12日にも、ドナルド大統領が北朝鮮への親書を用意したけど、渡すことができなかった(北側が応じなかった)という話のとき、運転者論について書いたことがあります。運転者論。もう懐かしい響きですが、米国と北朝鮮の間で仲介することにより、トランプ大統領と金正恩委員長を車に乗せて運転は文在寅大統領がやるという意味です。結果、トランプ側から「なんで聞いたのと話が異なるのか」とされ、米朝首脳会談は大した成果が出せず、2次で決裂となりました。ちなみに、当時、米国と北朝鮮の間で「特使」として活躍していた鄭義溶 (当時)国家安保室長は、いまはTHAAD関連の機密流出疑惑などで検察の調査を受けています。ちょっとうろ覚えですが、この人、確か日本にも経過報告のために来たことがあります。
そんな中、トランプ大統領がまた韓国側の運転者論に乗る可能性は高くないでしょう。表面的には良い話だな~しながらも、前回のような仲介外交を任せる形にはしないはずです。というか、最近のトランプ大統領はいろいろ課題が多すぎで、北朝鮮、朝鮮半島関連だと目立った政策が動いていないので、まだなんとも言えませんが・・前回の経験というものがありますから(笑)。で、12日にお伝えしたときにも、李在明政権がこの運転者論を再開するつもりではないのか、そんな話をしましたが・・アジア経済(24日)によると、なんと外交部長官候補者(大統領から指名済み)の趙顕(チョヒョン)候補が、まったく同じことを話しました。米朝会談で、平和を実現するというのです。
この人、文在寅政権のときにも、日本が米国側に間違った情報を与えたせいで、米国が日韓関係を懸念するようになったと国会で公言したことがあります。今回、もし(ほぼ間違いなく?)仲介外交がうまくいかないと、同じことを言うのでしょうか。手元に2019年2月15日聯合ニュースの記事があったので、ちょっと<<~>>で引用してみます。別にこの人に限られる話でもありません。今回、李世賢で重用される人たち、今までの日本関連発言とか調べてみると、いろいろヒットします。
<<・・趙顕外交部1次官は15日「日本が非常に多様に、自分たちの立場を歪曲して話すことが感知される。そこに積極的に、うまく対応していかなければならないと思われる」と明らかにした。趙次官は、国会で開かれた共に民主党朝鮮半島平和連席会議で「(訪米した際、米国側が)日韓関係を心配していると、私たちに強調する感じを受けた」と話す李海瓚(※当時)共に民主党代表の発言に対し、「私たちは、深く悩んでいるところだ」としながら、このように述べた。趙次官は「ただ、米国がこの問題について話すのは、北東アジアの安全保障に影響を与えないように管理してほしいという意味だ」とし「米国としては、介入しないという既存の立場を維持している」と説明した(2019年2月15日聯合ニュース)・・>>
<<・・趙顕外交部長官候補者は24日、「米朝の対話をうまく成し遂げて、朝鮮半島の平和を定着させるというのが李在明政権の外交・統一政策の優先順位」と話した。趙候補者はこの日の午前、ソウル鍾路区外交部庁舎付近に設けられた人事聴聞会準備事務所、出勤の途中に、取材陣と会って「(イ・ジェミョン)大統領の哲学に合わせて、米国または他の友好国たちと緊密に協力して、そのようなことを推進する上で問題が発生しないようにしていきたい」と述べた。外交部長官に指名された所感を尋ねる質問には、「国際情勢が非常に不安定な状況で、この任務を引き受けることになって、重大な責任を感じている」と話した。
李大統領とドナルド・トランプ米大統領の両者会談が、中東事態などの問題で、意図せず遅れている状況だ。李大統領が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議にも参加しないと決定し、多国間会議の舞台をきっかけにして米韓首脳会談を行うことは、しばらくは期待できなくなった。これについて、近いうちに李大統領が直接米国を訪問するという見通しも出ている。今までは通常、大韓民国大統領の就任以来の初の海外訪問国は、例外なく、米国だった。
趙候補者は、李在明大統領の防米計画についての質問に、「就任すれば米国から行かなければならないというような固定観念から、もう抜け出さなければならないと思う」としながらも、「自然にそうなるのではないかと思う」と話した(※ちょっと分かりづらいニュアンスだったので他の記事も読んでみましたが、『そうではあるが、自然と米国から訪問することになりそうだという意味です)」と話した。米韓両国間の最大懸案となる関税交渉については「李在明ら政権が標榜してきた政策方向である実用外交で、戦略をよく練って、落ち着いて、賢明に、静かにしていかなければならないだろう」と話した(アジア経済)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。