7月2日に第一報がありましたが、中国は李在明大統領をいわゆる「戦勝節」に招待しています。自由民主種陣営へ招待状を送るのは珍しいことでもありませんが、いままで首脳レベルが参加した事例は(私が知っているかぎりでは)なく、ただ、韓国の朴槿恵大統領が参加し、軍事パレードまで見てきたことがあります。そのことで、行くべきではないという意見も、行くべきだという意見も出ています。前者は主に右側から出ていますが、与党内からも反対意見は結構出ている、というニュースもあります。12日~15日、続報と言えなくもない内容がいくつかあったので、紹介したいと思います。まず李在明大統領の戦勝節出席ですが、「トランプ大統領が行くなら、私たちも行ける」と話した、とのことです。
メディアによってこの解釈は別々で、「行く可能性があるという意味ではないのか」と、「トランプ大統領が戦勝節に訪中するとは思えないので、行けないという意味ではないのか」とも報じられています。14日のアジア経済は、「出席しないという意味ではないのか」と見ています。実際に李大統領と昼食会を一緒にしたメンバーによると、朴槿恵大統領が戦勝節に参加したことはミスだったという指摘について、李大統領も「(朴槿恵大統領は)ちょっとやりすぎだった」というふうに話していた、とも。また、12日の文化日報などによると、10月に韓国で開かれるAPEC首脳会議に、トランプ大統領と習近平主席を招待しました。これもまたよくあることですが、その際、李大統領が「習近平主席は来る。トランプ大統領はまだわからない」と話した、とのことでして。
なにを根拠にしてこんな話をしたのか、がちょっと気になるところです。もし、米中関税交渉がうまくいって、一部の中国メディアが報じているように米財務長官が9月に(戦勝節シーズンが過ぎた後に)訪中し、関税交渉にスパートをかけるなら、10月のAPECで両首脳がそれを合意・発表するために参加するというシナリオかもしれません。この流れがスムーズに進むなら、それはそうなるかもしれません。でも、それなら「習近平主席は来る」「トランプ大統領はわからない」と話したのは違和感があります。韓国政府の長年の宿願で、尹政権でも何度も盛り上がった(実に盛り上がっていました)ものの実現できなかった、習近平主席の訪韓。『なにか』をきっかけに、今回のAPECで実現するのでしょうか。なら、その『なにか』とはなにか。何を「あたえて」、訪韓を「もらう」のか。気になるところです。戦勝節関連で、やはりなにかを考えているのではないか・・そんな気もしますが。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ジョンギュジェ前韓国経済新聞主筆が、最近李在明大統領との昼食会で、習近平中国国家主席が慶州アジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議に参加すると見られる、という話を聞いたと明らかにした。前主筆は12日、YouTubeチャンネルを通じて李大統領が前日(11日)昼食を共にし、そのように話したと伝えた。李大統領は前日、龍山大統領室でジョン前主筆などを招待して昼食を共にした。また前主筆によると、李大統領は「ドナルド・トランプ米大統領も(APEC首脳会議に)来なければならないのに、まだ決定されていないようだ」という趣旨でも話したという。
李大統領は「日本より私たちが米国との貿易交渉をより速く進めることができる」という要旨の話もしたと伝えられた。ジョン前主筆は「日本は米国とやり取りすることがほとんどなく、(参議院)選挙期間だから交渉が進められないし、共通のコンセンサスを作るのは難しいと(李大統領が)説明した」と伝えた。中国の戦勝節行事に李大統領が参加するかどうかはまだ結論が出ていないことが分かった(文化日報)・・>>
<<・・李在明大統領が9月、中国の戦勝節行事にドナルド・トランプ米大統領が参加すれば、自分も参加できるという趣旨の言及をしたと、ジョンギュジェ前韓国経済新聞主筆が明らかにした・・・・14日、前主筆はCBSラジオ「キム・ヒョンジョンのニュースショー」インタビューで、11日、李大統領との昼食会会の内容と関連して「李大統領が(中国の戦勝節行事に)必ず行こうとしているようには見えなかった」としながら、「例えばトランプ大統領が行くなら、私たちもいくことができる」というふうに話していた、という。それと共に前主筆が2014年、朴槿恵元大統領が中国の戦勝節行事に参加したことに批判的な立場だとすると、「李大統領は『(朴槿恵大統領が)少しやりすぎでしたよね』という感じで、話をした」と伝えた(文化日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。