4月8日、当時大統領権限代行だった韓悳洙（ハンドクス）国務総理とドナルド・トランプ大統領が電話会談したことがあります。当時、トランプ大統領が「大統領選挙に出るのか」と聞いたということが話題になったりしました。ですが、今日のハンギョレ新聞の報道によると、当時トランプ大統領が韓悳洙総理に「あなたが大統領適任者」と話した、とのことです。「挨拶だったのでは」な気もしますが、韓国では大きなニュースになっていて、各大手ポータルサイトで「多く見られたニュース」1位になっていたり、それぞれ1000件～1700件を超えるコメントが付いています。そもそもここまで大きな話題になるようなことか、というのが疑問ですが・・
李在明大統領との電話会談についても、他の大統領より遅かったこと、電話会談後のホワイトハウス側の対応などについて、韓国メディアはまだまだ「なんでこんなに冷淡なんだ」という反応を示しています。ひょっとすると、今回の記事もそういう類のものかもしれません。それとも、「やはり米国は右派支持です」ということをはっきりしたかったのでしょうか。というか、すでに別の人が大統領になっているのに、こんな内容がニュースになったこと自体、トランプ大統領としては結構気まずいことではないでしょうか。記事を読んでみると、アラスカLNG開発プロジェクト参加などを話しながら韓悳洙総理は「（関税交渉を）できる限り早く進める」としたそうですが、そのあと関税交渉はほとんど進まず、そのまま大統領選挙に出馬すると言って総理辞めましたが、結局は「国民の力」党の候補になれず、そのまま終わりでした。以下、＜＜～＞＞で引用してみます。
＜＜・・第21代大統領選挙日を8週間前に控えていた4月8日、ドナルド・トランプ米大統領が韓悳洙当時大統領権限代行・国務総理との首脳通話で、権限代行の大統領選出意向を問うだけでなく、「(あなたが)大統領に適任者」と話した事実が追加で確認された。権限代行はアラスカのガス事業に韓国の参加を約束し、「交渉が早い結果を出すことができるように覚悟をしている」と話し、トランプ大統領が満足する反応を見せたという。当時の通話状況を知る政府の複数の関係者たちの話を総合すれば、トランプ大統領は4月8日、首脳通話でハン権限代行に大統領選挙出馬意向を尋ねた後、自身はハン権限代行について非常に良い評価を聞いているという徳談を交わした。
するとハン権限代行は「与党側から多くの要請と圧力を受けているが、まだ決定をしていない」とし、自身にはトランプ大統領が持っている勇気と忍耐が足りないと答えた。するとトランプ大統領は「あなたが大統領に適任者だと思う。何をしても幸運と共にあってほしい」とし、ハン権限代行をおだてた。通貨が行われた時点は、国民の力の大統領候補競選（※政党の公式候補を決めるための党内選挙、最終的にはキムムンスさんが候補になりました）を一週間ほど控えて、党内で「ハンドクスが出るべきだ」という主張が本格化した時点だ。通話の二日後、中央日報が「関連事情に精通した情報筋」の話として、トランプ大統領がハン権限代行に大統領選挙出馬意向を直接尋ねたという内容を報道し、この主張はさらに勢いがついた（ハンギョレ新聞）・・＞＞
繰り返しになりますが、こういうのが大きな話題になること自体、お互いに「反応が不自然」と言えるのかもしれません。シェシェ発言などもあるし、その分、「気にしている」、またはトランプ大統領と相性がよくないという「若干の自覚はある」といったところでしょうか。あ、そして、李政権ですが、早くも民生首席（大統領秘書の一人）が、各種不正疑惑で辞任しました。任命から8日ぶりです。
国務総理候補で、この前本ブログで「河野太郎議員のマブダチ」と紹介したキム・ミンソク議員も、前に違法政治資金の件で関わっていた人からまたお金を借りて、しかもまだ返していないことで（事実上の政治資金ではないのか、などと）総理任命があやしくなってきました。なぜか韓国では「左派は清廉潔白」「庶民の見方」などのイメージがありますが、実はこういうのは右も左もまったく変わりません。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。＜THE NEW KOREA（ザ・ニューコリア）＞という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊（2025年3月2日）＜THE NEW KOREA＞です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、＜自民党と韓国＞です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、＜Z世代の闇＞も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。