なるか、「李在明大統領9月訪中、習近平主席10月訪韓」・・中国、李在明大統領に「戦勝節」参席意思を打診

中国が、李在明大統領に、中国の戦勝記念日である「戦勝節」80周年記念式に参席するかどうかの意思を聞いてきた、というニュースがありました。他国の首脳を招待すること自体は珍しいことではありませんが、李大統領はシリョン(実用)シリョン(実用)しているし、シェシェすればいいともしていたし、どうなるのか各メディアが注目しています。聯合ニュースなど多くのメディアが記事を出しています。ちなみにここ、10年前に朴槿恵大統領が参加したあのイベントです。トランプ大統領も招待したとのことで、「トランプ大統領が参席するなら、李大統領も参加するのでは」という見解も出ています。参加したほうがいいという見解も結構出ていますが、前に朴槿恵大統領が参加したとき、これといって韓国側が得られたものがなかったということで、参加しても意味がないという見解も出ています。

前にも書きましたが、李大統領の主張する実用というのは、盧武鉉大統領の「均衡的実用外交」の延長線上にあるもので、結局は日米側から離れる(そもそも現時点がバランス的に公平ではないと考えているため、中国側に近づくことでバランスが取れると思っている)ことです。そう考えると、参席するのではないか、と見ることもできますが・・何度も書いていますが今、韓国与党「共に民主党」としては、来年の全国同時地方選挙で巻き返すためには(国会では多数党になっていますが、ソウル市長を含めて自治体の長を決める選挙では、劣勢のままです)、いま保守側が集結しそうな案件は、無理しない可能性もあります。そう考えると、トランプ大統領が参加するかどうかにかかっているとも言えるでしょう。




また一つ、ソース記事でもちょっとだけ触れていますが、この件、韓国が長年にかけて力を入れてきた、習近平主席の訪韓にも影響するかもしれません。戦勝節とやらは9月ですが、10月には韓国でAPEC会議が開かれます。前から、韓国でなにか多国間会議が開かれると、習主席が参加するかどうかが話題になってきました。中国側はこれを利用していて、何度も「それっぽい」ことは言ったものの、訪韓したことはありません。2023年中国の杭州で開かれたアジア競技大会の際、開幕式に参加するために訪中した韓国の国務総理に、習主席は「韓国まで飛行機でどれくらいかかりますか」と話しましたが、これがまた韓国では大きな話題になりました。

複数のメディアが「年内での訪韓はほぼ確実」などと報じていましたが、結局、訪韓はありませんでした。このように、中国は「なんかありそうに見せて、実は無い」スタンスを続けています。もし今回、李大統領が訪中すれば、その見返りとして、APECで習主席が訪韓してもらう・・そんなシナリオも可能です。実際に訪韓するかどうかまではわかりませんけど。個人的に、本当にトランプ大統領が訪中しないかぎり、可能性としては高くはない(でもそこまで低くもない)と思っていますが、はてさて、どうなるのでしょうか。「シリョン」か、それとも「知らん」か。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・中国が、いわゆる戦勝節に李在明大統領の出席意思を韓国側に打診したことが2日に分かった。外交消息筋によると、中国政府は最近、多くのきっかけに李大統領の前勝節に出席できるかどうか、外交チャネルを通じて韓国政府に問い合わせた。中国は海外首脳を大挙招請し、9月3日に軍事パレードを含めて80周年行事を盛大に開く計画だ。中国は社会主義国家はもちろん、西側国家首脳も招待リストに載せており、意思を打診しているようだ。最近、中国がドナルド・トランプ米大統領の招待方針を固めたという日本の共同通信の報道もあった。政府は、前の事例と韓中関係、韓米関係などを総合的に検討し、李在明大統領が参加するかどうかを決定すると予想される。

外交部の当局者は「多くの諸状況を見て検討しなければならない」とし「考慮すべきことが多い」と話した。政府は実用外交を掲げており、韓中関係管理に意志を示しているが、激化する米中競争の中で中国が対外的に軍事力を誇示する席に首脳が参加するのは、韓米同盟を基盤とする韓国外交に負担になる可能性があるからだ。特に、2015年、中国の70周年の戦勝節行事当時、西方指導者たちがボイコットした軍事パレードに朴槿恵元大統領が、自由主義陣営首脳の中では唯一参加して、後で問題になった点も考慮されると予想される。当時、朴元大統領は友好的な韓中関係を造成し、北朝鮮の核問題で中国の積極的な役割を引き出すために、米国など一部の思わしくない視線にもかかわらず、参加していた。

しかし、その後、北朝鮮の核実験など挑発局面でも中国の役割は目立たず、すぐに在韓米軍のTHAAD(高高度ミサイル防衛体制配置問題が浮上した。政府は、トランプ大統領が出席するのかの可能性に注視すると思われるが、米中の緊張が続く状況でトランプ大統領が先に北京に向かう可能性は高くないという見通しが多い。一部では、10月末、慶州で開かれるアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議に習近平主席の参加問題も、考慮する要因になる可能性があるという観測も出ている(聯合ニュース)・・>>




会員記事で恐縮ですが、西日本新聞に記事が載りました。ありがとうございます。

ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。