暑くなったうわあぁぁ・・なところですが、ここにまたホットな話がありました。5日に紹介した「韓国版エヌビディアのような企業を作って、国は7割、国民が3割(持分など)持てば、税金のない国ができる」という構想、いわゆる「ジェムビディア」構想が、なんと具体化されてきました。中央日報などが「第1公約である韓国版エヌビディアはどうなるのか」と記事を載せるなど、国内で話題にはなっているようですが・・なんか、ファンドの話になりました。ちなみに、前回(5日)にも紹介しましたが、共に民主党の半導体関連公約が、2022年の総選挙のときに共に民主党が出した公約をほぼそのまま(記事は「90%」としています)書き写したものだ、との指摘もあります。
そんな、どっかの関税政策よりも不確実な話に見えますが・・中身を見てみると、国民から金を集めて、100兆ウォン規模の国民ファンドを設立し、それでエヌビディアやTSMCのような企業を育成していくというものです。毎日経済(17日)の題のままですが、しばらく見ないうちにTSMCも追加されていてちょっと笑ってしまいました。今までの発言からすると、このファンドで国民は豊かになる、まぁそんなところかもしれませんが・・これなら、日本の新ニーサのように投資を奨励する政策のほうが、もっと選択の幅が広がるのではないでしょうか。
というか、新しく資金が集まるというより、似たような企業の株価が下がるだけではないでしょうか。特に、以下の引用の最後の部分とか、「大企業は国が所有する」とした、臨時政府の綱領を見ているようだ・・と思うのは、ちょっと考えすぎでしょうか。結果良ければなんとやらですが、次に政権交代したらこのファンドはまたどうなるのか、そんなところも気になります。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・イ・ジェミョン大統領の大統領選挙公約である100兆ウォン国民ファンドを造成し、不動産に過度に集められた資本の循環を誘導する新成長戦略案が、国政企画委員会で迅速に具体化するものと見られる。国民ファンドは人工知能(AI)・半導体・バイオなど先端戦略産業に100兆ウォンを集中投資し、その果実を国民と共有するという構想が盛り込まれた。国政企画委は17日、最初の運営委員会を開き、分科別政策課題について議論を進めた。まず「国政ビジョン」、「組織改編」、「国政運営5カ年計画」、「財政計画」、「租税・財政改革」5つの分野については、迅速にタスクフォース(TF)を構成するという方針だ。この日の運営委会議では、既存政策の他にも重要な経済・社会問題を議論するTF構成も検討することにした。
ジョスンレ国定企画委報道官は、「業務報告と公約検討を通じて主要内容を分類し、深く議論できるように分科別TFを構成する予定」とし「例えば、あらゆる規制に対して政府の規制による制度設計に関連したTFが必要になる」と説明した。国政企画委は、李大統領金融改革の核心構想の一つである国民ファンド造成議論にスピードを上げる見通しだ。イハンジュ国政企画委員長はこの日、自身が院長である民主研究院を通じて「大韓民国の本物の成長案内書」を公開し、規制・金融・行政・教育の4分野の改革課題を提示した。そのうちの「金融改革」分野で、報告書は「金融資金が地代追求(※rent seeking、企業や個人が、市場での競争ではなく、規制の変更、特権行使などを通じて利益を得ようとする行為)から、生産的で包容的な部門に流れるよう改革を推進する」と説明した。
不動産に過度に集まっている資金を、中小ベンチャーなど生産的部門に誘導し、国民ファンドを通じて先端戦略産業を支えていくということだ。李大統領はこれを通じて不動産に過度に集められた民間資金を米国NVIDIAや台湾TSMCのような企業を育てることができる生産的な分野に好循環させ、新成長動力を設け、国民の租税負担も軽減できると期待している。同時に、不動産による家計債務管理を総括できるコントロールタワーの構築も検討する方針だ(※この側面、個人的な見解ではありますが、家計債務を清算して別の投資に回せる資金を持っている人ならともかく、そうでない人たちの場合、不動産価格が下ることで、その家を担保に金を借りた分などの自転車超操業に影響を受けるのではないでしょうか?)。
委員長はこの日公開された別の報告書で、基本社会を実現するための戦略として社会連帯経済を提示した。委員長は「社会的企業、協同組合、町企業などはすべて経済的弱者を保護し、不平等を緩和し、公正な分配と地域社会の活性化に寄与し、人間らしい生活を保障する重要な経済的装置」とし「社会連帯経済を活性化して回復と成長の核心戦略とし、基本社会を実現するため積極的に支援していく」と話した(毎日経済)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。