、それが国内にも適用されているわけです。あくまで「自分なりの一般論」ではありますが・・そんな集団では、統合は重要だとされながらも、実際に統合されることはないでしょう。で、今回また、保守側の分裂にかかわりそうな話がありました。国民の力の選挙対策委員長(この時期だと、事実的に政党のリーダーになります)キムヨンテ議員が、『尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾に反対するとしてきた党論(党議のことを韓国では党論と言います)』を取り下げると話して、党内の「親尹」派議員たちが反発しています。アジア経済(2日)などが報じています。国民の力の大統領候補であるキムムンスさんも、親尹派とされています。そのイメージが支持率を下げる一因だと見てのことだと思われますが、事前に党内での話し合いなどを経ていないのでしょうか。
このこと、もしキム候補が勝っても敗けても、あとで結構大きな問題になるのではないか、と思われます。短い期間だったとはいえ、韓国で大統領をしていた人を中心に構成された派閥。いくら国民の力が大きな政党で、いまは親尹派の力が対外的に弱くなっているとはいっても、彼らの影響力そのものが消えたわけではありません。さて、選挙の後、この件はまたどうして収拾するつもりなのか、気になるところです。
それでは、いったんここまでにして、出口調査結果と、そして、今日の深夜には結果が出るだろうということなので、そのときにまた追記していきたいと思います。出口調査結果は20時から発表ですが、20時を少し過ぎた時点で発表されます。書く時間も必要なので、20時10分~20時半といったところでしょうか。深夜あたりの最終結果というのも、さらに遅れる可能性、明日の朝にならないと分からないという展開もありえます(深夜あたりに、なにか短い追記はするつもりです)。そういう部分、ご理解ください。それでは、また後ほど。
ここから更新部分となります。 出口調査結果が発表されました。最近、韓国でも出口調査結果(地上波放送局3社のもの)が当たるようになってきましたが、前に派手に外したこともあります。あくまで出口調査結果ですので、深夜の追記(予定)なども参考にしてください。出口調査結果は、当選は「共に民主党」の李在明(イジェミョン)候補です。%で見てみると、李在明候補51.7%、2位「国民の力」の金文洙(キムムンス)候補が39.3%でした。3位李俊錫(イジュンソク)候補は7.7%。それでは、1次追記はここまでです。
そして、ここからが、23時50分頃の追記になります。地上波放送社(KBS、MBC、SBS)が、李在明候補を「当選確実」と報じました。ほぼ、決まったと見ていいでしょう。今日の更新はここまでになります。個人的に、年齢別の投票データなどに興味があるので、明日になったら自分なりに調べてみたいと思います。今日1日、遅くまでありがとうございました。また明日11時頃に更新します。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。