韓国、専門家会議で「米軍が台湾問題に介入しても、私たちにそれを手伝う義務はない」

李在明政権になって、支持率は50%~60%だと言われています。しかし、その流れは尹錫悦政権でも同じでした。今からだとまるで別世界の話のようですが、尹政権も、スタート直後には順調で、地方選挙でも保守側が勝利しました。もちろん、皆さんもご存知の通り、その後には順調に(?)支持率が下って、2024年の総選挙で逆転はおろか議席の差を縮めることができず、それがずっと影を落とすことになります。その前回の総選挙は朴槿恵大統領の弾劾の影響が残ったまま行われたものなので、2024年の選挙では保守側が結構議席を取り戻すだろうと予想されていました。

そう考えると、来年の地方選挙はともかく、それ以降・・共に民主党としてはなんとか改憲まで踏み込みたいところでしょうけど、そこまでやるには、いまの支持率では心細いとしか言えません。ちなみに、国会議員選挙は2028年にあります。その結果が、次に政権交代があるのかどうかを決めることになるでしょう。そんな状況なので、いまの李政権は、国内での事業(例の100兆ウォン国民ファンドとか)ならともかく、北朝鮮関連でなにか強烈な政策を推進するには、力が足りないのではないか。そんな気もします。しかし、基本路線が変わるとも思えないし、最近ビラとか拡声器とかさっそく止めたし、これから何か対北朝鮮関連の政策を、多分、宥和系の政策を打ち出すことになるでしょう。どうしても日本、米国、中国との関係にも影響することになるでしょうから、どこまで『実用』なのか、気になるところでもあります。




そんな中、昨日、韓国では南北関係についての専門家会議が開かれました。中でも特に気になるのが、「北朝鮮が核を持っていても、それを使わないような関係を作ればいいじゃない」という意見です。この意見は、「北朝鮮から何かのギブ・アンド・テイクを期待するアプローチはやめたほうがいい」という話で始まります。これは確かにそうでしょう。いままでもそうでしたから。韓国としては「ギブアンドギブ」で、北朝鮮としては「テイクアンドテイク」、またはテイクアンド「クラッシュ」(確か、連絡事務所とかこのパターンでした)でした。ただ、

そこから、『核問題を解決するのではなく、核を使うことが無いように、良い関係を維持すればいい』という結論になっているから、不思議なものです。ソース記事は聯合ニュース(18日)です。個人的に、なぜこれが気になるのかといいますと、「中国にも台湾にもシェシェすればいい」「(台湾問題が)私たちと何の関係があるのか」とした李大統領の考えと、どこか似ているように見えるからです。シェシェしていれば、問題ということでしょうか。セイユーセイミーじゃなく、シェシェユーシェシェミーとか。実際、記事本文(専門家の意見)には、台湾関連で米軍が介入しても、「私たちにそれを手伝う義務はない」という内容もあります。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・南北関係に進展がなくても、朝鮮半島の平和が可能な構造を作る必要があるという専門家の提言が出た。キムドンヨプ北朝鮮大学院大学軍事安保教授は18日ソウル・・・・で開かれた「615共同宣言」25周年シンポジウムで、「相互主義で北朝鮮に仮定と期待を持って接近しなくても、(北朝鮮が)応じなかった場合、代替できる手段がない」と話した。北朝鮮が「二つの国家論」にこだわっており、南北対話に出る可能性が低くなったという現実を受け入れ、代案を模索しなければならないという意味だと解釈される。キム教授は「非核化ではなく、核の『不用化』に転換しなければならない」とし「北核が存在しても使用できず、使用する必要もない構造と環境を設計しなければならない」とも主張した。

続いて「軍事的側面で国防費増額は明らかに平和のじゃまになる。国防とは、国民のための平和基盤にならなければならない」と全数調査を通じて国防費を現実化する必要があると助言した(※ここ、何がいいたいのかよく分かりませんが、あくまで記事本文の内容だけだと、世論調査などで国防費用を既存より下げるべきだとしているようです)。イサムスン ハンリム大名誉教授は「私たちが放棄してはならない原則は韓米同盟、在韓米軍の韓国専守防衛の原則である」と主張した。続いて「台湾や南シナ海などで米国が介入する軍事行動を、韓国軍が助けるべき軍事的義務はない」とし「自ら中立的な平和地帯に転換し、核武装を控える条件で米・日・中・ロとの関係を新たに経営して活用しなければ平和体制構築に進めるヴィジョンを作り、実践できるようにならなければならない」と提言した(聯合ニュース)・・>>




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。