李在明大統領の公約の中には、「李在明バージョンのバッドバンク」があります。グーグルAIさんによると「金融危機時や金融機関の経営不振時に、不良債権を整理するために設立される資産管理会社」です。簡単に言えば、返せないでいる債務の一部を帳消しにしたり、さらに延長したり、そうするための機関のことです。いままではなかったのかと言いますと、そうでもありません。実は結構な金額を国が「なかったこと」にしています。似たような役割の機関は今までもありましたが、その機能を集結させるという趣旨のようです。朝鮮日報など多数のメディアが指摘しているのは、約50兆ウォン(約5兆円)規模とされる、新型コロナ債務の満期が、3ヶ月後に来ます。
いままでは、といっても時期的に文在寅政権~尹錫悦政権の頃になりますが、無理して満期延長したり、または「銀行と直接話して」という曖昧な政策でなんとかしてきましたが、その際に延長した分が、また3ヶ月後に満期が来るわけです。今回のバッドバンク政策は、そのためのものだと思われます。韓国の自営業者債務はすごいことになっていますので、新型コロナ関連だけでもないでしょうけど。記事によると、「誠実に返済してきた人たちの反発が予想される」とのことですが・・このフレーズももうずいぶん前から聞きました。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・新型コロナ事態による債務を積極的に蕩減(※帳消し)すると公約した李在名大統領が就任し、金融当局が本格的にコロナ関連ローンの蕩減・調整方案を整えている。最近まで残っている50兆ウォンの自営業者・小商工人を対象にしたコロナローンの満期が、9月に到来するためだ。経済が新型コロナの危機は克服したが、影響を受けた自営業者はローンの返済が難しく、これまで、利子だけを出すように何度も融資満期を延長したが、2022年10月に3年間さらに延長した分のローンの満期が到来するわけだ。
イ・ジェミョン大統領は大統領選候補だった頃「(小商工人・自営業者の)債務調整から蕩減まで特段の対策を段階的に推進する」とした。これにより、新型コロナ債務に対する幅広く、迅速な、蕩感・調整がなされると見込まれるが、この過程で誠実に債務を返済していた人たちによる反発も予想され、少なくない鎮痛も予想される。新型コロナで影響を受けた自営業者・小商工人などに対する金融圏の融資は、2020年4月に始まった。当時、文在寅政権は、銀行などを通じて6ヶ月だけの時限措置として、50兆ウォン規模の小商工人緊急融資を実施した。だが、新型コロナが長期化したことなどで、政府は6カ月ずつ、満期を延長したり、返済を猶予したりして、融資規模も増えていった。2022年5月、尹錫悦政権になってからもローンの満期延長は続いた・・
・・金融会社側では、いま残っているコロナローンは、今まで以上に回収が難しい債務だと見ている。ある銀行関係者は、「いくら満期延長をしてやっても返済できなかったもので、満期をさらに延長しても、返済すべき利子だけが膨れ上がるだけだ」とし「もう返済できない分だと見ている」とした。現在残っている50兆ウォンに達する自営業者向け新型コロナローンは、一定部分は蕩減され、追加で満期延長などの措置がなされるものと見られる。李大統領が候補だった頃、新型コロナ当時に融資を受けた自営業者・小商工人の債務調整と蕩減を推進すると何度も公約したためだ。
コロナローンの場合、バッドバンクが、銀行側が保有している新型コロナ自営業者ローンを買収した後、これを処分し、これによる損失は政府財政などで補填するものとみられる。これには、財政だけでなく民間銀行などが出資する資金も投入される可能性が大きい。金融当局の関係者は「関連費用を、追加経済予算を通じて設けるか、銀行側に一定部分の分担を要求するか、などを検討している」と話した・・
・・ある銀行関係者は、「新型コロナ債務を返済できなくなったという多くの自営業者たちの立場も理解できないことはないが、これまで誠実に債務を返済してきた自営業者からするとどうだろうか」とし「論議を減らす精巧な政策を出さなければならないだろう」と話した。一方、銀行側は2023年、尹錫悦政権が銀行の社会的役割を強調したころで、「相生金融」の名目で2兆ウォンに近い資金を支援したが、それから2年ぶりに、新型コロナローン解決などのために、少なくない資金をまた出さなければならなくなったわけだ(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。