韓国、株価操作疑惑などで前大統領夫人「も」逮捕

機能もちょっとだけ書きましたが、予想通りというかなんというか、尹錫悦大統領の夫人、金建希氏が逮捕されました(検察の逮捕状が裁判所で認められました)。ノーカットニュースなどほぼすべてのメディアが、「初めての夫婦同伴逮捕」などと報じています。もちろん、相応のことをしたなら、こういう結果が出ることもあるでしょう。株価操作の疑惑などもありますし。しかし、どうも別の側面が気になる今日この頃です(個人的に、別に金建希氏を擁護する理由もありませんが)。前からずっと書いてきたテーマの一つですが、「上下関係」という影。ただ上と下が入れ替わるだけで、根本的なことはなにも変わらない、そんな世界観のことです。政権が変われば、大統領は必ず「統合」「和解」を言います。しかし、その実態は、結局は「世の中がひっくり返ったこと」を強力に証明するだけのものでした。

「私たちが正しい姿に立て直そうとしているのに、それに合わせないのは『統合』や『和解』ではない」というこのやり方は、日韓関係でも同じパターンがよく見られます。正しいという言葉は、実に怖いものですね。一つ、政治関連でそれ以外の変化があるとすると、曺国 元法相(祖国革新党の前代表)の赦免について、若い層(30代など)からの反発が思ったより大きいという分析が出ています。李在明大統領の支持率は60%を軽く超えていましたが、6%p以上下がり、56.5%という世論調査結果が出ました。調査機関などの分析によると、赦免問題が結構響いた、と。ただ、共に民主党側は「それとはあまり関係ない」というスタンスです。もう決まっているので取り消しはないでしょうけど、「大してなにもやってないのに支持率60%超え」という怪奇現象がやっと終わるのか、ちょっと気になります。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・「前政権でずっと問題提起、権力の盾を失い、逮捕」(※題)。尹錫悦前大統領の夫人金建希氏が12日拘束(※逮捕)された。金氏は、権力を持った前の政権では、様々な疑惑と問題指摘が提起されてきたものの、検察捜査と政治権の特検推進を大きな影響も受けずに回避してきた。しかし、夫の大統領職が罷免されて以来、結局は特検の調査を避けて通ることはできなかった。初めての「逮捕された前大統領夫人」、「前大統領夫婦同時逮捕」という記録も残すことになった・・・・「尹政権発足前から株価操作など疑惑、特検法は応じず」(※見出し)金建希氏と関連した疑惑が初めて提起されたのは、2019年7月、尹前大統領が検察総長候補者だった時代の、人事聴聞会を控えての時期だった。

当時、キム氏が企画した展示会の企業協賛が急増したという指摘と、ドイチモーターズ株価操作疑惑などが取り上げられた。ただ、その時までにも、金氏よりは、彼女の母親であり尹前大統領の義母である崔銀順氏をめぐる各種法律違反のほうが、話題になっていた。金建希キム氏をめぐるドイチモーターズ株価操作疑惑は2020年2月、大きな火がついた。警察が2013年、元ドイチモーターズ会長の株価操作疑惑を調べた結果、金氏がその過程でいわゆる「錢主」として参加したという疑惑が、マスコミの報道で知られたのだ。これに対して警察は、その件について調べていた事実を認めながらも、金氏は対象ではなかったと線を引いた。




該当疑惑は、それからも議論が続き・・・・検察は金氏に対する捜査に着手した・・・・文在寅政権との葛藤が強くなっていた尹前大統領(※当時検察総長)は、結局、2021年6月に政治参加を宣言した。検察は2021年10月、金氏を含めたドイチモーターズ株価操作関連者たちを裁判に引き渡し、12月には関係者が資本市場と金融投資業に関する法律違反の疑いで起訴された。株価操作や虚偽の経歴疑惑など、尹錫悦側の最大リスクとして、金氏関連案件が浮上した(が)・・・・翌年3月、尹錫悦候補は大統領選挙に当選した(ノーカットニュース)・・>>

 

それからもずっとこの問題は(当時の野党から)提起されてきましたが、パットしない展開が続きました。そして、『政権が変わると』急に状況が変わり、今回の結果になったわけです。朴槿恵大統領の弾劾のとき、「大統領を動かす黒幕がいた」という設定の「受け」が良かったから、でしょうか。今回も、いろいろと似たような話(今回の捜査結果にどんな影響を及ぼしたかは分かりませんが)が出てきました。あくまで「雰囲気として」ですが、また政権でも変わらないかぎり、この展開が変わることはないでしょう。これが、現政権から見ての「正しさ」ですから。




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。