昨日も支持率関連のデータを紹介しましたが、他の調査なども含めて「これから経済は良くなる」という展望が急激に増えました。李在明大統領もこれからうまくやるだろうという見解が70%を超えているとか、そんな話も出ています。いうまでもありませんが、『まだ』なにも始まっていません。これは李政権の問題ではありません。そもそもまだ政策が発動されてもいないからです。肯定的な考えはいいことかもしれませんが、さすがに「KOSPI 5000も可能」という主張にはちょっと驚きました。いま2900です。政権への期待を込めて上がる現象は分かりますが。各メディアも似たような論調の記事を増やしていますが、ヘラルド経済が載せた「責任あるグローバル強国への跳躍~」(のための5つの対外政策)という記事を紹介します。5日、政権が始まった直後のもので、研究目的で設立されたユーニストという大学の教授が書いたものです。
中には、「任期中にG8になるために、日本と仲良くする必要がある」というものがありまして・・「あ、そういえばそういうことになっていたな」な気がして、この記事をチョイスしました。なんのことかと言いますと、いつぞやのG7・・日本の広島で開かれた時のことです。G7で日本が強く反対したという「書き方」のニュースが多く、いつのまにかそういうことになってしまいました。でも、実は、G7では「G7枠を拡大する(G8やG10など)ことは議論そのものがなかった」という話で、日本も、そして米国側も「そんな議論はそもそもなかった」としていました。今回の記事も、日本が反対しているから、その日本と仲良くすればG8になれるという趣旨のものです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・「1・ 韓米関税交渉」。これまで政府は、米国と日本の交渉を参照し、通貨政策、関税・非関税措置、経済安全保障、投資協力など4つの分野で交渉を準備した。今後の交渉方向は、国益優先及び実用主義、戦略的忍耐、米国の実質的目標の適合、国家レベルでの合意形成、互恵性と公正性の追求などだという・・・・「2・ G8(主要8カ国)加入」。韓国はインド、オーストラリアとともにこれまでG7(主要7カ国)首脳会議に招待された。G7会議には、米国、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダが加盟国として参加している。今のG7は世界経済を扱う重要なフォーラムとして、各国の異なる経済的地位を十分に反映していない。
さらに、加盟国の利益衝突、特定国家の利益優先、決定実行の難しさなどの問題点を如実に抱えている。短時間内に韓国がG7の拡張版であるG8~G10に加入することが難しいとしても、任期内加入を目指すべきである。この過程で国論を統一し、G7メンバーに向けた外交的接触と努力に最善を尽くさなければならない。このような状況でG7加入に最も強く反対していた日本と良い関係を維持する必要がある。これは韓国の国格を上げ、責任あるグローバル強国としての役割を果たすのに十分意味のある課題である・・
・・「3・グローバルサウス(Global South)との協力」。第3世界の新生国家が非同盟主義という中立主義を固守している。これらはグローバルサウスという名で呼ばれる開発途上国を指す概念として徐々に定着している。グローバルサウスは自国利益を確保するために西欧強大国、中国、ロシアなどから抜け出して戦略的バランスを取ろうとする。米国と中国が彼らの立場を代弁しないとしながら、国際秩序で自分の声を反映させるために努力している。新政権は、これらの国との協力案を具体化し、適切に実現することが重要だと思われる・・・・「4・南北関係の改善」。北朝鮮は米国と中国との対立の中、その価値が上昇した。ロシア・ウクライナ自体の受益を得た。このような状況で北朝鮮の非核化の目標は維持されなければならないが、ただ、南北間の軍事的緊張を緩和し、平和の雰囲気を造成することがさらに重要な時期ではないだろうか
「5・中国、日本など主要国との原則」・・・・韓中日首脳会談を通じて東アジア地域の緊密な協力チャネルを強固にしなければならないだろう。現在のグローバル強国は様々な問題に直面している。これらの問題は、国際的な関係と協力だけでなく、各国の政策決定に大きな影響を与えています。昨年3月、米国の有力メディア「ユーエスニュース&ワールドレポート」が86国家に対する順位を付けた。強力な国と良い国などが基準だった。強力な国は他の国に影響を与え、世界が関心を持って信頼する国のことだ。この基準で大韓民国は堂々と世界6位だった。米国、中国、ロシア、ドイツ、イギリスのすぐ次の順位だった。新しい政権は、共感できる対外経済政策を通じて国民の幸福レベルを高めなければならない。それが政治経済学の基本だ。このような流れで、大韓民国国民、共同体の平和と安寧と発展、利益が最も基本ではないかと思う(ヘラルド経済)・・>>
「強力な国」ネタ、久しぶりに見ました。去年のものは分かりませんが一昨年、これ結構話題になっていました。「USNews&Worldreport」というメディアが、『世界でもっとも強力な(Powerがある)』国のランキングを発表したけど、韓国が6位だった、日本が8位だったという内容で、1週間も同じ内容の記事が様々なメディアから上がってきて、本ブログでも2023年に取り上げたことがあります。これ、実は、「世界最高(Best)の国」というランキング(USNWRの原文ページ)の項目の一つです。総合順位だと、日本が6位、韓国は20位でした。いまページを再確認すると、データが更新されていて、総合順位で日本が2位、韓国が18位です。
韓国が8位、日本が6位(今も同じ順位)だった「パワー」は、経済的影響力、輸出、政治的影響力、国際同盟、軍事力、指導者などで評価されるそうですが、米国が1位なのはともかく、中国が2位、ロシアが3位であることからもわかりますが、軍事力が高く関わっている項目です。当時、ほぼ唯一、総合順位も報じていた聯合ニュースの記事によると、「パワー」でも、日本は別に評価が低いわけではありません。たとえば日本の場合、「経済的影響力」が100点満点で95.4点だったりします。しかし、軍事力で25.3点になり、パワーで8位になりました。このネタ書いてからもう2年以上経ちます。各メディアも、この件はあまり報じなくなっています・・が、まさかまた出てくるとは思いませんでした(笑)。明日は1日休みをいただきます。次の更新は、15日(日曜)の11時頃です。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。