韓国メディア「盧武鉉政権こそ南北関係の黄金期だった」・・当時のメンバーが再登場

まず、一つ前の話、蕩減(タンガム、全額または部分的な帳消し)の話、続報があったのお伝えします。9日にお伝えした「バッドバンク(債務調整のための機関)」関連で、一つ前の話と重複する部分もありますが、とりあえず124万人、22兆6千億ウォン規模の債務減免を行う、とのことでして。一つ前のエントリーで書いた「5千万ウォン以下、7年延滞」の場合、全額を帳消し。小商工人(自営業者など)の場合、担保なしの債務を1億ウォンまで90%以上減免する、とのことです。小商工人の話って、一つ前のファイナンシャルニュースの記事には記述がありませんでした。重複する分もありますが、なんかすごい勢いだな、と感動(?)しました、と・・タンガムが言っています。

ここから本題ですが・・盧武鉉政権で南北関係を主導していた中心メンバーたちが、李在明政権で再び登用されつつあります。「盧武鉉政権は、南北関係の黄金期だった」としながら、そのメンバーが再び活躍できるようになった、と韓国日報(19日)が報じています。ここ、そこまで左というわけではありませんが・・政権が変わったからでしょうか。人事聴聞会などはまだですが、鄭東泳(チョンドンヨン)さんが統一部長官にほぼ確定した、という話があります。国家情報院長には李鍾奭(イジョンソク)さんが、これまた可能性が高い、とも。それぞれ、盧武鉉政権の2004年と2006年に統一部長官でした。当時の統一部長官だったというだけでも、もう説明は必要ないかもしれません。二人とも、日本に関していろいろと言ってきた人物でもあります。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・盧武鉉政権は南北関係の黄金期と呼ばれる。スポーツを含め、各分野で南北がアプローチを広げ、和解と平和の雰囲気を造成した。李在明政権の対北政策を主導する要職に、当時の核心メンバーが重用される見通しだ。信号弾は李鍾奭国家情報院長候補者だ。彼は2006年統一部長官を務め、南北交流を設計して先頭に立った・・・・対北政策の実質的な鍵を握った統一部長官には、やはり盧武鉉政権で統一部長官を務めた鄭東泳元長官が有力に取り上げられる。鄭元長官は南北交流基盤を大衆的に拡大させた象徴的人物として記録されている。開城工団発足準備、南北鉄道連結など可視的成果を上げた(韓国日報)・・>>

で、個人的に書きたかったのはここからですが・・鄭議員の場合は、日本、米国関連でかなり多くの発言をしてきた人です。テレビニュースとかに顔が出ることも多かったので、ご存知の方も多いでしょう。盧武鉉大統領が弾劾されたとき(憲法裁判所で認められず、復帰しました)、国会に座り込んでうわあぁ~と子どもみたいに泣いていたのがこの人です。本題に合わせて北朝鮮関連の発言を見てみますと、2019年3月2日中央日報の記事がいいかもしれません。同日、「米朝首脳会談の決裂の背後には日本がある(と思う)」と主張しました。安倍総理の主張が韓国右派とワシントンの強硬派たちと同じだから、というのが論拠です。該当部分だけちょっと引用してみます。




<<・・民主平和党の鄭東泳代表が、2次米朝首脳会談が決裂した背後として、日本を指摘した。米朝首脳会談前に日本の工作があったという疑いが提起されていたが、韓国政府は何も対応しなかったという主張だ。鄭代表は2日、自身のフェイスブックに「日本が怪しい」としながら、2次米朝首脳会談直後の日本の反応に注目した。彼は「ハノイ会談決裂の裏に日本の影が見え隠れする。世界の指導者たちのうち、ハノイ会談失敗に喜んでいる人は安倍首相1人だけだ」とした。続けて「安倍首相は昨年のシンガポール会談(※1次米朝首脳会談)後に、終戦宣言、制裁緩和、経済支援すべてにNOを主張した。この3つは韓国の保守勢力の主張と同じであるだけでなく、ハノイ会談失敗を意図したワシントン強硬派の考えとも同じものである」と説明した(中央日報)・・>>

次に李鍾奭さんですが、この人もかなりいろいろと発言がヒットしますが、個人的にもっとも印象に残っているのが、北朝鮮拉致問題関連で、「日本から横田めぐみさんのお父さんが訪韓した場合、彼と会う意向があるのか」という質問(※5月15日に訪韓予定でした)に、当時統一部長官だった李鍾奭長官が、「(横田めぐみさんのお父さんとは)会う予定もないし、会う必要もない」と話したことです(2006年5月3日ハンギョレ新聞)。また、同日のノーカットニュースによると、「日本は金正日委員長が告白、決断したことを過小評価している。この問題を外交ではなくキャンペーンで解決しようとしている」とも話しました。そして、北朝鮮拉致問題関連で日本自民党側が「韓国で統一部長官と会って協議する予定」と話したことで、「予定にもないことを勝手に言った」という理由で、面談を取り消しました(ソウル新聞2006年6月12日)。そういう話はしたくない、ということでしょう。どういう黄金なのか分かりませんが、一般的な意味での黄金には見えない、今日この頃です。 明日は1日休みをいただきます。次の更新は、22日(日曜日)の11時頃になります。それでは、短く引用して、終わりにします。

 

<<・・李長官は拉北者・国軍捕虜問題について、「今後は赤十字会談の議題としてこれらを取り上げず、当局間で協議していく」と、当局間の別途協議体構成方針を示した。彼は北朝鮮拉致問題で横田めぐみの父親が訪韓すれば会う意思があるのかという質問に、「そんな計画がなく、必要もないと思う」と答えた(ハンギョレ新聞)・・>>

<<・・李長官は、横田めぐみ拉致問題と関連して「日本の切迫性は十分に理解するが、金正日国防委員長が告白して決断をしたのに、その部分が日本内部で過小評価されているようだ」とし「拉致問題をキャンペーンで解決すべきか外交的に解決すべきか、よく分からない」と話した(ノーカットニュース)・・>>

<<・・日本の自民党拉致問題対策本部長(逢沢一郎幹事長代理)が9日、「12・13日に訪韓して韓国の統一・外交長官と「拉致問題」を協議する」と一方的に発表したことで、韓国側は面談計画自体を取り消すことにした。11日、統一部当局者は、「事前に合意されたことのない議題について議論すると一方的に発表したことを残念に思う」とし「この部分に対する明確な解明がない限り、やむを得ず面談をするわけにはいかない」と明らかにした(ソウル新聞)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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