韓国政府、HBM(広帯域幅メモリー)など半導体部門で「関税例外国」を目指す

午前にも米韓首脳会談についての記事を紹介しましたが、相変わらず多くの韓国メディアが「首脳会談さえできればなんとかなる」というふうの記事を載せています。午前とは別の記事ですが、朝鮮日報(9日)の場合、題からして「結局は米韓首脳会談で解決するしかない」です。それは、ま、同盟国だし、首脳同士が挨拶代りに会って、これから交渉を進めましょうという話をするのは、十分、意味があるでしょう。でも、いまの状況では、そうでもありません。時間が3週間位しかないので、実務レベルである程度交渉を進めて、首脳同士が会談してそれを再確認、またはなにかの発表をするパターンになるでしょう。いきなり首脳会談をして、なにかできることがあるのでしょうか。

逆に、「7月中の米韓首脳会談は難くなった。米国の場合、『首脳会談をしてもいい、しなくてもいい』と思っている」という記事もありました。8日の韓国経済です。「(訪米した韓国側は積極的に首脳会談を持ちかけたが)両国首脳会談を通じて関税交渉など主要懸案を議論しようとする韓国政府とは異なり、米国はこのような反応を見せなかった」、「今月の韓米首脳会談は難しい雰囲気」、「ある外交専門家は『米国は私たちと首脳会談をしてもいいし、しなくてもいい状況だと判断しているのだろう』と話した」、などの内容です。一つ前のエントリーと重複する内容が多いので、引用はしません。こんな中、早ければ今月末にも半導体部門での関税が決まるというニュースが流れましたが、アジア経済(9日)などによると、韓国政府は、『例外(免除)国』としての地位を勝ち取ることを目標にする、としていますが・・これもまた、もう時間がありまシェシェん。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・ドナルド・トランプ米大統領が半導体に対する関税方針を明らかにしたことで、韓国半導体業界の緊張感が高まっている。景気鈍化が続く状況において、輸出依存度の高いAIと高帯域幅メモリ(HBM)中心製品群が関税適用対象として取り上げられたことで、主要企業は生産基地の再編などを含め緊急対応に乗り出した。トランプ大統領は8日(現地時間)内閣会議で半導体と医薬品などに対する関税について言及して「すぐに大きな発表があるだろう」と明らかにした。ハワード・ラトニック米商務部長官も「貿易拡張法232条による半導体調査を今月末までに終えるだろう」と明らかにし、実際の発表は早ければ今月末または来月初めに行われるものと見込まれる。業界は、「猶予の後に高率関税」、「国家別に異なる等級」、「製品群の区分」、「サプライチェーン追跡」など4つのシナリオを中心に対応策を検討している。

この中でトランプ大統領が医薬品に提示した「1~1年半の猶予後に高率関税」方式が半導体にも適用されるのではないか、という観測も出ている・・・・半導体企業は、米国内の生産基地を保有するかどうかが関税適用の重要な変数になると見ている。特にAIサーバー用半導体やHBMのように技術集約度の高い製品は、米国の顧客比重が大きく、単価も高く、関税の影響が集中する可能性があるという懸念が出ている・・




・・業界関係者は「単純な税率より、関税がどのような条件で適用されるのかが、より負担になる」とし「半導体は設計からパッケージングまで様々な国にわたって行われる仕組み、今後の対応がさらに難しくなる可能性がある」と話した・・・・政府は、韓米経済安全保障協議チャネルを通じて例外国の地位を確保するよう模索している。同時に、米国内への戦略的投資が、今後の交渉材料になるという点で、政策的対応も並行するという方針だ・・

・・キムジョンヒェ韓国半導体協会副会長は、「今年上半期、サムスン電子とLG電子など国内輸出が全体的に萎縮した」とし「国会と政府は、遅延している半導体特別法などを早急に議論し、産業への影響を和らげる基盤を設けなければならない」と強調した。また「米国に対し、自国内投資まで萎縮させることができるという点を、両国交渉で説得論理として活用する必要がある」と付け加えた。

ハナルム韓国貿易協会首席研究委員は、「半導体は生産企業が少なく、供給先転換が難しい特性があり、関税が実際にかけられたとしても、他の品目に比べて韓国企業の交渉力は高い」とし「米国も半導体自給率が低く、国内企業の現地投資縮小の可能性があり、むしろ交渉の助けになる可能性がある」と話した(アジア経済)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

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  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。