いわゆるトランプ関税において、米国と韓国が、「関税15%」で合意しました。なんとかなんとかなるのではないか、とは思っていましたが、予想より早い時間帯での発表となりました。いまのところは「トランプ大統領の発表」によるものですが(最近の関税合意は、発表後に両国の解釈が異なることも多いですが)、トランプ大統領が直接選んだ投資先に3500億ドルの投資、液化LNGなどエネルギー関連で1000億ドル購入、その他の多額の投資、となっています。また、米国産の車、トラック、農産物などを受け入れることにした、とも。ソース記事のニューシースは「自動車関税は明確に書かれてない」としていますが、(速報だけなので引用はしませんが)クッキーニュースによると、大統領室は「車分野では12.5%の関税を目指したけど、15%になった」としています。それでは、以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・米国が韓国に適用した相互関税率を25%から15%に引き下げる貿易合意を締結したと、ドナルド・トランプ米大統領が30日(現地時間)発表した。トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスで、具潤哲 経済副首相兼企画財政部長官など韓国交渉代表団と会談した後、ソーシャルメディア(SNS)トゥルースソーシャルに「米国は韓国と完全かつ包括的な貿易合意に到達したことを発表することができてうれしい」と明らかにした。米国は来る8月1日から韓国に25%の相互関税をかける方針だったが、これを15%に引き下げて、数百兆ウォン規模の投資を約束されたというのが、主な内容である。
トランプ大統領は「今回の合意により、韓国は米国が所有して統制し、私が大統領として直接選択した投資先に3500億ドル(約487兆ウォン)を投資するだろう」とし「また、韓国は1000億ドル規模の液化天然ガス(LNG)またはその他のエネルギー製品を購入し、韓国がそれ以外にも投資目的で大規模の投資を追加するとした。続いて「こうした内容は、今後2週間以内に韓国の李在明大統領が、首脳会談のためにホワイトハウスを訪問した際に発表されるだろう」とし「新しい大統領の選挙勝利を祝う」と書いた(※今になって選挙勝利の話が出てくるところを見ると、前から予定されていたのではなく、韓国側が「今回合意できたら延期されてきた首脳会談も一緒にやるのではどうか」などと提案したものだと思われます)・・
・・トランプ大統領は「韓国は米国との貿易を完全に開放することに同意し、自動車やトラック、農産物など米国産製品を受け入れるだろう」とし「韓国は15%の関税率に同意した」と伝えた。相互関税率15%は、米国が日本と欧州連合(EU)と合意したのと同じ水準だ。日本とEUは自動車など品目関税に対しても関税率を下げて15%を適用されることにしたが、韓国の品目関税についてはトランプ大統領は言及しなかった(※先も書きましたが、車も15%だそうです)・・
具潤哲 副首相と金正官 産業通商資源部長官、呂翰九 通商交渉本部長などは、相互関税猶予満了日に先立ち、米国と貿易合意を成し遂げるために交渉に注力してきた。金長官と呂本部長は先週、ワシントンDCはもちろん、スコットランドまでついて行き、何度もハワード・ラトニック長官と会談し、具副首相も前日からこの日午前まで2日連続でラトニック長官に会った。トランプ大統領はこの日午後3時52分頃、SNSに本日中に韓国代表団と会う予定だと明らかにし、具副首相らは午後4時30分頃ホワイトハウス内に入る姿が捉えられた。代表団は午後6時頃にホワイトハウスを出る姿が再びマスコミに捉えられたが、1時間以上待機してからトランプ大統領と会って協議したものと見られる(ニューシース)・・>>
とりあえず、首脳会談の約束までできたわけですし、李在明大統領としては成功したと言えるでしょう。ただ、近い内に発表されるという半導体関税についてどんな話があったのか、そこは気になります。日本の自動車産業がそうですが、同じ税率でもその産業の輸出が大きいと、どうしてもその分野が注目されますから。韓国の場合、自動車もそうですがやはり半導体でしょう。他の国と同じ税率になっても、その影響は大きいはず。素材や設備(韓国で言う半導体装備)まで含まれるなら、日本への影響もなかなかのものでしょうけど。その部門でどんな話があったのか、中国工場で作られた分はどうするのか、まだまだトランプ関税関連ニュースは続きそうです。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。