相変わらず、いわゆるトランプ関税が世界中で話題です。ただ、意外と楽観論も強く、実際、金融市場はそこまで大きく揺れていません。慣れたのか、呆れたのかはわかりませんが。問題は自動車だとか、焦っているのはタコンプのほうだとか、そんな話も出ていますが、この寸劇はどんなエンディングを迎えるのでしょうか。早ければ今月末~来月あたりに、医薬品と半導体などに特定品目にまた関税をかけるとも言われています。医薬品の場合は200%になるのでは、とも。「半導体」という項目の範囲がどうなのかにもよりますが、日本もそうですが韓国の場合、特に半導体の関税はまさにクライマックスです。李在明政権がどんな手腕を見せるのでしょうか。
で、そんなところですが、「米国側が、米韓首脳会談と関税交渉を連携させている」というニュースがありました。外交情報筋の話だそうで、朝鮮日報(9日)です。韓国内で、「なんで米韓首脳会談がまだなのか」という懸念が出ていることで、首脳会談してやってもいいけどその前にまず関税交渉な、というスタンスを取っているというのです。こういう場合もシェシェすればいいのでしょうか。テンキュ・テンキュ(サンキューサンキュー)かな。ちなみに、引用部分にはありませんが、記事によるといままでトランプ大統領は30人以上の首脳と会っている(会談をしたという意味ではありません)、とのことです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ドナルド・トランプ米大統領の通商交渉圧迫が、始まって1ヶ月を越えたばかりの李在明政権の外交に、大きな試練となっている。ウィソンラク国家安保室長が米国を訪問し、マルコ・ルビオ米国務長官兼国家安保補佐官と、関税・安保両面の問題を解こうとしたが、米国が通常交渉の進展を首脳会談と連携するような態度を見せているというのだ。ある外交情報筋は、「米国が、通商交渉成果がなければ首脳会談もないというふうに話しており、会談の推進が具体的な段階に進んでいないと聞いている」とした。
7日(現地時刻)、ウィ室長とルビオ長官の出会いは「翌月1日からすべての韓国産製品に25%相互関税をかける」というトランプ米大統領の書簡が公開された後に行われた。大統領室はこの日の面談で、韓国側が「早急に韓米首脳会談開催を通じて諸般の懸案で相互好恵的な結果を進展させていくことを希望する」とし、米国側は「共感を表した」と伝えられた。外交においての面談では、首脳会談が確定すれば、「いつどこで首脳会談を開催することに合意した」と発表するのが一般的で、具体的な首脳会談の日程を確定することはできなかったという意味になる・・
・・米国側は「韓国を含む主要国を対象に関税書簡が今日発送された」とし「実際、関税時点である8月1日まで時間があるだけに、両国がそれまで合意を成し遂げるために緊密に疎通していきたい」と話したという。米韓首脳会談に対する確答を避け、通商交渉の妥結を先にするという意味だ・・・・特に、非関税障壁問題が韓米関係に大きな問題になっていることが分かった。外交情報筋は、「米国は『通商交渉がうまくいけば、明日でもすぐに首脳会談できる』というやり方だが、精密地図データ搬出(※韓国で外国企業のマップアプリなどが使えない理由とされています)、牛肉・米輸入制限緩和などは、韓国政府としては容易に受け入れられない問題だ」と話した・・
・・李大統領は、大統領候補だった5月、関税交渉について、「私たちが先人をきって、最初から前に出て、急いで交渉を妥結する必要はないだろう」と話した。現在も政府は「交渉が長引くほど、立場的に困るのは米国だろう」と判断していることが分かった。しかし、韓米首脳会談が遅れている状況で、米国が駐韓米軍再調整などに着手すれば、李在明政府の安保・政治的負担も大きくなるしかない。大統領室もこの点を認識していると伝えられた。
多くの専門家は、トランプ大統領の関心事である造船協力と国防費増額など、複数の懸案を一気にテーブルに乗せ、米韓首脳会談を実現する努力を強化しなければならないと見ている。パクウォンゴン梨花女子大学教授は、「トランプ大統領は経済と安保を連携するという考えが明らかだが、イジェミョン大統領がどれだけ米国の対中牽制や安保戦略に参加するのか、その確認ができていない状態」とし「両国首脳が会って通商・安保全般の直談判をする必要がある」と話した(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。