一つ前のエントリーにも少し書きましたが、実に多くの韓国メディアが「7月5日大地震」を報じました。日本の場合は関連記事のほとんどが「風潮」の分析、または「客観的なものではない」という内容でしたが、韓国メディアの場合、そうでもありませんでした。中には、「でも可能性はある」とする記事までありました。大地震などの可能性も「ある」し宇宙人とエンカウントする可能性も「ある」でしょうけど、マスコミがこのような内容を記事にするのは、「相手が日本だから」でしょう。そんな中、京郷新聞系列の週刊紙「週刊京郷(5日)」が、SNSなどならともかく、なんでマスコミ(ニュースメディア)までこれを真剣に記事にしているのか、単に「そういう記事が金になるから」ではないのか、という記事を載せました。韓国メディアとしてはかなり異例の内容です。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・7月5日が近づいて議論が広がると、作家も再び自分の立場を明らかにした。 7月5日の日付に関して、「夢を見た日が、何が起こるとか、そういうわけではない」といったん否定した。7月4日公開された日本週刊誌Flashインタビューで、作家は「大災難が7月5日起こるだろう」という解釈が広まったことと関連して「2025年7月に大災難が起きるという完全版の帯のフレーズは、私ではなく編集者が書いたもの」とし「その本は予言でもなく、予言マンガでもない」とし、続いて「私も災害については客観的な情報を参考に備えている」と付け加えた・・
・・「彼が出した予言というのが、日付と時刻を正確に合わせるものではなく、5の倍数の後にまわってくるタイプのものだ。そのようなやり方の予言は、あまりにも「組み合わせる」式のものではないか」。クァク・ジェシク、スンシルサイバー大学環境安全工学科教授の言葉だ。彼は2022年10月、この事案を扱ったSBS教養プログラムに出演して、解説を引き受けたことがある。作家の2025年7月大災害説が、なぜシンドロームを起こしたのかについて、彼の説明はこうだ。「人間は合理性の動物だ。何でも理由を探して原理を知りたがる。未来も同じだ。ところが、政治状況や地震のような災害は、現代科学技術でもまだ予測できない。だから、ある人が夢で神秘的な啓示を受けたりとか占めたとかそうするような形でも、神秘なる運命の理屈がわかると信じているようだ」。
2016年から日本の岐阜県に住む作家ナ・ウンヨン氏は、最近<日本が沈没すると?>を出した。運営する日本情報ブログに載せた例の作家の予言コンテンツが話題を集め、本の出版につながった。ナ氏は7月2日行われた画像インタビューで、「韓国や香港、台湾などで話題を集めているのとは異なり、意外にも日本では比較的静かな方」とし「東日本大震災後もそうだったが、不吉な気がすることは、無理をしてでも口を閉じる特有の情緒が働いているようだ」とした。ナ氏は、自分が出した本は「災害が起きる前にどんな準備をしなければならないのかを盛り込んだ本」とし「たくさん知られ、読まれてほしい」と話した。今回の予言マンガの作家も、前に日本「文芸春秋」とのインタビューで、「災害に対して警鐘を鳴らすことで、対策効果を上げることもできると考える」と明らかにした。
しかし、このような現象に対して、クァク・ジェシク教授は「肯定的な面よりも、そうでない面がもっと強いといえる」、「地震や世界平和について、真剣に研究する人たちだっているではないか。彼らの話に耳を傾けるのではなく、ある人の夢や文書に対する解釈などにもっと関心を寄せるのは、まさに、真剣に関連した仕事をしている人々の努力が色褪せてしまう、そういう逆効果が生じる可能性がある。例えば韓国で1992年、ある宣教会が携挙(※けいきょ、韓国語のヒュゴ。審判の日に教徒たちが救いを得るという話ですが、1992年、あるキリスト教宣教団体が「私たちだけ、◯月◯日にそのまま空に持ち上げられ、救いを得る」と主張、集団生活を始め、当時社会的に大きな話題になりました。いま40代以上の韓国人なら誰もが知っている事件です)という教義を広げて関心を集めたが、それが韓国のキリスト教の発展に役立ったと言えるのだろうか。その逆ではないか」と話した。
このような現象が、SNSでのネタレベルを超えて、ニュース・コンテンツでまで真剣に扱われるというのは、いわゆる「お金になる案件」に群がる「注目経済(economy of attention)」現象の一つだとも見られる。クァク教授は「漫画は漫画として読むのがいい」と付け加えた(週刊京郷)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。