タイトル通り、米国国防部首席顧問出身の人が、「在韓米軍を3分の1まで減縮すべき」と主張しました。理由は、「韓国政府が、在韓米軍の域内での活動を制限しているから」です。明記はされていませんが、中国関連で動けないなら、減縮したほうがいいという主張になります。本ブログでも何度も取り上げていますが、韓国では、「米軍は韓国の専守防衛のためにある」という主張が一般的で、たとえ台湾の有事の際にも、在韓米軍は動いてはいけないということになっています。いままでも、4500人減縮案が議論されているとか、在韓米軍司令官が「空から見ると、朝鮮半島は日本と中国の間の空母のようだ」と話したり、同じ趣旨の話が出ていましたが、今回はシンクタンクからの意見だからか、今回は特に強い主張です。
「もし韓国政府が同調するなら、メンテナンスのための人力は残してもいい」「究極的に、在韓米軍は物流と整備のためのハブにしたほうがいい」(10日イーデイリー)などで、もう兵力撤収させる気満々です。さて、李在明政権はこの流れにどう対応するのでしょうか。安米経中ではなく、シェ米シェ中するのでしょうか。引用部分の中に「島錬線(アイランド・チェーン)」という言葉が出てきたので検索してみたら、防衛ラインのことのようです。グーグルAIさんの話だと、「冷戦時代にアメリカが中国の太平洋進出を阻止するために設定した概念で、フィリピン、台湾、沖縄を結ぶ「第1列島線」、グアム、サイパンを結ぶ「第2列島線」などが含まれます」、とのこと。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・駐韓米軍を大幅に縮小させ、韓国防衛の一次的責任を韓国に再び任せなければならないという元米国防総省人事の主張が提起された・・・・ダン・コールドウェル前米国防長官首席顧問は9日(現地時間)公開された報告書「米国の利益に合わせた米軍態勢調整」を通じて、「米国国防部は国家利益を保護する方向で米国のグローバル軍事態勢を修正しなければならない」とし、「これは特定地域の軍事力規模を縮小し、他の地域の兵力構成と配置を変更することを意味するとした。同報告書はシンクタンク「国防優先順位」のジェニファー・キャバノ先任研究員と共同で作成した。
彼らは「アジア地域から一部の米軍を撤収させ、より防御に有利な位置に再配置しなければならない」とし「このために同盟国及びパートナーに相当な責任を移譲し、米軍地域の態勢の中心軸を、第1島錬線から第2島錬線に移動させなければならない」と主張した。第1の島錬線は沖縄から台湾とフィリピンに至り、第2の島錬線はグアムとサイパン、パプアニューギニアの沖合まで含む。中国は1980年代から南シナ海と南太平洋の島と島を結んだ島錬線を設定し、段階的に作戦領域を広げている。その中国を念頭に置いた主張であることが分かる。
これにより、彼らは現在約2万8500人規模の在韓米軍の大部分を撤収させ、約1万人の兵力と2つの戦闘機飛行隊隊、及び支援部隊だけを残すべきだと勧告した。残る地上軍は、主に支援、維持、物流、整備を担当し、朝鮮半島での有事の際に戦闘作戦の責任は韓国軍のものとなる。彼らは「韓国は北朝鮮に比べてかなりの在来式軍事優位を保有している」とし「即時ではなくても、近いうちに米国の支援なしにも効果的に自らを守ることができるようにならなければならない」と説明した。
このように在韓米軍の大々的な削減を主張する理由について「韓国は米国に、自国基地を域内他の有事の際に自由に使用できる全面的、緊急なアクセス権を提供しなかった」とし「これにより、残っている米軍兵力は域内での有事の際、活用できない可能性がある」と説明した。これは、中国と台湾の衝突などにおいての在韓米軍の介入に、韓国が『反対』する可能性があるという意味だ(※いまは有事の際ではありませんが、政府方針などは「反対」です)。
彼らは、最終的には在韓米軍の規模をさらに縮小し、残った戦闘機戦力とほとんどの地上軍も撤収させる方向に進むべきだと主張した。報告書は「韓国がこれからも自国内の米軍資産を、域内の他の安保リスクへの対応に活用することを制限するなら、特にそうする必要がある」とし「ただし、韓国が基地を物流または整備ハブとして使用することに同意すれば、一部の維持・メンテナンスのための部隊は残しておく可能性もある」と付け加えた(イーデイリー)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。