李在明大統領の「韓国版エヌビディア」公約、別名「ジェムビディア」・・「国が70%、国民が30%所有すれば、税金に頼らない国にできる」

3月、李在明候補(当時は大統領候補でした)が、韓国版エヌビディアという公約を掲げました。要約しますと、エヌビディア「級」の企業を作り上げて、その持ち分の7割を国が、3割を国民が持つ形にするなら、税金に頼らない国を作ることもできる、という内容です。彼の公約については本ブログでもいくつか紹介しましたが、彼の公約のなかで最初に発表されたものが、半導体関連公約です。彼の初めての公約が大企業中心の半導体関連のものだったとは、ちょっと驚きです。公約に具体的に韓国版エヌビディアの話が書いてあるわけではありませんが、「K・ファブレス・バレー」を作るという話は出てきます。ここでいう大規模ファブレス企業団地を、韓国版エヌビディアのことだとする声もあります。

なんにせよ、韓国版エヌビディアで税金無しを目指すとなると、インパクトが強いですから。この件は大きな話題となり、一部では「ジェムビディア」という名で呼ばれたりもしました。ちなみに、李候補は朝鮮半島を「U」の字で走る、再生エネルギー発電及び送電ネットワークを作るという公約も出しており、ジェムビディアの電力もそれで用意する、という話も出ています。エヌビディアのジェンスン・ファンさんは、原発がないと半導体事業の電力を補うことは難しいと話したことがあり、同じ「ビディア」(?)でもこういう部分は別の路線になっています。




で、そんな中、米国側がまた半導体補助金について「そうですねー出すとは言ったんですけどねーHAHAHA困ったなどうしようかなー」なスタンスだそうで(意訳)、それを気にしたのか、中央日報が「第1公約はどうなるのか」「韓国版エヌビディアはどうなるのか」という記事を載せました。個人的に、どうなるもなにも尹錫悦大統領の「600兆ウォン(財源は民間が出すけど)大規模半導体メガコロニー」構想も最近は聞かなくなりましたし、あんな大規模エネルギー施設なんて任期中に無理でしょう。また、ジェムビディではなく半導体公約全般に関するものですが、ノーカットニュース(5月29日)の記事によると、これは2022年の総選挙のときに共に民主党が出した公約をほぼそのまま(記事は「90%」としています)書き写したものだ、とのことでして。

2022年の総選挙で共に民主党は大勝利しました。個人的に、尹政権の運命はその選挙結果でほぼ決まっていたのではないか、そう思っています。本当に半導体産業育成とか、なんとかびでぃあをやる気があるなら、2022年から今まで、「弾劾関連案の10分の1くらいは」関連案件が動いたはずですが・・あまり聞いたはずがありません。スタートからクライマックスな話題、ジェムビディア。韓国版エヌビディアになるのか、安米経中でシェシェビディアになるのか、「すみませんなんでもありませんでしたびでぃあ」になるのか。早くも注目案件の登場です。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・「李在明大統領の「1号公約」半導体、韓国版エヌビディア育成にスピードは出るか」(※題)・・4日、イジェミョン大統領の任期が始まった中、大統領選挙「1号公約」だった半導体産業支援の拡大に関心が集まっている。李大統領はこの日の就任演説を通じても、「人工知能(AI)・半導体など先端技術産業に対する大々的な投資と支援で未来を主導する産業強国に跳躍する」と約束した。李在明大統領の大統領選挙政策公約集には、数十ページにわたって半導体産業と関連した公約が登場する。李大統領は半導体産業環境の全般にわたる支援を約束した。代表的には、ファブレス(設計企業)育成がある。板橋(※パンギョ、李大統領が市長だった城南ソンナム市にある街)地域に「Kファブレスバレー」を造成し、NVIDIAのようなグローバル水準の半導体設計企業を育てるという公約だ(中央日報、引用部分以外は「再生エネルギーでは電力需給の問題があるという内容です)・・>>

 

<<・・(※2025年5月)28日に公開された共に民主党のイジェミョン、国民の力のキムムンス候補の大統領選挙公約を見ると、両者とも半導体産業に対する育成意志を明らかにしている。イ・ジェミョン候補は、「総合半導体産業環境のハブ構築のためのシステム半導体及び先端パッケージングの支援の強化」、「半導体など国家先端戦略産業の国家均衡発展の寄与強化」、「RE100半導体クラスター造成での輸出、産業競争力の向上」、「ファブレス、先端パッケージング及び素材・部品・装備企業など総合半導体産業環境強化など・・・・両候補とも半導体産業支援を約束したが、共通して、公約の具体性は弱い。「支援拡大」、「支援強化」、「積極的対応」、「迅速支援」などの表現を使ってはいるものの、具体的に何を目標にして、いつまで、どのくらいの予算を投入して支援するということなのか、そしてその予算はどのように調達するというのか、などの具体的な内容が含まれていない。

李候補の半導体公約は、2022年総選挙での共に民主党の公約の大部分を、文章も変えずにそのまま持ってきた。第22代総選挙(※2022年総選挙)共に民主党政策公約集と、第20代大統領選挙(※2025年)の共に民主党の公約集、半導体公約関連部分を見てみると・・・・主要公約を90%以上、表現までそのまま同じだ(ノーカットニュース)・・>>




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。