韓国の話は出ず・・米高官、台湾有事に日本とオーストラリアの「役割」を要求

日本でも普通に報じられているニュースですが、米国防総省のコルビー政策担当次官が、日本とオーストラリアの国防当局者に、「台湾関連の有事で米中が軍事衝突した場合、各国の役割を明確にするように、と要求しました。日本側のメディアでは関与、韓国メディアでは役割の訳が多いようです。元ソースは12日のファイナンシャル・タイムズです。会員記事なので本文は確認できませんでしたが、タイトルは「US demands to know what allies would do in event of war over Taiwan」になっています。韓国では聯合ニュースとニュース1が報じていますが、ちょっと意外なほど話題になっていません。日本にくらべると、韓国では台湾関連は話題にならない傾向がありますが、もうちょっと話題になってもよさそうですが。

で、記事の主な内容は、「米国がどうするのかを明確にしていないのに、同盟国にだけそんなことを言ってどうする」という指摘です。それは確かにそうですが、台湾の有事によって米国と中国の軍事衝突が起きたことを想定しての話なので、そんな指摘ばかりするのもどうかな、な気がします。むしろ、なにもかもカンゼイカンゼイとうるさい今日この頃なので(EUとメキシコに関税30%など)、むしろこんな話のほうがアメリカっぽいという気もします。で、聯合ニュースの記事によると、韓国政府にもこんな話をしたのかどうかはわからない、とのことでして。短いながらこちらが本題ですが・・なんの話も来ていないなら、それはそれで問題ではないでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・米国が、台湾問題で中国と米国が軍事衝突に突入した場合、日本とオーストラリアがどのような役割を果たすか、具体的な立場を両国政府に要求したと英国の日刊ファイナンシャルタイムズ(FT)が12日(現地時間)報道した。FTによると、最近数カ月間、エルブリッジ・コルビ米国防部政策担当次官は、日本・オーストラリア国防当局者と会った席で、この問題を引き続き提起したと複数の消息筋が伝えた。ある情報筋は「台湾有事の時に直接適用される具体的な作戦構想と訓練が、日本とオーストラリアと共に議論されている」と伝えた。この情報筋は「(コルビ次官の)要求は、米国さえ無条件的な台湾の安全保障を提供しない現状であり、日本とオーストラリア政府を驚かせた」と伝えた。

米国はこれまで台湾防衛の可否を明確に明らかにしない「戦略的曖昧さ」を維持してきたし、トランプ大統領もこれについて具体的に言及したことがない(※この問題について、トランプ大統領が中国側に武力使用を含めたかなり強い発言を伝えたというニュースもありますが、一部からは真偽不明だという指摘もあります)。ただし、ジョーバイデン前大統領は、が任期中に公開的に5回台湾防衛を約束したことがある。韓米防衛当局者は、コルビ次官が同盟国と議論したのは「均衡をとり、公平な方法で抑止力強化努力を拡大し加速するための方案」と説明した。




 

コルビ次官のこのような要求に、日本とオーストラリア、そして他の米国同盟国の代表たちは、そろって疑わしいという反応を見せた、と情報筋は伝えた。FTの報道には、台湾問題で米中の衝突時にどのような役割を果たすかを提示するように、というコルビ次官の要求を、日本とオーストラリア以外に韓国政府も受けたのかどうかについては言及されていなかった。米国国防部は、トランプ政権発足以来、ヨーロッパはもちろんインド・太平洋の主要同盟国にも防衛費増額を圧迫してきた(聯合ニュース)・・>>

引用部分にはありませんが、日本防衛省はこのことについて、「その場合、日本の対応は憲法と国際法、国内法規によってなされるだろう」と述べるにとどまった、とのことです。米国側のシンクタンクなども、「同盟国に言う前に、まず米国側がどうするのかを示すべきではないだろうか」という話が出ている、とも。で、ここでまた告知ですが、昨日休んだばかりで本当に申し訳ございませんが、今日の更新はこれだけです。珍しく、夏風邪を引いてしまったようで・・ちょっとこのまま休もうかと思っています。次の更新は、明日11時頃に再開致します。そういえば、普通に休んだことはあっても、体の調子の問題で更新休むのってずいぶん珍しい・・気もします。本当にありがたいことです(健康という意味で)。

 




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