さて、予想通り自民公明で過半数割れした参議院選挙。でも、一時は41~42の予想もありましたが、それでも47議席(自民39議席)までは巻き返せたのが、自民としては幸いです。すべては、「日本にとって良い結果になれるかどうか」。今回の選挙結果が、数年後、数十年後、日本にとって良い結果になることを願います。で、その参議院選挙について韓国メディアも多くの記事を載せています。基本的には昨日紹介したのとほぼ同じパターンが多いですが、聯合ニュースが「日本専門家」たちの意見を集め、「日本人ファーストが強くなると、懸案で日本政府が韓国に譲歩しづらくなる」という記事を載せました。譲歩しないのが「日本のため」であるという自覚はあるのでしょうか(笑)。記事を読んでみると、すべてがそんなパターンの話ばかりです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・日本与党が20日、参議院(上院)選挙で過半議席維持に失敗した。これについて、日本専門家たちは、この結果が韓日関係に及ぼす影響は、そこまでは大きくないだろうと見込んだ。ただ、執権自民党の総裁である石破茂首相が首相の座から退く場合、誰が新しい首相になるのかによって、両国関係が揺れる可能性があるという分析が提起された。また、日韓協力を強調してきた石破首相が政権を維持しても、しばらくは国内政治に注力しなければならず、国政の力も相当部分失われるため、「シャトル外交」再開時点が遅れるなど、外交日程に支障が出る可能性があるという観測も出ている。
内山融(※引用部分の人名の漢字表記は自分で調べたものであり、間違っている可能性があります)東京大学教授は16日、オンライン講演で「参議院選挙の結果が日韓関係に及ぼす影響は、そう大きくないだろう」とし「主要野党は、良好な日韓関係を望んでいるためだ」と話した。木宮正史 東京大特任研究員も、聯合ニュースと通話で、「ドナルド・トランプ米行政府の発足、対北朝鮮問題など、日韓両国をめぐる環境を見てみると、互いに協力するしかない状況」とし、日韓協力基調が続く可能性があると見通した。 吉澤文寿 新潟国際情報大教授は「李在明政権が・・(※ユン政権が解法として打ち出した)第三者弁済を維持することが日本には重要だ」とし、石破首相が選挙敗北責任を負って退陣すれば、日韓関係の不透明性が大きくなる可能性があると指摘した。
彼は「今年は韓日国交正常化60周年であり、終戦80周年だが・・自民党で高市早苗議員のような保守派が政権を握ると、日韓関係が思わしくない流れになる可能性が高いと話た・・日本政治家の中で比較的穏健な声を出した石破首相の退陣は、日韓関係に影響を及ぼすしかないというのだ・・・・石破首相は昨年末に韓国訪問を推進したことがあり、年内に日中韓首脳会議の開催に意欲を示してきた。首脳間の頻繁な出会いは両国関係に不可欠であるが、石破政権の危機により、日韓協力に速度が出せなくなる可能性もある。
これから韓日関係で韓国の役割がさらに大きくなったという見方も出た。木宮研究員は「韓国政権は強く、日本政権は弱い状況」とし「李在明政権が主導的に日韓関係を解かなければならない」と提言した。同氏は「李在明政権が日韓関係をうまく管理するには、様々な問題で日本に強い要求をせず、辛抱強く抑える必要がある」とし「韓国が強く出れば、日本は答えにくく、日韓関係は混乱する可能性がある」と付け加えた。木村幹 神戸大学教授は「これまで日米韓で最も安定した政権は日本だった」とし「日本が不安定になれば日米韓協力も難しくなる可能性がある」と予想した・・・・「日本人ファースト」を掲げた右翼野党参政党が躍進したことに関連して、すぐに両国関係に影響を与えることはないだろうが、外国人関連問題が引き続き争点化すれば・・韓日協力に積極的な政権である場合、リーダーシップが弱まり、日本側が懸案で譲歩しにくくなる可能性があると述べた(聯合ニュース)・・>>
私だから言えることですが、日本が日本人ファーストなのは当然です。韓国メディアの記事に、その問題点として「譲歩しづらくなる」という意見が出ていること。皮肉な話ですが、これこそが、「いま、日本には日本人ファーストが必要である」、一つの理由ではないでしょうか。だって、日韓関係のあるべき姿として記事が書いている内容のほぼすべてが、「一方的に譲歩してもらう」ことになっていますので。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。