李在明大統領の支持率が、好調に推移しています。もう4週目の支持率調査(「リアルメーター」社)が出ましたが、少しずつ支持率を上げ、59.7%になりました。聯合ニュースTV(30日)などが報じています。調査機関によって異なる部分もあるものの、韓国で支持率が50%を超えているということは、十分すぎるほどの好調です。まだ何も政策が動いていないから、どちらかといえば「期待値」とも言えますが、さて、どうなるのでしょうか。ただ、ちょっと気になるのは、前任者が弾劾されて政権交代になった、シチュエーション的に同じの文在寅大統領に比べると、李大統領の支持率は心細い、という側面です。
これがなんで気になるのかと言いますと、主に北朝鮮関連でなにか印象的な(意味深)政策を進めるには、高い支持率が必要だからです。保守側が集結して来年の地方選挙に影響が出たりすると、それはせっかくの機会を失うことになりますから。いま「共に民主党」は国会で多数党ですが、自治体の長を決める「全国同時地方選挙」では、前回、保守側の勝利でした。いまだとちょっと信じられない結果ですが、当時は尹政権も勢いがありました。その後から支持率が下がり、総選挙(国会議員選挙)では左側が勝利しました。共に民主党、左側からすると、来年の全国同時地方選挙は、「国会」と「自治体」の両方を手に入れる、まさに夢のような状況を作るためのチャンスになります。
選挙後はまだなんとも言えませんが、その前までは、この支持率だとちょっと動きづらいのではないか・・そんな気もします。逆に言うと、シェイシェイ発言などは、どれだけ言っても支持率が下ったりしなかったので、そのような発言は増える可能性もあります。日本や米国に対する発言が、結果的には「日米陣営」への発言になるのと同じく、中国関連の発言もまた、結果的には「そっち側の陣営」に関する発言になるからです。ちなみに、国会議員選挙は2028年で、まだ時間がありますので、南北首脳会談とかそんな「文政権っぽい」動きを取るなら、来年の地方選挙が終わってから、2028年までの間になるのではないでしょうか。これもまた、当時の支持率にもよるでしょうけど。以下、<<~>>で引用してみます。また、同じ期間の尹錫悦大統領と文在寅大統領の支持率もまとめておきます。
<<・・イジェミョン大統領の就任後4週目の国政遂行(※一般的に国政遂行肯定評価が「支持率」として発表されます)を肯定的に評価した有権者が10人の6人まで上がったという世論調査の結果が、30日に出ました。リアルメーターが「エネルギー経済」の依頼で23日から27日まで・・・・2,511人を対象に調査した結果によると、李大統領の国政遂行に対して回答者の59.7%が「よくやっている」と答えました。これは先週に比べ0.4%P上がった数値です。「国政遂行がうまくできていない」という評価は0.1%P上がった33.6%となりました。「よく分からない」は6.8%でした。大統領国政遂行の評価を日間推移でみると、週後半に反騰する様相を見せました。
リアルメーターは「初めての追加経済予算案是正演説など、民生・経済中心の政策と果敢な人事、現場コミュニケーションなどが支持層結集に肯定的に作用した」とし「しかし、法司委など国会内の対立と人事、外交懸案、野党との政治的葛藤については思わしくないとする世論が広がった」と話しました。共に民主党の支持率は(※50.6%で)昨年12月3週目の50.3%以来、約6ヶ月ぶりに50%台に上がりました。国民の力は1.4%P下落した30.0%の支持率を見せました。改革新党は0.6%P下った4.3%、祖国革新党は0.7%P上がった3.6%の支持率をそれぞれ見せました(聯合ニュースTV)・・>>
で、ここから文在寅大統領と尹錫悦大統領の支持率(同じリアルメーター社のもの)ですが、就任してから1週目~5週目の調査結果を紹介します。文在寅大統領の場合は2017年5月3週目からの調査になりますが、なんと81.6%(支持しない10.1%)でした。5月4週目84.1%(10.0%)、5月5週目78.1%(14.2%)、6月1週目78.9%(14.7%)6月2週目75.6%(17.4%)。それから1年目は65%~75%あたりを推移することになります。尹錫悦大統領の場合は、2022年5月3週目52.1%(支持しない40.6%)、5月4週目54.1%(37.7%)、6月1週目52.1%(40.3%)、6月2週目48.0%(44.2%)6月3週目48.0%(45.4%)。それから1年目は29%~40%の支持率でした。人気最後となった3年目(2024年)の場合、9月末頃からずっと支持率は20%台でした。10月~11月あたりには22%まで下っており、なんだかんだでこれが戒厳令の直接的な理由だったかもしれません。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。