昨日、石破総理「も」NATO首脳会議に参加しないというニュースがあって、ちょっとびっくりしました。記事によっては「韓国が参加しなくなったのも一因」という記述もありましたし・・オーストラリアも参加しないそうですし、各国それぞれ事情は異なるでしょうけど、日本は「参加する理由がないから参加しない」より、「参加しない理由がないから参加する」路線であってほしかったのも事実です。で、朝になったら、イランとイスラエルが停戦に合意したというニュースがあって、さらにびっくりしました。本当なら、とりあえずはよかったかもしれません。理由はどうであれ、民間人を巻き込む戦いはもうやめてほしいところです。で、またもや本題の前に話が長くなりましたが、21日朝鮮日報の記事が、「友好的な李在明大統領、和答した(親身になって答えた)石破総理」という記事を載せたので、紹介したいと思います。
引用する前にちょっとまとめますと、「李大統領は極めて友好的で、石破総理は最大級の誠意を見せている」、「中国牽制のためにアジア版NATOを作るには李大統領の協力が必ず必要だ(どちらもNATO首脳会議には参加しないそうですが、21日の記事なので)」、「石破総理はトランプ大統領とあまり親密な関係になれないでいるので、李大統領の協力が必要だ」、「もう親韓でも支持率が下がらなくなった。多くのマスコミも日韓関係が国益だと主張している」です。ちなみに、ここでまず不思議なのが、「李在明大統領がなにか友好的なことをしたのか?」という点です。リップサービスだけだった気がしますが。アジア版NATOは実現可能性がほとんどありません(「方向性」として推進するならわかりますが、そう考えると目新しい概念でもない)。
それに、中国牽制が前提になっていますが、「シェシェ」プレジデントとこんな話がどこまで実現できるのでしょうか。一人がシェシェしても効かなかった場合、二人でシェシェしてダブルシェシェキックでもするのでしょうか。また、トランプ大統領ですが、「じゃ、李在明大統領はトランプ大統領と仲が良いのか?」と問い返せば、それだけのことです。関税交渉において日韓で協力しようという話も、日本のほうが先行しているので、もうタイミング的に合いません。もし、交渉に入る前に、(たとえば尹政権が)日韓共同で対処しましょうと日韓で意見をまとめて、それで同時に米国と交渉に出たなら、それはそれで効果があったかもしれません。しかし、その頃はダンガイ祭りでした。
で、支持率ですが、東京都議会選挙があったばかりなので(これも時系列的に記事の後のことですが)支持率がどうとかいうこと自体、もう危機感しかないでしょう。数々の両国の懸念事項は、それはすべて韓国側が言い出したことであり、なにも解決できていません。そもそも、解決済みの問題を掘り返しただけなので、解決できるはずがないわけです。韓国側がまたなにか言い出せば、世論は一気に変わるでしょう。だれも「親しくするな」とは言っていません。「不当に譲るな」と言っているだけです。そんなところ、でしょうか。もう書くことは書いた気もしますが、以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・日本の東京で開催された駐日韓国大使館主催「日韓国交正常化記念レセプション」には日本の石破茂総理をはじめ内閣序列1-4位の官房長官、財務大臣、外務大臣などが出席し、また3人の元総理も同席した。さらに・・(※前例がないほど多くのハイレベルが参加した、という話のあとに)・・・・石破総理が韓国李在明政権に対し「最高レベルの誠意」を示し、日韓関係改善の強い意思を示した背景には、それなりの政治的決断があったとみられる。表向きは李在明大統領が今月初めの就任後、友好的なメッセージを出したことへの返事になるわけだが、実は安保、外交、さらには政権運営など石破総理の複雑な事情があったと考えられる。まず中国の影響力が日々高まる中、「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」を構想する石破総理にとって、「韓国はなくてはならないパートナー」という考えだ・・
石破総理は、安倍晋三元総理のように米国のトランプ大統領と親密な関係を築けていないことも、韓国に対して積極的に手を差し出している理由だと思われる。日本の各マスコミらは「個人的な関係を重視するトランプ大統領の復帰は日本の外交にとって『孤立』のアラートになった」と伝えた(※どこのメディアかなと思って検索してみましたがヒットせず、多数ヒットしたのは『米国の孤立主義』というフレーズでした)・・・・「親韓」の色を出しても支持率にさほど影響しなくなっていることも、影響しているようだ・・・・さらに読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、NHK、TBS、テレビ朝日など日本の大多数の大手メディアは「日韓関係改善は日本にとって国益」との論調を維持している(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。